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情報誌 花王ハイジーンソルーション No.31
(2024年5月)


花王ハイジーンソルーションNo.31 新しい感染経路に基づいた 医療関連感染症を制御する医療建築の考え方/介護施設で食中毒を起こさないために 〜これだけは知っておいて欲しい基本のき〜/学校現場における感染対策と掃除の融合〜感染対策リテラシーの向上を目指して〜 無料ダウンロードはこちら

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学校現場における感染対策と掃除の融合〜感染対策リテラシーの向上を目指して〜

花王株式会社 研究戦略・企画部 上席主任研究員
小島 みゆき

元花王株式会社 安全性科学研究所長
徳田 一

1.学校お掃除マニュアル開発のきっかけ

 2020年から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は100年に一度の感染症の世界的大流行であり、感染対策の様々な課題が明らかになりました。その一つが市中、すなわち、病院以外の社会の生活現場における感染対策の難しさです。コロナ以前では感染対策は病院内などの医療現場のみが重要視されていると言っても過言ではありませんでした。しかし、今回のパンデミックでは、家庭、学校、職場、イベント等の日常生活の現場でも健康な方が感染し、場合によっては重症化するケースもあったため、市中における感染対策が大きな社会課題の一つであることが浮き彫りになりました。
 花王株式会社(以下“花王”)は殺菌剤であるサリチル酸を配合した花王石鹸の発売(1890年)による創業以来、日常的に使われる生活用品を通して、衛生製品の開発や情報発信等、衛生をテーマにした取り組みを行ってきています。その中では小学校・幼稚園・保育園への手洗い教室(新・衛生習慣化プログラム「みんなで手洗い」)や手洗い歌(あわあわ手あらいのうた)等の教育支援を通した啓発活動等も積極的に取り組んでいます。
 新型コロナウイルス感染症のパンデミックを一つの契機とし、将来のパンデミックも見据えた新しい衛生技術、製品・サービスの開発を加速するため、2020年5月に花王の研究開発部門(R&D)内に衛生科学研究センターが設立され、その中で日用品メーカーとして「感染症に強い社会をつくるために何をすべきか?」について議論をしていました。その答えとして、病院や医療関係者だけが感染対策をするのではなく、日常生活の中で日頃から対策を行う市中感染制御を強化することが重要であり、そのためには『生活者の衛生リテラシーを向上させることが不可欠』だと考えました。コロナ禍では、専門家ではない一般の方々が学校や職場で衛生を指導する管理者にならざるを得ない状況で、様々なガイドラインが作られていましたが、具体的に実践できるマニュアルは見当たらず、弊社の相談窓口には消毒方法等について多くの戸惑いのお声をいただいていました。
 そんな中、以前、手洗い研究(学校生活における子供の手洗い実態—小学校〜高校における手洗い実態調査から—.KAOINFORMATION.2007.https://www.kao.co.jp/content/dam/sites/kao/www-kao-co-jp/lifei/life/pdf/20071001.pdf)を一緒に行った高校の養護教諭の先生との近況報告で次のようなメールをいただきました。「文部科学省のガイドライン1)の変更でコロナ対策のための消毒よりも日頃の清掃活動に視点が変更され、この機会に何となくの清掃からきちんとした清掃へと清掃活動についても考えていかなければいけないなと思いました。学校での清掃が感染症対策を踏まえたものになっているのか?そして、きちんと指導できるのか?も不安です。今後も続けてほしい衛生習慣等は、継続して指導をしていきたいので、根拠や方法がわかりやすく示してある掲示物が欲しいなあと思います。」このお話を聞いて、学校という場において生徒の健康を衛り、学習環境を衛生的に整備するために感染やアレルギー対策等の視点を導入し、本質を捉えた「新しい掃除マニュアルの開発」が必要であると確信しました。啓発の場として「学校」は子供たちに直接情報を伝えることができ、子供が家庭との懸け橋になってくれる、そして、感染症に強い社会を構築する力になってくれる、また、長い目でみると、掃除を通して感染対策を自分事として捉えた子供たちが成長し、感染対策のリテラシーを持った大人が増えていく…学校の掃除活動を通して感染対策のリテラシーの向上を図ることが「学校から家庭へ、そして社会へ」感染症に強い社会を構築するために最適な道筋だと考えたからです。

