厚生労働省によると、2020年度に発生した食中毒(2人以上の患者)は、事件数で見ると61%が飲食店で起きていました。(452件中275件が飲食店)
お客様に安心安全でおいしい料理を提供するプロである飲食店で、なぜこんなにも多くの食中毒が発生してしまうのでしょうか?
それはおそらく、「おいしい料理」を提供することの意識は高いが、衛生管理の方法がわからない、あるいは意識がそこまでいきわたっていない飲食店経営者やスタッフが多いことが原因だと思われます。
そもそも食中毒とは何でしょうか?
食中毒とは「細菌やウイルス、有害な物質ついた食べ物を食べることによって、下痢、腹痛、発熱、吐き気などの症状が出る病気」のことを言います。
食中毒を引き起こす原因となる細菌やウイルスの種類など、食中毒に関する基礎知識はこちらをご覧ください。
食中毒を予防するための基本中の基本は、この「細菌やウイルスなどを食べ物につけない」こと。「トイレに行った後やお金を触った後に手を洗う」「調理器具をしっかりと洗浄・除菌する」「食材は常温で放置しない」など、基本を理解したうえで意識的に実施していくことが重要です。
あなたのお店では、食中毒を発生させないためのマニュアルやトレーニングがありますか?
例えば・・・
などの設問を入れたプチテストを抜き打ちでスタッフ全員に行ってみてください。
もちろん上記はすべて「×」ですが、経験が浅いスタッフの中には「これ全部〇では?」と言い出す方もいるかもしれません。
1人でも、1問でも〇をつける方がいた場合は、食中毒を自店で発生させないためにも、しっかりと「衛生管理研修」などを行うようにしましょう。
先ほどのプチテストの内容について念のため触れておきましょう。
1.は卵の常温保管はNGです。配送時やスーパー販売時に常温で置いてあるのは「結露」を防ぐためであり、卵は常温保管しておいても問題ないということは一切ありません。サルモネラ菌の繁殖を防ぐためにも、冷蔵庫内温度を5~10℃程度にして、尖ったほうを下にして保管しましょう。中華鍋を振っている横に常温の卵を何段も積み上げるような保管は、今すぐにやめるべきです。
2.は非常に危険です。ウエルシュ菌という細菌は100℃で6時間加熱しても死滅しないため、「多少古くなったカレーでも高温で温めなおせば菌が死ぬ」ということはあり得ません。カレーなど粘度の高いものは調理後に温度が下がりづらいですが、このことも食中毒発生の原因となりやすいです。
ウエルシュ菌は43〜47℃で増殖しやすいため、冷えてから冷蔵庫に入れようと放置している間に、細菌があっという間に増殖してしまいます。調理後は熱伝導率の高い容器に移し替え、氷の上でかき混ぜるなどすればすぐに冷やせます。
3.は、もちろん生肉の提供は許可を受けていない場合にはNGですが、ハンバーグなどに注意しましょう。最近は「ほぼレアのハンバーグを提供し、お客様にステーキペレット(焼き石)で好みの状態まで焼いてもらう」という提供スタイルが流行っていますが、危険です。
ハンバーグは挽いた肉を使っているため、ブロック肉よりも調理中に細菌に触れる確率が非常に高いのです。店としては生肉を提供している認識が薄いが、お客様は「レアのほうがおいしい」と思いこみ結果として生肉を食べていることになり、食中毒発生につながることもあります。
注意しましょう。
4.も論外ですね。使用の都度まな板や包丁を洗うだけでなく、肉・魚・野菜など、食材ごとにまな板と包丁を使い分け、毎回洗浄・除菌をするようにしましょう。
5.は、熱があるということはウイルス感染などが疑われます。特に体調不良らしきお客様のおう吐物を処理した翌日などに熱が出たスタッフなどは、ノロウイルス感染の疑いがあります。無理をせず休ませ、症状がひどい場合にはウイルス検査を受けさせてください。
6.は煮つけにすることで人間の目はごまかせても、細菌は死なないため、危険な行為です。特に魚に付着していることが多い腸炎ビブリオ菌は、菌自体は熱することで死滅しますが、細菌が分泌するTDHという毒素はいったん失った毒性を回復することがあるのです。鮮度が落ちた食材は思い切って廃棄し、食中毒発生の原因を作らないようにしましょう。
上記以外に、飲食店が食中毒発生を予防するためのチェックリストもあります。
1.食材や調理済み料理を常温放置していないか
2.保存温度は適切か
3.十分に加熱をしているか
4.生肉料理は提供していないか
5.食材ごとに調理器具はしっかりと使い分けているか
6.手指や調理器具はしっかりと洗浄・除菌できているか
7.毎日決められた箇所を決められた手順で清掃しているか
詳細はこちらのページに載っていますので、ぜひ確認してみてくださいね。
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