キラリアハイジーン

安全衛生教育の必要性や種類、方法について解説

2023.11.30


企業・団体の感染対策にお悩みのご担当者様へ 施設の感染リスクを診断し、改善につなげていく感染予防ソリューション ソリューション紹介資料はこちら

企業・団体の感染対策にお悩みのご担当者様へ 施設の感染リスクを診断し、改善につなげていく感染予防ソリューション ソリューション紹介資料はこちら

企業・団体の感染対策にお悩みのご担当者様へ 施設の感染リスクを診断し、改善につなげていく感染予防ソリューション ソリューション紹介資料はこちら


安全衛生教育は、企業や組織における従業員の健康と安全を守るための重要な要素であると広く認識されています。

近年、特に新型コロナウイルス感染症の拡大や労働現場での技術革新が進展するなかで、安全衛生教育の重要性は増しています。企業を健全な形で成長させていくためには、安全衛生教育の徹底が不可欠であるといえるでしょう。

本記事では、安全衛生教育の概要から必要性、種類や具体的な方法に至るまで詳細に解説します。
現代の感染症対策との連携についても触れます。

企業のリーダーや安全衛生担当者はもとより、一般の従業員にとっても有用な情報となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

【PROFILE】監修者:涌井 好文

平成26年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録を行い、以後地域における企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を行う。
また、近時はインターネット上でも活発に活動しており、クラウドソーシングサイトやSNSを通した記事執筆や監修を中心に行っている。

安全衛生教育とは

安全衛生教育とは、労働災害を防止するために、従業員が自分自身と他者の安全と健康を保つのに必要な知識と技能を与えるために実施する教育のことです。労働者が現場での危険を正しく認識し、適切な予防策を講じる能力を高めることが主な目的であり、労働災害の減少や作業効率の向上につながります。

日本には労働安全衛生法という法律があります。これに基づき、事業者が労働者を雇い入れたときや、労働者の作業内容を変更したときなどには、業務に関する安全や衛生のための教育を施さなくてはいけません。

日々変化する作業環境や新しい機器の導入などに対応するため、定期的な安全衛生教育と見直しが求められます。安全衛生教育を受けることで、従業員は最新の安全技術やツールの操作方法、そして業界の最新動向についても学べます。

安全衛生教育の必要性

安全衛生教育の必要性は多岐にわたります。まず安全衛生教育を通して、従業員が危険を早期に察知し適切に対処する能力を高められるため、事故の予防やリスクの軽減が可能になることが挙げられるでしょう。これによって企業全体の安全に対する認識が向上し、事故発生による休職や離職を防ぐことにもつながるため、従業員やその家族の生活が安定します。

次に多くの国で安全衛生教育は法律で義務付けられており、教育の実施は法令遵守の一環となるため、企業の社会的評価や信用の維持につながることが示唆できます。

さらに、従業員が安全に作業できる環境が、ストレスの軽減や業務効率のアップにつながることも想定されます。これは生産性の向上やコストの削減にも直結するものです。安全衛生教育は、従業員の身体的な健康だけでなく精神的な健康を保護します。

また現代では、新型コロナウイルス感染症の拡大も影響して、感染予防に関する安全衛生教育の必要性が強調されています。適切な安全衛生教育は従業員自身の健康だけでなく、家族や地域社会全体の健康の維持にも寄与するといえるでしょう。

このように、安全衛生教育は企業の持続的な成長と社会的責任を果たすうえで、欠かせない要素であるといえます。

労働安全衛生教育の種類

労働安全衛生法に基づく安全衛生教育としては、以下の4種類があります。安全衛生教育は建設業や製造業で実施されることが多い傾向にあります。

  • 雇い入れ時の教育
  • 作業内容変更時の教育
  • 特別教育
  • 職長等に対する教育

また、企業によっては上記4つの他にも以下の安全衛生教育が行われる場合があります。

  • 安全衛生管理者等に対する能力向上教育
  • 健康教育

順番に見ていきましょう。

雇い入れ時の教育

雇い入れ時の教育とは、新規に雇用された従業員に対して実施される教育のことです。企業の基本的な安全方針や規則、使用する機器の操作方法、緊急時の対応手順など基本的な安全知識と技能を教授します。

これにより、新たに職場に加わる従業員が自身の安全と健康を保つための基盤を形成するとともに、ほかの従業員と円滑に連携できるようになることが期待されます。

雇い入れ時の教育は、従業員が業務に慣れる初期段階での事故防止にも大いに役立つでしょう。

作業内容変更時の教育

作業内容変更時の教育とは、従業員が新しい作業や担当に変更された際に実施される教育のことです。新しい業務内容や使用機器、作業場所の特性などに応じて、必要な安全手順や健康管理の方法などを学ばせます。

作業内容変更時の教育は、従業員が新しい業務に迅速に適応し、早期に高い生産性を発揮できるようにするために重要です。

また、新しい作業にともなう未知の危険を事前に把握し、事故を未然に防ぐ役割も果たしています。特に業務内容が大きく変わる場合や新しい機器の導入がある場合には、作業内容変更時の教育が欠かせないでしょう。

