新型コロナウイルス感染症 関連情報

2022年03月24日時点

新型コロナウイルス感染症 変異株について

一般的にウイルスは増殖や感染を繰り返す中で少しずつ変異していきます。新型コロナウイルスも約2週間で一箇所程度の速度で変異していると考えられています。新たな変異株が世界各地で確認されており、こうした変異株に対して警戒を強めていく必要があります 。

国立感染症研究所では、こうした変異をリスク分析し、その評価に応じて、変異株を「懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)」、「注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)」、「監視下の変異株(Variants under Monitoring :VUM)」に分類しています。

◯懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)
公衆衛生への影響が大きい感染・伝播性、毒力*、及び治療・ワクチン効果の変化が明らかになった変異株

* 毒力virulence: 病原体が引き起こす感染症の重症度の強さ

  • B.1.351系統の変異株(ベータ株)    2020年5月 南アフリカで検出
  • P.1系統の変異株(ガンマ株)       2020年11月 ブラジルで検出
  • B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)    2020年10月 インドで検出
  • B.1.1.529系統の変異株(オミクロン株)   2021年11月 南アフリカ等で検出

◯注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)
公衆衛生への影響が見込まれる感染・伝播性、毒力、及び治療・ワクチン効果や診断に影響がある可能性がある、又は確実な変異株で、国内侵入・増加の兆候やリスクを認めるもの

  • 該当なし

◯監視下の変異株(Variants Under Monitoring:VUM)
公衆衛生への影響が見込まれる感染・伝播性、毒力、及び診断・治療・ワクチン効果に影響がある可能性がある変異を有する変異株

  • B.1.1.7系統の変異株 アルファ株     2020年9月英国で検出
  • B.1.617.1系統の変異株 (旧)カッパ株    2020年10月インドで検出
  • C.37系統の変異株 ラムダ株       2020年8月ペルーで検出
  • B.1.621系統の変異株 ミュー株       2021年1月コロンビアで検出
  • AY.4.2系統の変異株           2021年10月英国で検出

■オミクロン株について

昨年の11月に南アフリカ共和国から新たな変異株オミクロン株が見つかり、国内でもほとんどの都道府県から報告され多くの地域でオミクロン株への急速な置き換わりが進んでいます。国立感染症研究所は2022年2月16日の報告で「首都圏や関西圏含めオミクロン株に置き換わっている。」としています。

世代時間:デルタ株は約5日、オミクロン株は約2日。潜伏期間:アルファ株は3.4日、オミクロン株は2.9日。ウイルス排出期間: オミクロン株は有症状者が10日目以降排出する可能性は低い、無症状者は8日目以降排出する可能性が低い。重症度:オミクロン株はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低い可能性が示されている。

世代時間:デルタ株は約5日、オミクロン株は約2日。潜伏期間:アルファ株は3.4日、オミクロン株は2.9日。ウイルス排出期間: オミクロン株は有症状者が10日目以降排出する可能性は低い、無症状者は8日目以降排出する可能性が低い。重症度:オミクロン株はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低い可能性が示されている。

世代時間:デルタ株は約5日、オミクロン株は約2日。潜伏期間:アルファ株は3.4日、オミクロン株は2.9日。ウイルス排出期間: オミクロン株は有症状者が10日目以降排出する可能性は低い、無症状者は8日目以降排出する可能性が低い。重症度:オミクロン株はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低い可能性が示されている。

新型コロナウイルス感染症の直近の感染状況等(2022年2月24日現在)国立感染症研究所とSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告 2022年1月13日 国立感染症研究所を参考に作成

■濃厚接触者の観察期間の短縮について

オミクロン株の感染が拡大することにより、医療機関や介護福祉施設だけでなく学校・幼稚園・保育所等でも、職員とその家族の感染や、濃厚接触による職場離脱が増加しています。感染拡大を防ぎつつ、社会経済活動を維持するためにも、厚生労働省は、科学的知見を検証し、濃厚接触者の健康観察期間を短縮化する等の事務連絡を発出しました。

事 務 連 絡
令 和 4 年 1 月 5 日
令 和 4 年 2 月 2 日 一 部 改 正
厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部
新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について
(一部抜粋)

