「キレイのチカラを、翼にのせて。」すべてのお客さまに安全・安心な空の旅をお届けするために感染症対策において外部機関による最高評価をトリプル受賞した日本航空様の取り組みについて【最前線で活躍している感染症対策の担当者様にインタビューしました】日本航空株式会社様

「キレイのチカラを、翼にのせて。」すべてのお客さまに安全・安心な空の旅をお届けするために感染症対策において外部機関による最高評価をトリプル受賞した日本航空様の取り組みについて【最前線で活躍している感染症対策の担当者様にインタビューしました】日本航空株式会社様

「キレイのチカラを、翼にのせて。」すべてのお客さまに安全・安心な空の旅をお届けするために感染症対策において外部機関による最高評価をトリプル受賞した日本航空様の取り組みについて【最前線で活躍している感染症対策の担当者様にインタビューしました】日本航空株式会社様

日本航空株式会社様(以下、日本航空)では、お客様に世界トップレベルの衛生的で清潔な環境を提供し、安心してご利用いただくため、徹底した感染症対策「JAL FlySafeの取り組み」を実施しています。この取り組みの効果をさらに高めるため、「キレイのチカラを、翼にのせて。」をスローガンとして花王グループ(以下、花王)と連携し(※)、最高水準の安全・安心な空の旅を実現するために日々取り組んでいます。

今回は、日本航空で感染症対策を担当されている朴娜慧さん(感染症対策全般)、松本夕佳さん(機内)、大西康晴さん(空港)に、担当者としての想いや具体的な取り組み内容についてお伺いしました[取材:2022年2月]。

  • プロジェクトチーム内にて、花王プロフェッショナル・サービス株式会社は、主に感染症対策の立案と実践に向けたアドバイスを担います。

「キレイのチカラを、翼にのせて。」のスローガンに込められた想いとは

―日本航空が「キレイのチカラを、翼にのせて。」をスローガンにプロジェクトを立ち上げた経緯や時期について教えてください。

朴娜慧さん(以下、朴さん):弊社がお客様に商品・サービスを提供するにあたって重視しているのは、「安全性」「利便性」「快適性」「定時性」「環境への配慮」です。その中で、清潔であることがお客様に快適な空間を提供することにつながると考え、コロナ前から「清潔な環境づくり」には社員一同、大変力を入れてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、衛生・清潔はお客様の健康や安全に直接つながるものとなり、今まで弊社が取り組んできた「清潔な環境づくり=美観」から、さらに進化する必要があると考えました。また、移動手段を提供する公共交通機関として、徹底した感染症対策に取り組むことは社会全体の感染症リスクの軽減につながるとの使命も感じており、より専門的な知見に基づいた取り組みができるよう、衛生のプロフェッショナルである花王さんにアドバイスを求め、ご相談させていただいたのがプロジェクト立ち上げのきっかけです。

本プロジェクトは2020年7月に、まずお客様が最も不安を感じる場所と考えられる「機内の化粧室」を花王さんに見ていただいたところから始まっています。その後、機内だけでなく空港のチェックインカウンターやラウンジ、社員が利用するバックヤードなどでも、弊社に合った衛生ソリューションをご提案いただきました。

インタビューに回答する朴さんの写真

―「キレイのチカラを、翼にのせて。」のスローガンに込められた想いについて教えてください。

朴さん:花王さんとJAL、業種が異なる2社が垣根を越えて同じゴールに向かって協働の取り組みを推進し、社会の皆様に安心してご利用いただくには、何か心を一つにできる、両社の想いが込められたスローガンがあると良いと考えました。

「キレイのチカラを、翼にのせて。」には、「衛生」「航空」2社の事業に関連するキーワードが盛り込まれていて、両社が同じゴールに向かっていくにはピッタリでした。「明るい未来に飛行機が飛び立っていくイメージ」や「当初から目指していた清潔な環境づくりに通じる、すがすがしさ」も感じられる言葉で、社内でも好評だったこともあり、「安全・安心な空の旅」の実現を目指す弊社の想いを、お客様へそして社会へのメッセージとして、このスローガンを花王さんと共に掲げています。

