手指衛生のQ&A
Q2
スタッフが適切なやり方やタイミングで手指衛生を実施しているかチェックするためにはどのような方法がありますか?また、効果的なフィードバックの方法があれば知りたいです。
A2
手指消毒剤の使用量を見る「擦式アルコール製剤使用量測定法」と、スタッフの行動を観察する「直接観察法」があります。目的によって、両方を行うか、どちらか一方にするか決めて実施しましょう。
この質問の回答者
四宮 聡 先生
箕面市立病院 感染制御部副部長
感染管理認定看護師
適した方法を選ぶには、手指衛生を啓発したいのか、現状を分析して課題を見つけたいのかなど、チェックする目的を明らかにする必要があります。加えて、感染対策を推進する立場の方が、現実的に活動に充てることができる時間がどれくらいあるかも考えて、どちらか一方にするか、両方とも行うかを決めるのが大事だと思います。
例えば、病院の現状を知りたい場合は、手指消毒剤の消費量でだいたいの回数はわかります。その際、実施回数や患者数など情報の元になるデータを効率的に拾える方法があれば、取り入れるとよいでしょう。
直接観察法は時間がかかりますが、スタッフが手指消毒のタイミングをきちんと理解していないと感じるような場合、こちらの方が適しているといえるでしょう。なお、観察というと監視しているような印象になりがちですが、自分たちでは気がつかない、スタッフの「クセ」を客観的に見て、その人がさらによいタイミングで手指消毒ができるようサポートする行動と捉えればとよいと思います。
定期的なフィードバックは必要ですが、なんとなく1~3ヶ月おきと期間を決めるのではなく、何か変化に気づいたとき、メッセージを届けたいときなどにフィードバックすると、スタッフのモチベーションの向上にもなると思います。
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