2. コロナ出現による学校の掃除の実情

 2020年1月28日付で新型コロナウイルス感染症は「学校保健安全法に定める第一種感染症」とみなされました2)。2月27日には政府からの臨時休校の要請があり、学校は今まで経験したことがないような事態へと一変しました。5月には、文部科学省から「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル〜『学校の新しい生活様式』〜」(以下“文科省マニュアル”)のver.13)が発出されました。その後、学校は再開され徐々に学校生活を取り戻していきましたが、それはコロナ前とは異なった新しい生活様式を取り入れたものでした。文科省マニュアルにそった分散登校・時差登校等による密集の回避、手洗いの徹底、換気、そしてマスクの着用等の感染予防対策の中での学校生活となりました。学校現場で特に困惑した対策の一つが「消毒」とのことでした。文科省マニュアルver.1には「教室やトイレ等児童生徒等が利用する場所のうち、特に多くの生徒が触れる箇所(ドアノブ、手すり、スイッチ等)は、1日1回以上消毒液(消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム等)を使用して清拭します。」と記載されています3)。しかし、実際に学校で「消毒」を行う中で方法がわからない場面がいくつもあったようです。例えば、湿式のトイレの掃除では、水を撒いて掃除を行った後、濡れた状態のレバーや手洗い場の蛇口にアルコール消毒液をスプレーしていましたが、これで正しい消毒ができているのか?アルコール消毒液が不足し入手が難しい時期に、多くの人が触れる階段の手すりには、代替品として次亜塩素酸ナトリウムが使用されていました。希釈した消毒液を浸した雑巾で拭いた後、雑巾で水拭きし、その雑巾は毎回、水洗いをして干していましたが、消毒液のふき取りはこれで正しかったのか?アルコール消毒してゴムが溶けてべたついてしまったボールについては代替案が見つからず消毒を中止し、使用後の手洗い指導を徹底しましたが、これでよかったのか?などなど…。先生方は、生徒さんの安全を守るために一所懸命でしたが、知識が乏しいため柔軟な対応ができず、悩みながら消毒作業を進められたようです。

3. 学校における掃除の新たな役割

 掃除については、小学校の学習指導要領の中の特別活動(学級活動)4)の中で「清掃などの当番活動や係活動等の自己の役割を自覚して協働することの意義を理解し,社会の一員として役割を果たすために必要となることについて主体的に考えて行動すること」また5・6年生の家庭科の中で「住まいの整理・整頓や清掃の仕方を理解し、適切にできること」と記載されています。学校環境衛生管理マニュアル5)の中には「清掃については、児童生徒等により日常的に行われるものであるが、定期的に大掃除が行われていること」とあります。このように、コロナ以前の学校掃除は教育的な意義を持つ活動として、キャリア教育の一環、掃除の仕方を学ぶ、という位置づけにありました。
 しかし、コロナの出現は学校掃除の位置づけを変えました。文科省マニュアルver.1では上述のように「消毒」が重要視されていましたが、8月に発出されたver.31)の中では「一時的な消毒の効果を期待するよりも、清掃により清潔な空間を保ち、手洗いを徹底することの方が重要です。それに加えて、清掃活動とは別に日常的な消毒作業を行うことは不要です。」と改定され、『清掃により清潔な空間を保つ』ことが明記されました。すなわち、コロナ出現により掃除に「感染対策を踏まえる」という新たな役割が加えられたことを意味しています。