 日本航空と花王が共に掲げたスローガン「キレイのチカラを、翼にのせて」の画像

日本航空の感染症対策の取り組みと課題解決

―感染症対策を実施するにあたって、課題だったことを教えてください。

朴さん:弊社では、7,000人の客室乗務員に加え、50箇所の空港に数千人の地上スタッフが業務を行っています。人数が多いことに加えて、機内ではフライト時間の長さ、空港では1日の利用者数など状況はさまざまです。その中で、いかにわかりやすく、かつ限られた時間の中で効率のよいオペレーションにできるかが課題でした。また、私の部署は全社の感染症対策を取りまとめる部署で、空港や客室部門から「これはどのようにしたらよいのか」などの問い合わせを受けることもあり、専門的な知見が必要な衛生管理について「その時々で何が正しいのか」を社員に正しくお答えすることの難しさも感じていました。

―課題の解決、感染症対策の実現に向け、花王にどのようなことを期待されましたか。

朴さん:今回、お力添えをいただきたかったポイントは「専門的な知見」と「全社員への浸透に向けたサポート」です。

当初より考えていたのは、私たちの思い込みではなく“正しい”エビデンスに基づいた清掃を行い、自信をもってお客様に「安心」を提供することです。ウイルスは肉眼で見ることができませんから、今までの美観という観点からだけでは限界があり、私たちの清掃オペレーションや現在の衛生管理に対してプロフェッショナルな知見から客観的な評価を必要としていました。

そのうえで、各スタッフが実際どのように対応できるかが次の課題でしたので、「全社員への浸透に向けたサポート」も必要でした。環境の異なる何千人ものスタッフ一人ひとりが、マニュアルやガイドラインを正しく理解し、バラつきなく実行できるようにしたかったため、全社員への落とし込みまで花王さんにサポートしていただけることはとてもありがたいことでした。

日本航空の従業員が機内でATPふき取り検査を行っている写真

―課題に対してどのように対策を実施していったのかを具体的に教えてください。

朴さん:「専門的な知見」という点では、「ATPふき取り検査」を実施して弊社の清潔性を定量化するとともに、弊社の清掃マニュアルにおいて清掃漏れが起きやすいポイントをご指摘いただきました。

また、そういった検査結果やご指摘を踏まえ、清掃マニュアルを変更することにしました。
そのマニュアルの監修、客室・空港部門からの問い合わせ対応に関するアドバイス、さらには衛生管理に関する社員向けセミナー開催など「全社員への浸透に向けたサポート」という点で花王さんにお力添えをいただきました。衛生管理の実施は社員一人ひとりの意識がとても大切です。日頃の清掃オペレーションのみならず、社員の衛生に対する理解促進も同時にサポートいただいたことが、確実なオペレーションにつながっていると感じています。

  • ATPふき取り検査:生き物を含む多くの有機物に含まれるATP(アデノシン三リン酸)を汚れの指標とした検査方法のこと。検査箇所の汚れ具合を10秒程度の検査で数値を基に確認できる。

日本航空の清掃マニュアル一例

清掃マニュアル

機内、空港で求められた感染症対策の取り組みと課題解決

―機内での感染症対策について、全社的にはどのような課題がありましたか。

松本夕佳さん(以下、松本さん):2019年以降の新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響から、航空会社を取り巻く環境と共に、求められる品質基準が大きく変わりました。機内環境についても、安全・安心が意味するものの中に「衛生観点」の占める割合が多くなり、国を超えて多くのお客様をお迎えする航空会社にとっては、可及的速やかに衛生施策を展開することが求められていました。
 
―機内の感染症対策をとりまとめるにあたって、ご自身で感じていた課題や問題を教えてください。

松本さん:感染症対策そのものがお客様の求める品質になったことで、機内の衛生対策を見直す必要性を感じていました。航行中の化粧室清掃はこれまでも客室乗務員が行っており、その手順は現場教育で伝承してきました。今回、より安全・安心で、効率的な清掃を実現するために、基準となる「清掃ガイドライン」を作成することになったのですが、専門的な知識がない中で、適切な衛生対策とはどのようなものなのかが不透明でした。

