手指衛生のQ&A
Q1
ここ最近、スタッフの手指衛生の遵守率が下がってきたように感じています。適切な手指衛生の徹底を継続させるためには、どうしたらよいでしょうか?
A1
手指衛生の遵守率を維持したいのであれば、一時的な啓発活動だけでなく、長いスパンで考えた組織としての多角的・戦略的な取り組みが大事です。例えば、キャンペーンを実施することも効果的です。ただしその場合は、その前後の戦略的な計画に基づいて明確な目標を設定し、継続的な実施につなげられるようにしていきましょう。
この質問の回答者
四宮 聡 先生
箕面市立病院 感染制御部副部長
感染管理認定看護師
「手洗い週間」などのキャンペーンは教育啓発のきっかけになりますが、それを行うだけでは遵守率が一時的に上がってもまた下がってしまうのは当然ともいえます。維持していくためのアプローチにはならないことを認識し、長いスパンで考えるようにしましょう。
キャンペーンを行うときは目標を明確にし、それが終わる頃には次の取り組みが始まっていて、スタッフが忘れないうちに期間中のデータをフィードバックする……といったことを繰り返していくと手指消毒の遵守率が上がってきます。一過性のものではなく、計画的かつ上手にキャンペーンを活用することが大事です。
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患者さんやスタッフを感染から守るために最も重要かつ基本的なことは、手指衛生が各部署や病院全体に根付いていることです。自分の部署について、手洗い・手指消毒をする環境が整っているか、スタッフ全員が必要なタイミングを正しく理解しているか、手指消毒の回数や消毒液の消費量を定期的にフィードバックする機会があるか分析してみてください。また、手指衛生の大切さは、ICNのみなさんが伝えるのはもちろん、師長、部長、院長などからもスタッフに伝えてもらう機会を設けるとよいでしょう。
職員への教育・啓発方法の例
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