2024.06.04
「稼働率がなかなか上がらない」と悩みを抱えているデイサービスの経営者や管理者の方は多いのではないでしょうか。
日本は超高齢社会であり、高齢者の割合は年々増加しています。このような背景から事業としての可能性を感じ、デイサービス事業を始める方は少なくありません。
しかし、実際には赤字経営の事業所が多いのが現実です。経営を改善するためにはデイサービスの稼働率を上げることが不可欠です。
本記事では、デイサービスにおける稼働率の定義の説明から始め、稼働率低下の原因や改善させる方法を解説します。デイサービス事業の稼働率とどのように向き合えばよいか、ご理解いただけると思います。
【PROFILE】監修者:マンベンダ奈穂子
資格:
介護福祉士
介護支援専門員(ケアマネジャー)
福祉住環境コーディネーター1級
福祉用具専門相談員
2005年に信州大学工学部(建築)を卒業。福祉リフォームの現場で建築の経験を積む。小規模多機能型居宅介護サービスで、ケアマネ・介護士として、7年間、介護の経験を積み、訪問サービスを含め、生活介護や身体介護に携る。
デイサービスの稼働率とは、事業所の定員に対する在所者数の割合です。「定員がどれくらい埋まっているか」と言い換えてもよいでしょう。
稼働率の具体的な計算方法は、以下の通りです。
稼働率=1ヶ月の延べ利用者数÷(1カ月の営業日数×1日の利用定員)
例えば、1ヶ月延べ利用者数が600人、営業日数が25日、1日の利用定員が30名だとしましょう。計算式は「600÷(25×30)」となり、答えは0.8、すなわち80%となります。
WAM NET(ワムネット)独立行政法人福祉医療機構の2022年度の調査によれば、営利法人の赤字事業所の利用率(稼働率)は67.2%で黒字事業所とし比較して10.1%低いです。営利法人以外の赤字事業所も黒字事業所と比較すると9.1%低く黒字事業所と赤字事業所の利用率には大きな差があります。このことから、デイサービスの経営において、稼働率は大きな影響をもたらす要素と考えられるのです。
デイサービス事業において、稼働率が低下する原因には、以下のようなものがあります。
デイサービスの利用定員は基本的に変動がないため、利用者が減少することによって稼働率が低下することは当然の流れですが、その理由を詳細に分析することが不可欠です。
体調不良などの理由で、利用者がキャンセルすることがあります。キャンセルが増えると、空きが増えるため稼働率が低下します。
競合他社が増加していることも、稼働率の低下に影響します。利用者全体の増加より事業所の増加のほうが大きければ、必然的に1事業所あたりの利用者数が減り、稼働率は低下するでしょう。
デイサービス経営者・ 管理者向け
おすすめのお役立ち資料
デイサービス業界の現状から、稼働率や集客力をアップさせる具体的な方法まで紹介しています。
こんな方におすすめ
デイサービスの稼働率を上げたい
デイサービスの新規利用者を増やしたい
デイサービスの経営改善を検討している
デイサービスの稼働率を上げる方法としては、主に以下の3つが考えられます。
順番に見ていきましょう。
利用者を増やすためには、広報活動を積極的に行うことが有効です。広報活動を行うことで、地域の方々にデイサービスの存在や提供するサービスについて広く知ってもらうことができます。これにより、潜在的な利用者にアプローチし、新規利用者の獲得につなげることができます。
具体的な広報活動としては以下のような対策が考えられます。
利用者を増やすためのヒントは「デイサービス(通所介護)の利用者を増やすには?利用者を減らさないための注意点と合わせて分かりやすく解説」でも解説しています。合わせてご覧ください。
デイサービスでは、体調不良などによるキャンセルがつきものです。もしキャンセル料を設定していない場合、キャンセルが発生すれば、その分の収入は得られません。
キャンセルに対する対応として、振替利用を促すことが考えられます。振替利用とは、予定していた日にキャンセルした利用者に、定員が空いている別の日に利用してもらうことです。振替利用をしてもらえれば、見込んでいた収益を確保できます。
また、振替利用のシステムは、利用者側にもメリットが大きいです。デイサービスを休むことで、外出や身体活動の機会が減ってしまいます。振替を事業者側から提案してくれるならば、利用者から「利用しやすい事業所」と映ることでしょう。
キャンセルの理由に気を配ることも必要です。急な体調不良は防ぎようもありませんが、日頃から、デイサービス内での衛生管理や感染症に対する意識を高めておくことは必要です。ひいては、そのことが利用者の健康維持にもつながるからです。
サービス全般に共通することですが、利用者やご家族に満足される品質を担保できなければ、継続的に利用していただくことはできません。満足度の高いデイサービス運営を行うために、例えば以下のようなことに意識的に取り組むことも効果的です。
地道なサービス品質の改善を積み重ねることで、サービスの評価が上がり、長く利用され続ける施設へと発展するでしょう。また、平時、非常時での安全面への配慮も利用者やご家族の安心感につながります。
本記事では、デイサービスにおける稼働率低下の原因や改善させる方法を解説しました。稼働率は収益に大きな影響を与える要素です。業界全体では、赤字事業所と比較して、黒字事業所の稼働率が高いことが示されています。
まずは、自社の稼働率を認識し、経営が安定するために必要な稼働率を把握しましょう。稼働率の把握は、経営状況を見直すうえで重要であり、売り上げ向上の対策を考える際にも役立ちます。
Kiraliaとは、キラリアハイジーン株式会社が提供するトータル衛生ソリューションプログラムです。企業・団体向けの感染予防ソリューション「Kiralia INFECTION CONTROL」は行動分析によるリスクシミュレーションから、具体的な感染対策までワンストップでサポートします。
新型コロナウイルス感染症の影響により、感染対策の重要性はさらに高まっています。デイサービスにおいても、利用者に安心して施設を利用していただくために、平時、非常時での備えが必要になるでしょう。Kiralia INFECTION CONTROLは施設のリスク評価や従業員への感染対策の教育、オペレーションの改善など、適切な対策をご提案いたします。
デイサービスでの感染対策にお悩みの方は是非お気軽にお問い合わせください。
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