インタビューに回答する松本さんの写真

―空港での感染症対策について、全社的にどのような課題がありましたか。

大西康晴さん(以下、大西さん):空港は多くのお客様が集う場所でもあります。空港の衛生管理、感染症対策については、コロナ禍以降、お客様一人ひとりにマスクの着用や検温など、ご不便をおかけすることが多く、お客様のご協力が不可欠でした。

また緊急事態宣言発令時には、不要不急の移動が制限されている中、お客様に安心して空港や航空機をご利用いただくためには、一般的な感染症対策に加えて、弊社としてより安全性を確保するための対応が必要だと考えていました。当初は、アクリル板の設置やアルコール消毒液の配備などの一般的な感染防止対策に加えて、カウンターや車いす・ベビーカーなどに対する抗ウイルス・抗菌コーティングなどの基本的な衛生管理を行っていましたが、そのほかの部分は明確な基準がないまま試行錯誤しなければなりませんでした。空港カウンター、ラウンジなどお客様と接するスペースに限らず、スタッフ同士の感染予防のためにはスタッフルームでの対応も必要でした。

インタビューに回答する大西さんの写真

―空港の感染症対策をとりまとめるにあたって、ご自身で感じていた課題や問題を教えてください。
 
大西さん:さまざまな感染防止策があり、どの対応策をどこで実施することがお客様により安心を感じていただけるかを判断することが、一番の課題でした。

加えて、地域や個人などによって感染防止策に対する考え方や信頼度にばらつきがあり、全社的な取り組み方針を決めるのは大変でした。例えば、羽田空港とそれ以外の空港だと規模もスタッフ数も違うため、清掃マニュアルや業務オペレーションなどを、いかに標準化していけるかが課題でした。スタッフには“やらされ感”もあったかもしれないと思い、「何のためにその対応を行うのか」をしっかり伝えることが重要だと感じておりました。

感染症対策を行う上で花王プロフェッショナル・サービス(KPS)が貢献できたこと

―機内、空港の課題解決について、花王と共にどのように解決し、感染症対策を実現したのか、具体的に教えてください。

松本さん:機内環境の課題解決に向けては、花王さんでプロジェクトチームを立ち上げていただき、現場調査から始めました。衛生状態を数値化する「ATPふき取り検査」と「ブラックライトを用いた調査」の結果をもとに、清掃方法や清掃箇所が十分かを検証し、マニュアルにも反映させました。また、感染症対策の一環として、感染防止用ガウン、手袋、フェイスシールドの着脱手順や廃棄方法についても、花王さんにアドバイスいただきながら、よりわかりやすく記載しました。

オペレーションも大事ですが、「こうした根拠に基づいて、こうした取り組みをしています」などと、しっかりとスタッフやお客様に伝えることができるようになったのは大きかったですね。具体的な清掃方法、衛生管理のノウハウを専門家からご教示いただく機会は初めてでしたので、大変勉強になりました。

日本航空の従業員が機内のトイレを清掃している写真。感染防止用ガウン、手袋、フェイスシールドなどを着用している。

―空港の課題解決についてはいかがでしょうか。

大西さん:これまでスタッフに任せていた部分もあった、カウンター、ラウンジ、スタッフルームの清掃のタイミング、回数なども調査結果をもとに説得力のあるご提案をいただき、早速新たな清掃マニュアルを策定しました。ATPふき取り検査を定期的に行うことで、清掃の実施状況等を把握でき、空港の清潔性を維持するためのPDCAを回す仕組みができたこともよかったですね。

また「汚れの見える化」は意義が大きく、「目に見えない汚れが可視化される」ことでスタッフも納得感を持ってより積極的に、真剣に取り組めるようになったと思います。

定期的な検査結果はスタッフにも共有しており、それぞれの空港間で清潔性が比較できるので、そうしたものもスタッフの励みになり、より「清潔性の高みを目指したい」と思えるモチベーションにもつながっていると思います。

