新型コロナウイルス感染症 関連情報

2021年3月19日時点

新型コロナウイルスワクチンについて

日本の新型コロナワクチン接種は、日本政府がファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社3社から合計で1人に2回分の3億1,400万回の供給を受けることについて合意をしています。
日本では、ファイザー社のワクチンが、2021年2月14日に薬事承認され、同月17日から医療従事者向けの先行接種が開始されています。また、その他のワクチンについても承認申請が行われ、現在、医薬品医療機器総合機構(PMDA)において承認審査が行われています。

■医療従事者の先行接種

医療従事者等に早期に接種する理由として、「新型コロナウイルス感染症患者や多くの疑い患者と頻繁に接する業務を行うことから、新型コロナウイルスへの曝露の機会が極めて多いこと。従事する者の発症及び重症化リスクの軽減は、医療提供体制確保のために必要である」とされているからです。

■医療機関でワクチン接種を進めるための体制の整備について

厚生労働省は、新型コロナワクチンの接種を行っていただく医療機関や、接種に従事される方々へ行っていただきたいことの概要を掲載しています。詳細は「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き(2.0版)」(令和3年2月24日)の、「新型コロナワクチンの接種を行う医療機関へのお知らせ」をご参照ください。

■新型コロナウイルスワクチンの効果

国内で承認されているファイザー社のワクチンでは、ワクチンを受けた人が受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少ないということが分かっています。(発症予防効果は約95%と報告されています。)

■ワクチンの安全性

ワクチンの短期的な安全性は、臨床試験において接種群と対照群における有害事象の頻度を比較することで評価されています。
薬事承認されている、ワクチンの臨床試験の主な結果は厚生労働省のホームページをご覧ください。
 
国内のワクチン接種では、厚生労働省で副反応を疑う事例を収集し、専門家による評価を行っています。こうした結果を公表するなどして、安全性に関する情報提供を行っています。
これまでの報告状況等は厚生労働省のホームページで確認することができます。

ファイザー社のワクチンでは、接種後に注射した部分の痛み、疲労、頭痛、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱等がみられることがあります。こうした症状の大部分は、接種後数日以内に回復しています。

■アナフィラキシー

新型コロナウイルスワクチンのアナフィラキシーについては、厚生労働省の「新型コロナワクチンについてのQ&A」に下記が公開されています。

「じんま疹などの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状が急におこります。血圧低下や意識レベルの低下(呼びかけに反応しない)を伴う場合を、アナフィラキシーショックと呼びます。 
アナフィラキシーは特定のワクチンだけに起きるものではなく、様々な医薬品やワクチンの投与後に報告されています。例えば、インフルエンザワクチン接種後の副反応疑い報告では、因果関係があるかどうか分からないものも含め、1シーズンで、約20件のアナフィラキシーが報告されています。 
予防接種後に、息苦しさなどの呼吸器症状がみられれば、接種会場や医療機関で、まず、アドレナリン(エピネフリン)という薬の注射を行います。そのあと、症状を軽くするために、気管支拡張薬等の吸入や抗ヒスタミン薬、ステロイド薬の点滴や内服なども行います。
接種後にもしアナフィラキシーが起こっても、すぐに対応が可能なよう、予防接種の接種会場や医療機関では、医薬品などの準備をしています。」

■接種後の経過観察 

ワクチン接種後は、アナフィラキシーを呈することがあります。厚生労働省は、接種後の観察について「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する医療機関向け手引き(2.0版)」(令和3年2月24日)に下記を掲載しています。

「接種後少なくとも15分間は被接種者の状態を観察する必要があること。また、過去にアナフィラキシーを含む重いアルギー症状を引き起こしたことがある者については、接種後30分程度、状態の観察をする必要があること。」

■変異株のワクチン効果

わが国でも変異株は広がりが確認されています。イギリスの変異株は、ファイザー社のワクチンで有効性には大きな影響はないとされています。しかし、南アフリカの変異株とブラジルの変異株は、ワクチンの有効性に影響が出るとの報告もされています。
厚生労働省は、承認申請がなされたワクチンの審査に当たっては、変異株に関する情報も含め、引き続き情報を収集し、適切に有効性、安全性等を確認するといっています。