4. 「健康を衛る学校掃除マニュアル −感染症に強い社会をつくるために−」の紹介

 感染対策は、マスク、手洗い、密を避ける、環境消毒、換気等複数の対策を組み合わせて罹患リスクを下げていくことが大切です。このうち、環境消毒の基本は掃除による汚染の除去であり「掃除は感染対策の基本」であると言えます。そこで、日常の社会生活現場の衛生や感染対策リテラシーの向上を図り、感染症に強い社会の構築に貢献することを目的に、感染対策と掃除を融合させ、学校現場で活用できる「感染対策を織り込んだ掃除マニュアル」の開発に着手することにしました。感染対策の専門家ではない一般の方々が学校や職場で衛生を指導する管理者になるケースが多いと考えられることから、そのような方々を対象に想定しました。さらに、このマニュアルの作成と普及はビジネスではなく社会貢献活動として行う必要があると考え、公共性の高いジャパンワンヘルスネットワーク財団(以下、JOHN財団)のプロジェクトの中で活動を開始しました。作成メンバーとしてJOHN財団の感染症の専門家、微生物制御の専門家(カビ相談センター)、養護教育の専門家(静岡大学教育学部)の教授、きっかけをくださった高校(千葉県立長生高等学校)の養護の先生と生徒さん、さらに、わかりやすいマニュアルにするためにデザインの専門家(京都芸術大学)の先生にもご協力をいただきました。

  • 本マニュアルでは「掃除」という言葉を使っています。「掃除」は“目に見えるゴミや汚れがある場所を掃いたり拭いたりしてきれいにすること”。「清掃」は“ほこりやゴミ等を取り除き、衛生的な環境を整備して、人の健康や機器が正常に作動するのを守ること”とされています6)。その意味では「清掃」を使う方が適切なのかもしれませんが、学校生活の中にも「大掃除」という言葉が定着しているため、本マニュアルではあえて「清掃」が持つ概念を「新しい掃除」という言葉で表現しました。

マニュアルの構成は、以下の通りです。
序章;なぜこのマニュアルが必要なのか
2章;これまでの掃除と新しい掃除の違いについて
3章;微生物汚れ、洗剤や用具に関する知識
4章;具体的な掃除方法の提案
5章;長生高校作成お掃除マニュアル事例集
付帯資料;微生物モニタリングの方法と結果

 具体的な特徴・新しさは次の5点です。

① 健康視点の導入

 これまでの掃除は、見える汚れを主な対象としていましたが、感染対策やアレルギー対策において重要となるハウスダストやカビ、細菌、ウイルス等の見えない汚れまで着目した掃除方法を組み込みました(図1)。

図1  見える汚れと見えない汚れ

見える汚れとして、油汚れ・手垢・泥汚れ、カビ汚れ、チョーク汚れ、繊維くず、土・砂、髪の毛、フケ・垢、ダニ、見えない汚れは花粉、ダニの糞・死骸、カビ、細菌、ウイルスを示している。 そのうち繊維くず、土・砂、髪の毛、フケ・垢、ダニ、花粉、ダニの糞・死骸、カビはハウスダストとして、カビ、細菌、ウイルスは微生物としても分類している。

② 科学的根拠の提示

 指導する先生方や実際に掃除をする生徒さんの理解を促し、生徒が主体的に掃除に取り組めるように誘導するためには、感染対策やアレルギー対策等について、何故そのようにするのか等の科学的根拠を示すことが重要です。実際に高校で行った校内微生物モニタリングを行った結果も踏まえて、どこにどんなリスクがあるのかをイラストで見える化しました(図2)。また、根拠となる様々な実験データも示しました。

図2  学校の汚れとリスクマップ

学校の汚れとリスクマップのイラスト。教室・廊下にあるリスクとして、手の接触、飛沫などで付着した細菌やウイルスはスイッチ、ドアの取っ手、机の上、椅子の背、ゴミ箱などのよく手の触れる場所にリスクがあり、ハウスダストによるアレルゲンは教室の床、廊下の床、ドアレール、サッシレール、カーテンなどの乾いた床やレールにリスクがあり、道具によって伝播する細菌、ウイルス、カビ、アレルゲンは、T字ほうき、モップ、雑巾、掃除用具入れ床などの掃除道具にリスクがある。トイレ・手洗場にあるリスクとして、汚れを伝播してしまう細菌、ウイルスはフラッシュレバー、便座、個室のドアノブ、入口のドアノブなどよく手の触れる場所にリスクがあり、糞便由来や増殖、伝播による細菌やウイルスはトイレの床、手洗い場の床など濡れた床にリスクがあり、道具によって伝播する細菌、ウイルス、カビ、アレルゲンは、T字ほうき、モップ、スポンジ、雑巾、掃除用具入れ床などの掃除道具にリスクがあり、集合体(バイオフィルム)形成による細菌・カビは便器の中、手洗場、水栓、シンク、排水溝、足ふきマットなど水・汚れがたまる場所にリスクがある。