さらに、社内的な事情だけではなく、世の中の状況の変化に伴う作業内容の変更などもあります。例えば、近年猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大時は、感染初期から感染大流行期、現在の平常時など、それぞれの段階に応じた業務フローの見直しを迫られたと思います。各段階の感染リスクに応じて、オペレーションの変更を事前に検討しておくと緊急時にトラブルを最小限に抑えられるのではないでしょうか。

特別教育

特別教育とは、一定のクレーン運転業務など、危険・有害な業務に労働者をつかせるときに企業が行わなければならない教育です。労働安全衛生法第59条3項により、「事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。」と定められています。

特別教育が必要な業務としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 研削砥石の取り替えまたは取り替え時の試運転の業務
  • 動力により駆動されるプレス機械の金型、シヤーの刃部またはプレス機械もしくはシヤーの安全装置もしくは完全加工の取り付け、取り外しまたは調整の業務
  • アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断などの業務
  • 対地電圧が50ボルトを超える低圧の蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務

労働安全衛生規則第36条には、特別教育を必要とする業務として、この他にも多数の業務が規定されています。

なお、特別教育では以下のような内容を学習します。

  • 保護具の使用方法
  • フルハーネス型墜落制止用器具の使用方法
  • 足場の組立て、解体、変更に関する作業
  • 自由研削と石の取替え又は取替え時の試運転の方法

職長等に対する教育

職長等に対する教育は、一般の従業員以上に高度な安全管理能力とリーダーシップが求められる職長や班長などの職務に就く際に実施される特別な教育です。労働安全衛生法第60条には、以下のように定められています。

事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなつた職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対し、次の事項について、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

一 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。
二 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
三 前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの

職長教育が必要な業種としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 建設業
  • 製造業電気業
  • ガス業
  • 自動車整備業
  • 機械修理業
  • 食料品製造業
  • 新聞業
  • 出版業
  • 製本業及び印刷物加工業

それぞれの分野の内容に応じて、作業手順の定め方や労働者の適正な配置の方法、指導および教育の方法、作業中における監督および指示の方法などを学びます。主な学習内容は次の通りです。

安全衛生管理者等に対する能力向上教育

安全衛生管理者等に対する能力向上教育は、組織全体の安全衛生の管理と向上に必要な特別なスキルと知識を提供するものです。これには法規制の解釈・リスク分析・教育プログラムの設計・監査の実施などが含まれます。

能力向上教育は、常に変化する法規制や業界標準、技術の進展に合わせて最新の情報と手法を提供します。さらに自己分析や問題解決のスキル、チーム内でのコミュニケーションと協力を促進する方法なども教授されます。

能力向上教育は、安全衛生管理者等が自らの役割を効果的に果たすための基盤を築くとともに、組織全体の安全文化の強化と事故防止におおいに貢献するものです。

健康教育

健康教育は、労働者の健康を保つために、健康的な生活習慣・栄養・運動・ストレス管理などの基本的な知識とスキルを提供する教育プログラムです。

近年になって特に重要になってきているのは、感染予防の教育です。感染症は容易に職場で拡散するため、感染予防は極めて重要となります。

労働者に対して、感染症の基本的な伝播メカニズム・予防策・早期発見と対応の方法などを教えることで、感染症の拡大を防ぎます。基本的な内容は、手洗いの正しい方法やマスクの適切な使用方法や社内の衛生管理についてなどです。

特に新型ウイルスなどの出現時には、迅速な対応と手順書・マニュアル等の更新、教育の更新が求められるため、健康教育の柔軟な対応と継続的な実施が大切です。労働者の健康だけでなく、職場全体の健康状態の向上と生産性の増進にも寄与します。また、店舗や施設などをお客様がご利用される場合は、ご利用者様への感染予防への働きかけも重要な取り組みといえるでしょう。

安全衛生教育の方法

安全衛生教育の具体的な進め方としては、以下の4つが挙げられます。

  • 実施責任者の選任
  • 計画の作成
  • 教育の内容を工夫する
  • 専門知識のある講師を活用

一つずつ解説します。

実施責任者の選任

安全衛生教育の成功には、経験豊富で資格のある実施責任者の選任が欠かせません。実施責任者は、安全衛生教育プログラムの設計・実施・評価を担当し、プログラムの効果的な運営について責任を持ちます。

実施責任者には、安全衛生教育の対象となる労働者のニーズと期待を理解し、業界の特定のリスクと法的要件に対応したカリキュラムを開発する能力が求められます。

さらに労働者との良好なコミュニケーションを確保し、彼らが安全衛生教育の内容を受け入れ、適用するための支援を提供する役割も果たさなければいけません。

実施計画の作成

安全衛生教育の実施計画は、教育の目標・対象者・内容・リソース・評価方法などを明確に提起したものにする必要があります。計画の作成は、教育が組織の目標と整合し、労働者にとって意義のあるものにするために重要です。