■その他のワクチン情報

首相官邸は、ワクチンに関する正確な情報を、「新型コロナウイルスワクチンについて 皆さまに知ってほしいこと」で公開しています。

ウイルスの特徴

ヒトに感染するコロナウイルスは、風邪のウイルスといわれる4種類の他に、2002年に中国・広東省から発した重症急性呼吸器症候群(SARS )と、2012年にアラビア半島で中東呼吸器症候群(MERS)が報告されています。そして2019年12月から中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、ヒト‐ヒト感染によって世界的な流行になっている状況です。WHOはこのウイルスによる疾患をCOVID-19(Coronavirus disease 2019 の略称)と命名し、感染症法では新型コロナウイルス感染症と呼んでいます。

■感染経路

飛沫感染と接触感染が主体と考えられています。有症者が感染伝播の主体ですが、無症状病原体保有者からの感染リスクもあることが報告されています。エアロゾルを生み出す処置 *が行われた場合や、屋内の混雑した換気の悪い場所では、従来考えられていた⾶沫感染の概念を超えて感染が起こっている可能性があることが近日解ってきました。そこでWHOや多くの研究者は、こういった事例が、COVID-19の感染に実際にどの程度影響しているのかを早急に評価する必要があると述べています。
*気管挿管、非侵襲的換気、気管切開、心肺蘇生、挿管前の徒手換気、気管支鏡

潜伏期・感染可能期間
潜伏期は1~14日間。曝露から5日程度で発症することが多いとされています。発症前から感染性があり、感染可能期間は発症2日前から発症後7~10日間程度とされ、発症から間もない時期の感染性が高いことが市中感染の原因と言われています。

■主な症状

症例は発熱、呼吸器症状(咳嗽、咽頭痛、鼻汁、鼻閉など)、頭痛、倦怠感などです。初期症状はインフルエンザや風邪に似ています。こういったことから、新型コロナウイルス感染症と区別することは難しいとされています。その他に、嗅覚障害・味覚障害を訴える患者も報告されています。

■変異株について

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、英国、南アフリカ等で増加がみられる新規変異株の国内での感染と考えられる事例が継続して報告されています。変異株は、従来株と比較して感染性が高い可能性があるとされています。今後、変異株の影響が想定され、急速に感染が拡大するリスクが高いことが懸念されます。しかし、変異株であっても、基本的な感染予防策を実施し、3密の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨されます。

感染対策

新型コロナウイルス感染症には、標準予防策を遵守することが重要です。手指衛生を遵守し、呼吸器症状のあるなしにかかわらず、常時サージカルマスクを着用することを検討します。  サージカルマスクや手袋などを外す際には、それらにより環境を汚染しないよう留意しながら外し 、所定の場所に破棄します。外した後は手指衛生を遵守し、手指衛生の前に目や顔を触らないように注意しましょう。

標準予防策について

■手指衛生

  • アルコール(エタノール濃度 60〜90%、イソプロパノール 70%を推奨)を⽤いた⼿指消毒
  • 手指洗浄剤と流⽔を⽤いた⼿洗い

■ユニバーサルマスキング

  • すべての職員が院内では常時サージカルマスクを着⽤する

■個人防護具

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  • エアロゾルが発⽣しやすい状況:気管挿管・抜管, 気道吸引, NPPV 装着, 気管切開術, ⼼肺蘇⽣, ⽤⼿換気, 気管⽀鏡検査、ネブライザー療法、誘発採痰など
  • 全⾝を覆う防護服の着⽤は必須ではありません。
  • 基本的に新型コロナウイルス感染症の予防を⽬的としたシューズカバーの使⽤は推奨されません。

