アニキサス、カンピロバクター…、食中毒の原因とされる細菌やウイルスは様々ある中でも、よく取り沙汰される「ノロウイルス」。低温環境でより長く生存することから、例年10月から4月にかけて食中毒発生件数が増加します。気温が下がってきたからといって、食中毒のリスクから逃れられるわけではありません。冬場・春先に発生リスクの高いノロウイルスについて、その特徴を知って、対策にも役立てましょう。
ノロウイルスはとても小さく、その大きさは0.03μmほど(1μmは1mmの1000分の1)。大腸菌は約1~3μmなので、大腸菌の100分の1の大きさにあたります。ノロウイルスは100~1000個という少量でも人の身体の中に入ると、食中毒の症状を引き起こします。新型コロナウイルス感染症拡大により衛生意識が高まる中でも、ノロウイルスによる食中毒は発生しており注意が必要です。
ノロウイルスは熱に強く、食品中のノロウイルスを死滅させるには、食品の中心温度が85~90℃で90秒間以上の加熱が必要です。酸にも強く、胃酸で死滅しないため、体内に入ると腸管まで達してしまいます。
こうした特徴に関係しているのが、ウイルスの構造です。大きく2タイプに分かれ、「エンベロープウイルス」「ノンエンベロープウイルス」と言われます。「エンベロープウイルス」は脂質の二重膜に覆われていて薬剤抵抗性が低く、コロナウイルスやインフルエンザウイルスが該当。「ノンエンベロープウイルス」は強固なたんぱく質の殻に覆われていて薬剤抵抗性が高いとされ、ノロウイルスはこちらに分類されます。
つまり、食中毒の症状が起こらないようにウイルスの活性化を抑えるためには、ウイルスの構造・特徴にあわせた対策が必要なのです。
ノロウイルスによる食中毒の原因食品としては、カキ・シジミ・ホタテなど2枚貝が挙げられます。特にカキは、ノロウイルスが蓄積される内臓ごと生食することが多いため、原因になりやすいと言われています。また十分加熱調理されていない食べ物、生野菜、水などによる食中毒事例も。元々はノロウイルスを含まない食品でも、食品取扱者の手指を介した二次感染の可能性があります。
便や嘔吐物の処理が十分にできておらず、空気中にノロウイルスが舞い上がり、それを吸い込んで感染します。感染者の吐物1g中には100万個以上、糞便1g中には1億個以上も存在すると言われています。おう吐物は床から1mの高さから吐くと、カーペットの場合は吐いた場所から1.8m、フローリングでは最大2.3mと、想像以上に遠くに飛び散ります。清掃が不足していると飛び散った吐物が足裏に付着し、汚染を広げてしまう危険もあります。
感染を防ぐための基本は、手指衛生を徹底すること。手指洗浄剤で手の表面の皮脂・角質汚れをしっかりと落とすことで、手指からウイルスを取り除く効果があります。手指洗浄剤自体にはウイルスを不活化させる効果はありませんが、手指洗浄剤を用いることによってウイルスを剥がれやすくすることができます。
そして、手で触れる調理器具をはじめ調理環境を清潔に保つこと。手洗いをしっかりしていても手で触れるものが汚染されていたら、二次感染のリスクが高まります。また忘れてはいけないのがトイレの衛生管理。調理に直接関係ありませんが、ドアノブや蛇口など手で触れるところも多い場所です。加えてノロウイルスは症状がなくなっても通常でも1週間程度、長い時には1ヵ月程度ウイルスの排せつが続くことがあるため、手指にノロウイルスが付着するリスクがあります。
飲食店の存続を脅かす「食中毒」そして「ノロウイルス」。その脅威からお客様、お店を守るためにも、衛生管理には十分に注意しましょう。
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