コラム

2018年6月27日更新

介護レクリエーションの役割と「レクリエーション介護士」の資格

介護レクリエーションはご利用者様とコミュニケーションを図る貴重な時間です。しかし、「レクリエーションってこれで良いのかな?」「もっと楽しんでもらうためにはどうしたら良いのだろう?」と悩むことはありませんか。ここでは2018年2月に、取得者が2万人を超えたとされる「レクリエーション介護士」の資格についてご紹介します。その人気の背景にある介護レクリエーションの意義についても考える機会にしてください。

「レクリエーション介護士」とは

現場経験が長いスタッフ様でも、レクリエーションの企画や運営に頭を悩ませることは多いと思います。「レクリエーションを基礎から学びたい」という要望に沿い2014年に資格制度化※1されたのが「レクリエーション介護士」の資格です。

  1. ※1
    一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会、レクリエーション介護士の資格で学ぶことができるのは、介護の基礎とレクリエーションに関する知識です。
    介護の仕事に携わる場合は、介護職員初任者研修などの資格を求められることがあります。

「レクリエーション介護士」資格取得で身に付くもの

レクリエーション介護士の資格には1級、2級がありますが、2級なら年齢・経歴問わず誰でも受験可能です※2。資格を得る上で、以下のような知識やスキルを学ぶことができます。これらは、介護の現場で必要になるものばかりです。資格取得を目指すことによってこれらをじっくり学び、身に付けることができるのが最大の利点かもしれません。

  • ※2
    1級の試験を受けるには、レクリエーション介護士2級の資格を取得する必要があります。

1. レクリエーションの知識

独学や経験に頼りがちなレクリエーションについて、基礎から応用・実践方法まで論理的に学ぶことができます。高齢者とのコミュニケーションの取り方や声掛けの方法など、「介護の基本」も併せて学ぶこともできるので、新たな気づきがあるかもしれません。
 

2. レクリエーションの企画・実行力

レクリエーションについて明確な目的とコンセプトを設定することを学びます。これは、レクリエーションのもつ意義や役割などを改めて考える機会になります。ご利用者様の好みやその日の状態に合わせたレクリエーションを考える基礎力が身に付きます。

介護におけるレクリエーションの役割

資格取得が望まれるほど介護に欠かせないレクリエーション。その役割は単なる娯楽ではありません。ご利用者様の脳の活性化や身体機能の向上、QOLの向上にもつながります。ご利用者様に日々の暮らしの中で生きがいや意欲を持ち続けて頂くためになくてはならないものです。
 
介護の場では、レクリエーションの時間だけが娯楽としてのレクリエーション時間であるだけではいけません。普通の生活を営むように、それぞれのご利用者様の日々の随所に、楽しみや、自身で選ぶ行為を入れていく必要があるます。スタッフ様やご利用者様同士のちょっとしたコミュニケーションも立派なレクリエーションでもあるのです。
若い時には何気ない動作や作業でも、高齢になると残存機能を維持するための立派なリハビリテーションの一つにもなります。ちょっとしたコミュニケーションでも、おしゃべりは嚥下や口腔環境に良い影響をもたらすし、そこから笑顔が生まれれば、脳の活性に繋がります。施設で役割を持たせることも良いでしょう。それが、生活の刺激や社交に繋がります。
 
近年の介護施設では、単に機能的回復や介護予防といったことだけでなく、ご利用者様に「喜びや生きがい」を感じていただけることが重要視されてきています。それは、「設備」「食事」の提供だけでは不可能で、「レクリエーション」のなかにこそ可能性があると思います。レクリエーションを通じて、スタッフ様とご利用者が向き合い、楽しみながら日々を過ごしていくことこそが、「喜びや生きがい」につながっていくものと思います。
 
充実したレクリエーションはご利用者様の生活をいきいきとさせ、心も豊かにする可能性を持っています。ご利用者様に「今日も1日楽しかった」と思っていただけるよう、レクリエーションの目的について改めて考えてみませんか。そこに業務改善のヒントがあるかもしれません。
 

【補足】 レクリエーション介護士資格 取得の方法

資格取得のためには、通信講座を利用してご自分のペースで学習する方法と、短期間で集中的に学習し、資格取得を目指す通学講座を利用する方法があります。資格の更新費用や会費は不要です。ここでは2級の資格取得方法を3つ紹介します。どちらも資格取得には、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会認定の試験に合格する必要があります。

1.通信教育を受ける

通信教育は仕事が忙しい方や、時間をかけてコツコツ学びたい方に適しています。学習から試験までのステップが自宅で完結するので、自分のペースで学習することが可能です。
通信教育ではテキストとDVDを用いてレクリエーションについての知識を深めます。全4回の添削課題を提出し、最終課題に合格すると資格を取得できます。1日30分~1時間勉強し、3カ月程度で資格を取得する人が多いようです。
最終課題で60点以上獲得すると合格となりますが、不合格になっても一定期間は再受験が可能です。

  • 学習期間の目安:3カ月程度
  • 料金:35,000円
  • 試験方法:筆記試験(選択式50問)+添削課題

2.通学講座を受講する

短期間でスキルアップを図りたい方向けの通学講座も用意されています。通学講座では、協会の認定講座を実施する大学や専門学校などに通い、資格を取得します。講座は最短2日間で、添削課題の提出と筆記試験の合格が求められます。短期で集中的に学べる点がメリットですが、講義の日時・場所は指定されているためスケジュール調整が必要です。
試験は通信教育と同様の筆記試験で、60点以上獲得すると合格になります。

  • 学習期間の目安:2日間
  • 料金:35,000円~(学校によって費用が異なります)
  • 試験方法:筆記試験(選択式50問)+添削課題

3.事業所向けの団体研修を活用する

レクリエーション介護士の研修を実施する日本アクティブコミュニティ協会では、公認講師が事業所や施設を訪れて行なう団体研修も実施しています。事業所や施設の要望に合わせ、カリキュラムをカスタマイズすることも可能です。料金は条件によって異なりますが、団体割引もあるため、施設内の複数人で資格を取られる場合や、スタッフ様全員のレベルアップのきっかけとして活用されるのもおすすめです。

執筆:花王プロフェッショナル業務改善ナビ【介護施設】編集部

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