③ 掃除用具の見直し

 これまでは、雑巾、T字ほうき等、用具の使用後に十分な手入れをせずに汚れたまま次回も使用することがありました(図3)。汚れた道具で掃除することでかえって汚れを広げてしまいます。そのため、新しい知見、考え方に基づいて新しい方法を具体的に提案しました。用具の見直しとして、雑巾は使い捨てのダスターへ、T字ほうきはワイパー&シートへ、水拭きは洗剤拭きへの変更を提案しています。その根拠の一例として、T字ほうきとワイパーでのホコリの巻き上げの差異について動画で示しました(T字ほうきhttps://youtu.be/ZBT35wWxs4o  ワイパーhttps://youtu.be/-7KItOALZI4)。新しい用具の導入が難しい学校もあると思いますので、雑巾を使用する際の注意点等にも言及し、学校の実情に合わせて方法を選べるように工夫しました。

図3  学校で使用されている掃除用具

学校で使用されている掃除用具の写真。左は手に持たれたモップ、右は干している雑巾

④ 生徒目線での実例の紹介

 本プロジェクトで協働した長生高校の生徒さんが、自分たちの掃除方法をポスターとして作成してくれました(図4)。短い掃除時間で最大の効果が発揮できるように学校の設備をイラスト化し、人数、時間、誰がどこを何を使ってどのように掃除するか、まで非常にわかりやすく示されており、それぞれの掃除場所に貼っています。

図4  長生高校作成お掃除ポスター

長生高校作成したお掃除ポスターの教室イラスト。教室掃除の想定人数・時間は①ICT・黒板掃除は7分(二人)、②床掃除は5分(二人) ゴミ捨ては2分、③机、その他消毒は5分(二人)、合計六人で10分。①ICT・黒板掃除の内容:ICT機材清掃は、1プロジェクターなどの機材をダスターで拭き、ホコリを取る(棚も)、2電源コード・コンセントを拭く、黒板掃除は、1黒板消しで黒板をきれいに消す、2黒板消しを黒板消しクリーナーできれいにする、3溝にある粉をダスターで拭き取る、4クリーナーを拭く。②床掃除・ゴミ捨ての内容:床掃除の床(大ワイパー)は、1ワイパーにシートを装着する、2机と机の間を拭く、3教室前後方の広いところを拭く、床掃除の床(小ワイパー)は、1ワイパーにシートを装着する、2ワイパー(大)では届かない細かなところを拭く、3教室の角をきれいに拭く、ゴミ捨ては、1清掃終了後のダスターを捨てる、2袋の口を閉じ、ゴミ袋を捨てにいく、※じゃんけん等あらかじめ係の決め方を決めておきましょう。③机、その他消毒の内容:机の清掃は、1ダスターに拭き掃除用洗剤を吹きかける、2ダスターですべての生徒用机の上面を拭く、3教卓の上面を拭く、4ダスターをゴミ箱に捨てる、拭く(よく触る場所)は、1ダスターに拭き掃除用洗剤を吹きつける、2スイッチ、エアコンリモコン周囲を拭く、3ドアの手が触れる部分を拭く、4出窓部分など、その他、ほこりがありそうな部分を拭く、5使用後のダスターをゴミ箱に捨てる。ダスターで拭く箇所(教卓、机、スイッチ類、ドアの取手、窓の鍵)は星印が付いており、注意書きとして、ダスターで拭く順番に気をつける(汚れが少ない所→汚れている所)、ダスターは常に拭き掃除用洗剤で湿った状態を保つ、ダスターが汚れた場合は新しいものに交換するという記載がある。その他の注意点として、壁際・窓際の段差になっていてホコリがたまりやすいところは必ず拭く、窓のカギや手の触れやすいところをしっかり拭く、コンセント周辺はホコリ厳禁の記載がある。机の拭き方は①机の隅から「コの字」で折り返し拭く、②端を直線的に拭く、③もう一方の端を同じように直線的に拭くと記載されている。清掃時の窓の開閉について、1全員で全ての窓を明ける(外に面した窓、扉、廊下の窓)、2掃除終了後にすべての窓を閉めるとの記載もあり、最後は必ず手を洗おうという記載もある

