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洗浄剤・消毒剤の使用時は基材損傷に注意

環境衛生に用いる洗浄剤・消毒剤を選定する際は「使用感」や「洗浄・除菌効果」なども大切な指標になりますが、対象物品への影響を確認することも重要です。

基材損傷とは

基材損傷とは、環境表面を清掃する際に、特定の成分によって対象物品を損傷させてしまうことです。環境クロスには化学成分が含まれていますが、それらの成分が物品の素材に作用することで損傷が起こります。

洗浄剤・消毒剤の使用時に注意すること

対象物品の素材(特にプラスチック)によっては、洗浄剤・消毒薬の使用に注意が必要です。成分や含有量によって、基材に対する損傷の程度に差が出ます。
 
下記表は、例として市販品Aおよび市販品Bの、種々の素材に対する損傷度を示したものです。損傷度が小さい場合は「◯」、損傷度が大きい場合は「×」と記しています。

アルコールを含まない環境クロス市販品Aとアルコールを含浸した環境クロス市販品Bの、様々な素材に対する損傷度を示した表。市販品A・Bともにポリエチレン、ポリプロピレンでは損傷度が小さく、市販品Bではポリスチレン、アクリル、ABSの損傷度が大きい。

アルコールを含まない環境クロス市販品Aとアルコールを含浸した環境クロス市販品Bの、様々な素材に対する損傷度を示した表。市販品A・Bともにポリエチレン、ポリプロピレンでは損傷度が小さく、市販品Bではポリスチレン、アクリル、ABSの損傷度が大きい。

アルコールを含まない環境クロス市販品Aとアルコールを含浸した環境クロス市販品Bの、様々な素材に対する損傷度を示した表。市販品A・Bともにポリエチレン、ポリプロピレンでは損傷度が小さく、市販品Bではポリスチレン、アクリル、ABSの損傷度が大きい。

試験法概略
厚さ1mm、幅10mm、長さ70mmの各樹脂製のテスト板に環境クロスを応力下24時間接触させ、テスト板の外観および直角に屈曲させたときの脆さを評価した。

(2018年 花王調べ)

なお、製品によって含まれる化学物質の種類や含有量などが異なります。
そのため、物品に対する対象物への影響については各環境クロスの販売メーカーに確認を取ることが大切です。
 
洗浄剤・消毒剤を使用する際は、それらに含まれる成分と対象物品の素材の相性を考慮し、適切な環境クロスを選択することが重要です。

プラスチックに対する基材損傷テスト

ここでは、環境クロスの基材損傷テストとして、プラスチックの一種である「ABS」のテスト板に対し「市販品A(アルコールを含まない環境クロス)」と「市販品B(アルコールを含浸した環境クロス)」をそれぞれ作用させた結果を示します。

上記結果から、「市販品A(アルコールを含まない環境クロス)」はABSに対する損傷度が小さく、「市販品B(アルコールを含浸した環境クロス)」は損傷度が大きいということが言えます。

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