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従業員がインフルエンザにかかったら会社はどう対応すべき?出勤可否など解説

2024.01.31


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インフルエンザは、例年12月から3月にかけて大流行する傾向があります。国立感染症研究所公開の「インフルエンザ流行状況レベルマップ」によると、2023年も12月に入った時点で大多数の都道府県が警戒レベル以上の発生状況で、今後さらなる感染拡大が懸念されます。

もし従業員がインフルエンザにかかった場合、どのように対処するべきでしょうか?
企業として、従業員への感染拡大を最小限に抑えるための安全配慮、日常的な感染予防や、感染状況に応じた対策が重要です。

会社員がインフルエンザにかかった場合の出勤の可否は、学校のように法的な基準がなく、各企業の判断に委ねられています。

従業員から欠勤の申請があった場合、「有給休暇の扱いになるのか」「休業手当の支給は必要なのか」など正しい知識を持っておくことが大切です。

今回は、従業員がインフルエンザにかかった場合出勤停止にするべきか、会社が出勤停止命令を出した場合どのような扱いになるのかなど、企業側が対応すべき点などについて解説します。

【PROFILE】監修者:涌井 好文

平成26年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録を行い、以後地域における企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を行う。
また、近時はインターネット上でも活発に活動しており、クラウドソーシングサイトやSNSを通した記事執筆や監修を中心に行っている。

従業員がインフルエンザにかかったら出勤停止にするべきか

従業員が季節性インフルエンザにかかった場合、出勤の可否に関する法的な基準はありません。しかし、企業には全従業員が安全かつ健康に働けるように配慮する、安全配慮義務があります。

企業の安全配慮義務とは
「災害を起こす可能性」すなわち「危険及び健康障害」を事前に発見し、その防止対策(災害発生の結果の予防)を講ずるということがその内容として使用者の義務とされています
引用:労働災害の発生と企業の責任について|厚生労働省

企業にはインフルエンザのリスクを予知し、感染拡大を回避するための安全措置に努める義務があります。

小学校や中学校の場合、学校保健安全法第一九条により「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児にあっては三日)を経過するまで」の期間は出席停止です。対して社会人の場合は法的な規制がなく、出勤の可否は会社の就業規則に従います。

インフルエンザに感染した従業員が出勤しても法的には問題ありません。しかし、出社した場合、他の従業員への感染拡大リスクが高まることや、出社せず在宅勤務を行う場合でも、体調不良によって業務に支障をきたす恐れがあるため、感染者の出勤はできるだけ回避すべきです。

社内での集団感染を防ぎ業務を円滑に遂行するためには、従業員がインフルエンザにかかった場合の就業規則の整備が不可欠です。欠勤する場合の会社への申告方法、提出書類を従業員に明示できる環境を整えておくのが望ましいでしょう。

インフルエンザにかかった従業員に対して、仕事に復帰する際「治癒証明書」や「陰性証明書」の提示を求める企業もあります。しかし、厚生労働省の見解では証明書類の提出は不要とされています。

証明書類の発行などは、連日多くの患者の治療にあたる医療機関への負担が増える可能性もあるため、インフルエンザの流行期などには特に、医療機関の混雑状況などを見て行動するのがよいでしょう。

従業員から有給休暇や欠勤の申し出があった場合

インフルエンザへの感染を理由に従業員から欠勤の申し出を受けた場合、有給休暇、欠勤、病欠のどれに該当するのかわからず、対応に苦慮する場合もあるのではないでしょうか。勤怠の扱い方を具体的に解説します。

従業員から申し出があった場合は有給休暇として扱う

従業員から「インフルエンザの感染期間中は有給休暇を消化したい」と申請があり、有給休暇が残っている場合は基本的に有給休暇として処理します。

ただし、本人から有給休暇の申請がないにもかかわらず、会社判断で勝手に有給休暇扱いにしたり、有給休暇の申請を強要したりするのは、労働基準法違反に該当します。

労働基準法第三十九条により「有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定められているためです。有給休暇を使うか否かは、あくまでも従業員本人の自主性に委ねるべきです。

欠勤・病欠扱いになるケース

インフルエンザにかかった従業員の有給休暇が残っていない場合や、本人から有給休暇の申請がない場合には、風邪やケガで休む場合と同様に欠勤(病欠)扱いとします。

企業の就業規則に「インフルエンザ」や「病気」など傷病休暇に関する規定が定められている場合、従業員から申請があった際には、該当する休暇として処理します。

傷病手当金の対象になるケース

従業員がインフルエンザで4日以上連続欠勤した場合、傷病手当金の対象となる可能性があります。

傷病手当金とは、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。

傷病手当金の申請は、企業が加入している健康保険組合に「医師の診断書」と「健康保険傷病手当金支給申請書」を提出します。支給条件を満たしていると判断された場合、従業員に対して、1日あたり以下の金額が支給されます。

[支給開始日以前の継続した12月間における各月の標準報酬月額を平均した額]÷30×2/3

少々わかりにくいかも知れませんが、1日あたりおおむね日給の3分の2が支給されると考えればよいでしょう。

ただし、傷病手当金の支給には3日間の待機期間があり、インフルエンザで仕事を休んでから4日目以降の仕事に就けなかった日が支給対象です。待機期間には土日祝日や、会社の公休日も含まれます。

傷病手当金は、病気で休業している間の生活保障を目的とした制度のため、欠勤中も給料が支払われている場合は支給の対象外です。ただし、給料の額が傷病手当金に満たない場合には、差額が支給されます。

企業が出勤停止を命じた場合

企業の就業規則にのっとり、インフルエンザにかかった従業員に対して出勤停止を命じた場合、状況によっては労働基準法第二十六条で定められている「休業手当」を支払う必要があります。

第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
引用:労働基準法第二十六条|厚生労働省

休業手当を支給するか否かの判断基準は、出勤停止の理由が企業側の責任であるかどうかです。新型インフルエンザと季節性インフルエンザでは、出勤の可否に関する法的根拠が異なるため休業手当の扱いにも違いが生じます。

季節性インフルエンザは休業手当が必要

季節性インフルエンザにかかった場合、出勤の可否に関して法的根拠がないため、従業員への出勤停止命令は「会社都合」となり休業手当の支給が必要です。

休業手当の金額は平均賃金の60%以上が基準と定められています。企業の就業規則で定めがある場合はその金額を支払います。

新型インフルエンザは休業手当が不要

新型インフルエンザは大多数の人が免疫を持っていないため、全国的な急速な蔓延により国民の生命や健康に重大な影響を与える恐れがある「特定感染症」に該当します。

そのため「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」によって、一定期間の就業制限が義務化されています。

出勤停止の命令は法的な根拠に基づいたものとなるため、原則欠勤扱いになります。よって、企業側から従業員に対して休業手当の支払いは不要です。

―まとめ

従業員がインフルエンザにかかった場合の出勤の可否は、法的な基準がないため判断は企業に委ねられます。そのため、「有給休暇になるのか」「休業手当の支給は必要なのか」など正しい知識を事前に持っておきましょう。

社内でのインフルエンザ感染拡大は業務に支障をきたします。出勤停止の基準やルール、報告体制、衛生基準などが明確になっていない場合は、早急に社内規則を見直してみてはいかがでしょうか。

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