⑤ どこにでも応用可能

 なぜ掃除で感染症が防げるのか?(1章〜3章)具体的な掃除はどのようにするのか?(4章)に言及しています。それらをご理解いただいた上で、自分の学校、職場、家庭では具体的にどのような方法がいいのかを考えていただきたいと思っています。④のように自分たちのポスターを作っていただければ、誰もが同じように掃除ができるのではないかと考えています。

5.学校とのコラボレーションによる教育的効果

 当初、専門家と養護教諭の先生と花王でマニュアルを作成する予定でしたが、長生高校の校長先生から生徒さんのご協力のお申し出をいただきました。活動母体として「長生高校お掃除プロジェクト」を作ってくださり、学校の課題を抽出、それを受けて本マニュアルを作成、学校の生活時間に生徒さんたちがマニュアルに従った掃除を実践してフィードバックをくれる、というPDCAサイクルを回しながら協働しました。長生高校の先生からは、この活動を通して、生徒さんに「課題解決のために試行錯誤しながら、粘り強く挑戦する力が付いた」「課題解決のために他者の意見を検証の結果を踏まえて考え、立案する力が付いた」等大きな変容が見られたとおっしゃっていただいています。私たちも本活動を通して生徒さんたちが身近な課題に気づき、微生物モニタリングやディスカッションを通して自分事とし、さらには社会を変えたいという意識まで発展していることに大変な驚きと嬉しさ、頼もしさを感じています。現在、第2期の「長生高校お掃除プロジェクト」が始動しており、そこでは本マニュアルの検証として校内での運用と効果測定を行い、本マニュアルの社会への浸透・普及についてディスカッションされています。具体的には、様々なイベントやSNSを活用して本マニュアルの有効性をアピールし、他者(地方公共団体や他の学校等)への働きかけや、実践のサポートをする等の提案がなされています。

6.今後

 本マニュアルは2023年9月にJOHN財団のHP7)にアップし、どなたでも無料でダウンロードしていただけます(プロジェクト001|感染制御視点の清掃マニュアル開発プロジェクト.https://john.or.jp/information/project/project001/)。
 今後、「学校の掃除の役割が変化したこと」と、それに伴って「学校の掃除方法を変えていくこと」の浸透・普及を図っていきたいと考えています。本マニュアルは衛生的な掃除のあるべき姿について提案していますが、使い捨ての道具を導入しているため、コストの問題や環境問題等の課題もあると考えています。アフターコロナの社会を見据えて、この「健康を衛る学校掃除マニュアル」を通して様々なステークホルダーの方とネットワークを作り、ディスカッションをしながら、感染対策と融合した新しい掃除をより良いものにしていきたいと考えています。この一連の活動が感染症に強い社会の構築の一助となれば幸いです。

引用文献

1) 出典:「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~」の改訂について(令和2年8月6日)」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20200806-mxt_kouhou01-000004520_2.pdf (2024年2月2日に利用)
2) 出典:「新型コロナウイルス感染症の「指定感染症」への指定を受けた学校保健安全法上の対応について(令和2年1月28日)」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/000031003.pdf(2024年2月2日に利用)
3) 出典:「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルについて(令和2年5月22日)」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20200609-mxt_syoto01-000007788_3.pdf(2024年2月2日に利用)
4) 出典:「【特別活動編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 (平成29年7月)」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/content/20221213-mxt_kyoiku02-100002607_014.pdf(2024年2月2日に利用)
5) 出典:「学校環境衛生管理マニュアル 「学校環境衛生基準」の理論と実践[平成30年度改訂版]」(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/31/1292465_01.pdf(2024年2月2日に利用)
6) 「掃除」と「清掃」の違いとは?分かりやすく解釈 | 意味解説辞典 https://meaning-dictionary.com/
7) 一般財団法人ジャパンワンヘルスネットワーク財団(JOHN)https://john.or.jp/

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