個人防護具については、以前より供給されていますが不足していることが現状です。その場合の対応については下記のサイトをご確認ください。

手指衛生啓発ポスターの無料ダウンロード

感染対策の意識向上にはポスター等の掲示物の活用が有効です。
ダウンロード、印刷してご活用ください。

勉強会動画

個人防護具の適切な使用方法などを動画で確認いただけます。

消毒・環境清掃について

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の残存期間としては、エアロゾルでは3時間 まで 、プラスチックやステンレスの表面では72時間 まで、 というものがある他に、銅の表面では4時間以降、段ボールの表面では24時間以降は生存が確認されなかったと報告されています。こういったことから物品を介した接触感染を防ぐために、環境や共用する物品等はこまめに清掃・消毒することが重要です。

■環境整備

  • 医療機関においては、患者周囲の高頻度接触部位などはアルコール(エタノール又は 2-プロパノール)あるいは 0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい。詳細については、「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド」等を参考にする。
  • 高齢者施設、不特定多数が利用する施設内、自宅等において、患者が発生した際、大がかりな消毒は不要であるが、長時間の滞在が認められた場所においては、換気をし、患者周囲の高頻度接触部位などはアルコール(エタノール又は 2-プロパノール)あるいは 0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい。
  • 感染症患者の病室清掃はフロアーワイパーやダスタークロス等を使用する。
  • 新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者や新型コロナウイルス感染症の患者が使用した使用後のトイレは、次亜塩素酸ナトリウム(1,000ppm)、またはアルコール(エタノール又は2-プロパノール)(70%)による清拭(特にドアノブ、トイレットペーパーホルダー、水栓レバー、便座)を毎日実施することを推奨する。
  • 共有トイレのウォシュレットは、ノズルを清潔に管理できない場合は使用しないことが望ましい。
  • 急性の下痢症状などでトイレが汚れた場合には、その都度清拭する。
  • エアジェット式手指乾燥機は使用しないことが望ましい。
  • 症状のない濃厚接触者の接触物等に対する消毒は不要である。
  • 60%のアルコール濃度の製品でも消毒効果があるとする報告もあることから、アルコール(エタノール又は 2-プロパノール)(70%)が手に入らない場合には、エタノール(60%台)による清拭も許容される。

■廃棄物の取り扱いについて

医療機関から排出される新型コロナウイルス感染症に係る感染性廃棄物については、環境省から出されている「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に基づき処理をしてください。
平時と同様に排出の際には、廃棄物の種類や性状に応じた容器を選ぶこと、容器に入れて密閉すること、感染性廃棄物である旨等を表示することなどが必要です。

■リネンや食器などの取り扱い

患者に使⽤した⾷器、リネンは、通常の熱⽔洗浄(80℃、10分間)で問題ありませんので、特別な対応は不要です。施設内においては、病室外に出してから洗浄するまでの間に⼈の⼿を複数介する可能性がある場合にのみ配慮が必要です。⽔溶性ランドリーバックやプラスチック袋に⼊れて搬送すれば、特別な洗浄やディスポ化は不要です。
院内のコインランドリーは、場所を共有するリスクを考えると使⽤しないことが望ましいでしょう。

ただし、新型コロナウイルスに感染する危険のある寝具類の選択を外部委託する場合の取り扱いについては下記の事務連絡に基づき対応をしてください。

医療施設体制整備のチェック

感染が拡⼤している現状では、指定医療機関だけでなく一般の医療機関でも感染者を診療する状況になってきています。このような状況で懸念されることは、新型コロナウイルス感染症の施設内発生ではないでしょうか。そこで、厚生労働省は、事務連絡「医療機関における院内感染対策のための自主点検等について」を通知しました。 その中で「院内感染拡大防止のためには、平時から新型コロナウイルス感染症発生に備えた体制整備を行っておくことが重要であり、体制整備が行えているか医療機関ごとに自主点検を行うことが有用である。」としています。
自主点検を行う場合は、「医療機関における新型コロナウイルス感染症発生に備えた体制整備及び発生時の初期対応について」と国立感染症研究所感染症疫学センターの「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)医療施設内発生対応チェックリスト 」が活用できるとし、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)医療施設内発生対応チェックリスト」は、保健所等が医療施設の対応状況を確認することを前提に作成されていますが、自施設の対応を自己評価する際にも積極に活用できると述べられています。 
またシミュレーションについても、「院内感染拡大防止のためには、感染者発生時の対応力強化が重要であり、医療機関内の職員又は患者に新型コロナウイルス感染者や濃厚接触者が出たことを想定したシミュレーションを事前に行っておくことが有用である。」とされ、実際にシミュレーションを実施するには、厚生労働省の事務連絡「医療機関における新型コロナウイルス感染症発生に備えた体制整備及び発生時の初期対応について」の「発生時」と、国立国際医療研究センター国際感染症センターの「急性期病院における新型コロナウイルス感染症アウトブレイクでのゾーニングの考え方」が活用できるとしています。 