実施計画は、安全衛生教育全体の進行を追跡し、必要に応じて調整するための基盤となります。計画は、関係者全員が教育プログラムの目的と進捗情報を共有し、必要なリソースと支援を提供するための重要なコミュニケーションツールでもあります。

確かな実施計画の作成と遵守は、安全衛生教育プログラムが効果的に実施され、組織全体の安全衛生の向上に貢献することをより確実なものにします。

教育の内容を工夫する

安全衛生教育の内容は、受講者の関心を引き付け、理解を深めるために工夫が必要です。内容の工夫は、安全衛生教育の効果を最大化し、受講者が学んだ知識や技術を実際の職場環境に応用できるようにするための鍵となります。

まず、安全衛生教育の目的と対象者のニーズを明確に理解することが重要です。これに基づいて、現場からの事例など具体的な例を取り入れ、視覚的な要素など多岐にわたる教材を活用することが効果的です。

また、受講者との対話を促進し、問題解決のためのグループ活動など、能動的な学びの機会を提供することも欠かせません。

安全衛生教育の内容を工夫することで、受講者のモチベーションが高まるだけでなく、安全衛生の理念を日常の業務に組み込む基盤が強固なものになります。

専門知識のある講師を活用

安全衛生教育の成功には、専門知識のある講師の活用が不可欠です。

専門的な講師は、業界の最新動向や法的な要件、特定の職場のリスクに精通しており、安全衛生教育の内容を受講者に合わせて調整する能力を持っています。講師は実際の経験と理論的な知識を組み合わせて、受講者に関連性の高い教育を提供できます。

専門的な講師を活用することで、教育プログラムは労働者の具体的なニーズに対応し、職場の安全衛生を強化する効果的なツールとなるでしょう。

専門講師の選定は、資格・経験・教育スタイルなど、教育の目的と対象者のニーズに合わせて慎重に行うべきです。適切に選ばれた講師の活用は、安全衛生教育の質を向上させ、組織全体の健康と安全に対するレベルを底上げする重要な要素となります。

―まとめ

安全衛生教育は、組織全体の健康と安全を保護し向上させるための基盤です。従業員が安全な方法で業務を遂行できるよう訓練することは、法的な義務であるだけでなく、事故の予防や生産性の向上、従業員の満足度の向上など多岐にわたる利点を生み出します。

安全衛生教育には、雇用時の教育・作業内容変更時の教育・特別教育など、多種多様な種類があります。また安全衛生教育の成功のためには、責任者の選任や実施計画の作成、教育内容の工夫などについて計画的かつ戦略的にアプローチすることが欠かせません。

感染予防などの健康教育も含め、安全衛生教育は今後も企業の持続可能な成長と社会の健康を支えるための、重要な役割を果たし続けるでしょう。

Kiralia(キラリア)とは?

Kiraliaとは、キラリアハイジーン株式会社が提供する衛生ソリューションです。社会の衛生を守るための対策を行う事業者の皆様に、最適な衛生対策を継続して提案いたします。

企業・団体の感染対策ご担当者向けのソリューション「Kiralia INFECTION CONTROL」は、リスクの評価分析と適切な改善方法をご提案する感染予防ソリューションです。リスクを早期に発見し、施設の感染拡大防止をサポートします。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、安全衛生教育の一つとして、基本的な感染予防や職場での衛生管理の徹底を従業員に教育・啓発していかなくてはと意識される場面も増えたのではないでしょうか?しかし、具体的にどのようなことに取り組めば、従業員が健康に働ける環境を作ることができるのか、悩まれているご担当者の方も多くいらっしゃるでしょう。

「Kiralia INFECTION CONTROL」なら、職場内での行動分析によるリスクシミュレーションと各種検査モニタリングによるリスクの洗い出し、オフィスや店舗、施設それぞれに即した対策を実施するためのオペレーション、マニュアル作成、スタッフ教育など感染予防の最適化をトータルサポートいたします。

安全衛生教育として、感染予防や衛生管理についてどのように取り組んだらよいか、お悩みの方は是非お気軽にお問い合わせください。

企業・団体の感染対策
お悩みのご担当者様へ

施設の感染リスクを診断し、
改善につなげていく
感染予防ソリューション

トータル衛生ソリューション
プログラム

企業・団体の感染対策ご担当者様向けのソリューション

Kiralia INFECTION CONTROL:リスクを早期に発見することで、 感染拡大防止を年間を通じてサポート

食品の衛生管理ご担当者様向けのソリューション

Kiralia FOOD SAFETY:安全安心な食の実現をサポート ~KiraliaでSmart・着実に自主衛生管理のレベルアップ~

お問い合わせ

Kiraliaの導入に関する
ご相談、ご要望など、
何なりとお問い合わせください。

お電話の混雑状況によって、つながりにくい場合がございますので、メールによるお問い合わせも併せてご利用ください。
ご不便とご迷惑をおかけいたしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

Page Top