感染を防ぐためには、手指衛生遵守率の向上が欠かせません。手指衛生に対するスタッフの方一人ひとりの実施や意識も大きな意味を持ちますが、手指衛生遵守を組織として推し進めることも大切です。
組織全体で手指衛生遵守率向上に取り組む際のヒントをご紹介します。
感染対策に取り組んでいるみなさまの中には、医療・介護現場のスタッフの方々の取り組みや意識に頼ることに限界を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合、自部署の管理者などに支援を求めることも重要です。
現場の手指衛生遵守率の向上には、組織の方針として手指衛生を重視する姿勢を打ち出すことも効果的です。そのためには上層部に働きかけ、組織のビジョンを示す立場から「当院では手指衛生遵守を徹底する」といった方針を発信してもらいましょう。組織としての姿勢が継続的に発信されることで手指衛生を遵守する文化が醸成され、最終的には現場のスタッフの規範として根付くことが期待できます。
スタッフの方々の手指衛生の実施状況をモニタリングしてフィードバックすることも大切ですが、WHOが推奨している直接観察法を導入するのは簡単なことではありません。もちろん消毒薬の使用量などをモニタリングする間接的な観察法を用いる(あるいは併用する)選択肢もありますが、仕組みづくりやモニタリングを担当するスタッフの方の育成には時間がかかります。こうした時間と人件費を要する取り組みについても、当然ながら管理層や経営層の理解を取り付ける必要があります。
モニタリングとフィードバックはスタッフの方個々人をモチベートする意味でも大切です。これに、他部署と比較した自部署の手指衛生遵守率を可視化するといった取り組みを加えると、さらなる効果が期待できます。部門横断的に状況を見える化することで競争意識を持ってもらい、組織全体で手指衛生遵守率の向上を図るのが狙いです。こうした取り組みを実施する場合は、管理部門や臨床部門のマネジャー層に働きかけ、協力して推し進めることが大事です。
「他部署と協力する」で触れた手指衛生遵守率のモニタリングとフィードバックに関連しますが、手指衛生に前向きになってもらうようスタッフの方々を動機づけること、また現場の声を汲み取って対策を講じることも重要です。
手指衛生の実施を徹底してもらい、促進させるためには手洗い場にポスターを貼ったり、定期的な研修を実施したりすることも効果的です。このとき、上層部に発信してもらう「組織としての方針」とメッセージをリンクさせると、より大きな責任感をもって手指衛生に取り組んでもらえることが期待できます。
感染対策の意識向上にはポスター等の掲示物の活用が有効です。
ダウンロード、印刷してご活用ください。
現場スタッフの声を汲み取った取り組みも大切です。手指衛生遵守率の向上を阻害する原因の一つに「手荒れ」がありますが、例えば「手荒れがひどくて手指衛生がつらい」といった声がある場合には、保湿剤やハンドクリームを支給したり、手荒れした方でも洗える洗浄剤に切り替えたりするなどの対策も検討しましょう。一方的な情報発信にならないよう、手指衛生を実施するスタッフの方の立場からも取り組み内容を検討してみてください。
組織で一体感を持って手指衛生に前向きに取り組んでもらうには、みなさまからの情報発信や啓発に加えて、管理層や経営層から方針を示してもらうとより効果的な場合があります。手指衛生遵守の意識が組織の文化や規範として根付くよう、一体感のある取り組みを意識しましょう。
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