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の改正について

新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律が令和3年2月3日に公布されたことに伴い、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部が改正され、令和3年2月13日に施行されました。

改正の趣旨

新型コロナウイルス感染症への対応は現在進行形であるが、国民の命を守るため必要な見直しは速やかに対応していく必要があるところ、現行制度の下で取組を進める中で得られた知見や経験を法制度に反映させ、感染の早期収束につなげていくことが重要である。このような考え方に則り、今般、現下の新型コロナウイルス感染症対策の実効性を高め、より確実に取組を推進するために必要な法改正を行うもの。

改正の概要

1.新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正
①特定の地域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるまん延を防止するため、「まん延防止等重点措置」を創設し、営業時間の変更等の要請、要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合の過料(20万円以下)を規定する。
②緊急事態宣言中に開設できることとされている「臨時の医療施設」について、政府対策本部が設置された段階から開設できることとする。
③緊急事態宣言中の施設の使用制限等の要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合(30万円以下)の過料を規定する。
④事業者及び地方公共団体に対する支援
 ○国及び地方公共団体は、事業者に対する支援に必要な財政上の措置、医療機関及び医療関係者に対する支援等を講ずるものとする。
 ○国は、地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。
⑤差別の防止に係る国及び地方公共団体の責務規定を設ける。
⑥新型インフルエンザ等対策推進会議を内閣に置くこととする。

2.感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一改正
①新型コロナウイルス感染症を「新型インフルエンザ等感染症」として位置付け、同感染症に係る措置を講ずることができることとする。
②国や地方自治体間の情報連携
 ○保健所設置市・区から都道府県知事への発生届の報告・積極的疫学調査結果の関係自治体への通報を義務化し、電磁的方法の活用を規定する。
③宿泊療養・自宅療養の法的位置付け
 ○新型インフルエンザ等感染症・新感染症のうち厚生労働大臣が定めるものについて、宿泊療養・自宅療養の協力要請規定を新設する。また、検疫法上も、宿泊療養・自宅待機その他の感染防止に必要な協力要請を規定することとする。
④入院勧告・措置の見直し
 ○新型インフルエンザ等感染症・新感染症のうち厚生労働大臣が定めるものについて、入院勧告・措置の対象を限定することを明示する。
 ○正当な理由がなく入院措置に応じない場合又は入院先から逃げた場合の過料(50万円以下)を規定する。 ⑤積極的疫学調査の実効性確保のため、新型インフルエンザ等感染症の患者等が積極的疫学調査に対して正当な理由がなく協力しない場合、応ずべきことを命令できることとし、命令を受けた者が質問に対して正当な理由がなく答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は正当な理由がなく調査を拒み、妨げ若しくは忌避した場合の過料(30万円以下)を規定する。
⑥緊急時、医療関係者(医療機関を含む)・検査機関に協力を求められ、正当な理由なく応じなかったときは勧告、公表できることを規定する。等

新型コロナウイルス感染症に関する相談窓⼝

新型コロナウイルス感染症に関する相談窓⼝は下記をご参照ください。

・新型コロナウイルスに係る厚生労働省電話相談窓口(コールセンター)
厚生労働省の電話相談窓口
電話番号:0120-565653(フリーダイヤル)
受付時間:9時~21時(土日・祝日も実施)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09347.html

今回は3月19日時点の情報を掲載していますが、感染が拡大している現在、新型コロナウイルス感染症に関する情報、対策などは日々更新されています。下記のサイトに各種マニュアルが掲載されていますのでご参照ください。

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