手荒れのQ&A
Q1
手荒れ対策の重要性について、スタッフにどのように説明すればよいでしょうか?また、手荒れに関連した感染リスクの伝え方も知りたいです。
A1
手荒れした皮膚は、健常な皮膚に比べて細菌数が多く、保菌しやすくなるとされています。最近では、定着した黄色ブドウ球菌は、バイオフィルムを形成し、消毒剤の効果を妨げ、感染リスクが高まってしまうということが報告されています。まずはこれらをわかりやすく伝えましょう。
この質問の回答者
四宮 聡 先生
箕面市立病院 感染制御部副部長
感染管理認定看護師
手荒れを起こすと、傷ついた皮膚には通常の手指消毒剤がしみるため、手指消毒もおざなりになりがちです。しかし、手荒れした皮膚には、通常よりも多くの細菌が存在しています。
手荒れのない正常な皮膚では、常在菌により黄色ブドウ球菌が定着しないように働いているため、洗浄によって除去することができます。しかし手荒れの傷から入り込んだ黄色ブドウ球菌は定着してバイオフィルムを形成し、通常の洗浄では除去しづらくなります。
バイオフィルムがバリアのように働き、殺菌・消毒剤の効果を妨げてしまい、感染リスクが高まってしまいます。
また、黄色ブドウ球菌が放出する毒素が刺激となって手荒れを悪化させ、さらに自分自身や患者さんへの細菌感染のリスクが高まるという悪循環を招いてしまうのです。
本人にとっても手荒れが苦痛なのはもちろんですが、スタッフの手荒れが患者さんにとってもなぜよくないのかを結論からわかりやすく伝えるのがよいかもしれません。
手荒れのデメリット
手荒れとバイオフィルムの関係についての詳しい説明は、ぜひ以下の記事も参考にしてください。
手荒れ悪化原因の一つバイオフィルムとは
情報誌 花王ハイジーンソルーション
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