また花王さんという衛生のプロの目からチェックいただいたマニュアルを策定したことで、「感染しにくい環境づくり」を改めてスタッフと共に目指すことができました。「安心して空港で働ける」という社内の声も広がっていくと思います。

日本航空の従業員が空港のカウンターで清掃をしている写真

日本の航空会社で唯一感染症対策における最高評価トリプル受賞にも花王のプロジェクトチームが貢献

―2021年7月には、感染症対策の取り組みがアジアで初めて「世界最高水準」として評価を受けられたとお聞きしました。具体的な取り組み内容や感想を教えてください。

朴さん:弊社では、徹底した感染症対策を「JAL FlySafeの取り組み」と名付け、主に3つを軸に取り組みを推進しています。

【1】安心してご利用いただけるサポート 
【2】デジタル技術を活用した非接触・セルフ化の推進
【3】衛生・清潔の向上


例えば、PCR検査をお手頃価格で提供し(【1】安心してご利用いただけるサポート)、ご利用いただく際には搭乗手続きをセルフ化することでモノに触れる・人と接触することへのご不安を軽減(【2】デジタル技術を活用した非接触・セルフ化の推進)、最後にお客様が手に触れる箇所には抗ウイルス・抗菌コーティングを施し、さらに清掃を徹底することで衛生・清潔を高める(【3】衛生・清潔の向上)といった旅全般への安全・安心を構築しています。

国内初または国内唯一の取り組みも多数あり、業界で先駆けて安全・安心を強化できたことが高い評価をいただけた要因の一つだと思っています。担当者としては花王さんにサポートいただき、高い衛生レベルが実現できたことも大きく寄与していると考えており、大変感謝しています。

受賞が決まったときは、「日頃の取り組みと努力を客観的に評価いただけた」と感慨深かったですね。このように努力が評価されたことは、会社全体としても社員のモチベーションにもつながっています。

「JAL FlySafeの取り組み」によって外部機関の最高評価をトリプル受賞したことを表す画像

日本航空の目指す未来と今後の展望とは

―お客様へのサービスの品質向上のため、今後どのように取り組んでいくのか。展望をお聞かせください。

朴さん:今回の取り組みで、業務オペレーションだけに留まらず、全社員が衛生に関する正しい知識を身につけられ、衛生意識を非常に高い水準に向上させることができました。これは花王さんのサポートあってのこと。今後も、世界最高水準の衛生・清潔を維持できるように、花王さんとの連携を強化して、お客様向けの対策の強化、社員一人ひとりの衛生意識・知識レベルのさらなる向上に取り組んでいきたいと考えています。

コロナ禍が収束した先には、花王さんと「衛生」の領域を超えて、サステナブルな社会の実現を目指し、領域を広げた連携ができれば大変うれしく思います。

 日本航空の朴さん、松本さん、大西さんと花王・KPS担当者の集合写真。

  • 今回の取材および撮影は、新型コロナウイルス感染対策に十分に留意して実施しました。

朴さんのプロフィール写真

朴 娜慧(ぱく なえ)さん

所属
カスタマー・エクスペリエンス本部/CX戦略部/CX戦略グループ 主任
担当業務
・サービス戦略、社外コミュニケーション戦略
・全社の感染症対策「JAL FlySafeの取り組み」

松本さんのプロフィール写真

松本 夕佳(まつもと ゆか)さん

所属
客室本部/客室品質企画部/企画・運営グループ チーフキャビンアテンダント
担当業務
・客室サービス戦略・企画
・監査
・IT関連プロジェクト

大西さんのプロフィール写真

大西 康晴(おおにし やすはる)さん

所属
空港本部/空港企画部/企画グループ
担当業務
・空港における感染症対策「JAL FlySafeの取り組み」、JAL SMART AIRPORT(施設改修)など

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