手指衛生遵守の重要性

感染対策推進の一環として、手指衛生に関する勉強会や研修を院内外で実施する機会があるかと思います。受講者の方々に十分に理解、実践していただくには、「なぜ手指衛生遵守が大事なのか」をしっかり伝えなければなりません。日頃から感染対策に携わるみなさまにとっては常識でも、「その他のスタッフの方々にとってはそうではない」という視点を持つことが大切です。
ここでは、あえて手指衛生の基礎知識をご紹介いたします。勉強会や研修にお役立てください。

なぜ手指衛生が大事なのか

看護職・介護職の方は自らが感染症に罹患するリスク、また病原体の媒介者となる可能性を抱えています。
特に患者様・ご利用者様(の周辺の環境や物品など)に直接接する機会の多いスタッフの方々は、自身を病原体から守り、院内・施設内で伝播させないために、手指衛生が重要なのです。

感染の3要素

米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病管理予防センター)が2002年に公表した「Guidelines for Hand Hygiene in Healthcare Settings (2002)」においても手指衛生遵守の重要性が説かれています。
*医療現場で活用されるガイドラインを数多く公表しており、世界標準として信用を得ている。

感染経路の種類とそれぞれの特徴

感染症が伝播する経路はさまざまですが、医療・介護現場においては「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」の3つが問題となります。

スタッフの方々の手指は病原体の重要な伝播経路となっており、下記のような経路をたどって伝播していきます。

  1. 患者の皮膚、患者付近の物体に病原体が存在している。
  2. 患者へのケアにより医療従事者の手指に病原体が移動する。
  3. 病原体は医療従事者の手指で少なくとも数分間は生き続けられる。
  4. 医療従事者が全く手指衛生をしない(していても不十分である)。
    または、医療従事者が使用した手指衛生製剤が適切ではない。
  5. 病原体で汚染された医療従事者の手指が別の患者に直接接触する。
    または、患者が直接接触する物体に、医療従事者が接触する。

このように、病原体の伝播には医療従事者の手指が大きな役割を果たしているため、手指衛生遵守は感染対策において重要な意味を持つのです。

手指衛生を必要とする5つのタイミング

感染症は、ウイルスや菌などが特定の伝播経路をたどって体内に侵入することで初めて発症します。以下のイラストは感染発症のプロセスを疫学的に表現した「感染成立の輪」や「感染成立の連鎖」などと呼ばれるもので、感染予防には、これを1か所でも断ち切ることが大切です。

感染成立に必要な要素のうち、伝播経路を断ち切ることが効率的な予防策と言われています。そのために重要なのが手指衛生の遵守です。以下に示す5つのタイミングで手指衛生を行うことで、スタッフの方々が病原体の媒介者となることを防ぎ、感染の可能性を低減できます。

※WHO「My 5 Moments for Hand Hygiene」を元に作成

改めて、基本を丁寧に

手指衛生遵守率の低さを課題としている医療機関は少なくありません。「手洗い場が少ない」「携帯用の消毒剤が導入されていない」といった物理的な理由もありますが、「習慣がない」という風土や意識に由来する理由も考えられます。勉強会や研修を通じて遵守率の向上に取り組んでいる感染対策に携わるみなさまは、いま一度、スタッフの方々に「手指衛生遵守がなぜ重要であるか」という基本の部分を丁寧に伝えてみてください。

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