今般、科学的知見や専門家の意見を踏まえ、濃厚接触者の待機期間について、
・原則、7日間で8日目に解除
・社会機能維持者の方は、2日にわたる検査を組み合わせることで、5日目に解除という取扱いといたします。
ただし、10 日間を経過するまでは、検温などご自身による健康状態の確認等を行っていただくようお願いいたします。
併せて、無症状患者(無症状病原体保有者)の療養解除基準についても、検体採取日から「7日間」を経過した場合には療養解除を可能といたします。濃厚接触者と同様、10 日間を経過するまでは、検温などご自身による健康状態の確認等を行っていただくようお願いいたします。

詳細については、下記の事務連絡をご確認下さい。

■BA.2系統について

国立感染症研究所はBA.2系統について、「BA.1系統よりも変異の箇所が少なく、BA.1系統でスパイクタンパク質に見られる欠失箇所がない。」としています。世界各国の現在の主流はBA.1系統ですが、デンマーク、インド、南アフリカ等でBA.2系統が占める割合が増加しており、日本でも渡航歴がある者の他に市中感染も報告されています。厚生労働省アドバイザリーボードの資料では、「BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び家庭内二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。デンマークの報告によれば、重症度について、BA.1系統とBA.2系統で入院リスクに関する差は見られないとされている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。」としていますが、国立感染症研究所は、「重症化・死亡のリスクが増加するという報告はないが、引き続き知見の集積が必要である。」としています。

■追加(3回目)接種について

国立感染症研究所は、「ワクチン2回接種による発症予防効果がデルタ株と比較してBA.1系統への感染では著しく低下するが、3回目接種(ブースター接種)によりBA.1系統感染による発症予防効果が一時的に高まることが示されている。国内においても、2回接種後一定期間経過すると発症予防効果が低下すること、短期的には3回接種で発症予防効果が高まることが示されている。海外の報告では、3回接種後の発症予防効果が数ヶ月で低下しているという報告もあり、長期的にどのように推移するかは不明である。」としていることから引続き新たな知見の収集が必要です。

オミクロン株に対するワクチンの効果については、各国でラボでの実験や疫学データが示されています。 厚生労働省の新型コロナワクチンQ&Aで紹介されています。

オミクロン株に対する追加(3回目)接種の効果

発症予防効果:2回目接種 2~4週間後65~70%、20週間後10%程度。追加接種 2~4週間後60~75%程度、15週後以降25~40%。入院予防効果:2回目接種 25週目以降44%。追加接種 2~4周目44%、5~9週目88%、10週目以降83%。追加接種65歳以上 2~9週 94%、10週以降89%。

発症予防効果:2回目接種 2~4週間後65~70%、20週間後10%程度。追加接種 2~4週間後60~75%程度、15週後以降25~40%。入院予防効果:2回目接種 25週目以降44%。追加接種 2~4周目44%、5~9週目88%、10週目以降83%。追加接種65歳以上 2~9週 94%、10週以降89%。

発症予防効果:2回目接種 2~4週間後65~70%、20週間後10%程度。追加接種 2~4週間後60~75%程度、15週後以降25~40%。入院予防効果:2回目接種 25週目以降44%。追加接種 2~4周目44%、5~9週目88%、10週目以降83%。追加接種65歳以上 2~9週 94%、10週以降89%。

新型コロナワクチンQ&A 厚生労働省 利用:2022年3月7日 を参考に作成

ウイルスの特徴

ヒトに感染するコロナウイルスは、風邪のウイルスといわれる4種類の他に、2002年に中国・広東省から発した重症急性呼吸器症候群(SARS )と、2012年にアラビア半島で中東呼吸器症候群(MERS)が報告されています。そして2019年12月から中国・湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、ヒト‐ヒト感染によって世界的な流行になっている状況です。WHOはこのウイルスによる疾患をCOVID-19(Coronavirus disease 2019 の略称)と命名し、感染症法では新型コロナウイルス感染症と呼んでいます。

■感染経路

飛沫感染と接触感染が主体と考えられています。
感染者(無症状病原体保有者を含む)から咳、くしゃみ、会話などの際に排出されるウイルスを含んだ飛沫・エアロゾル (飛沫より更に小さな水分を含んだ状態の粒子)の吸入が主要感染経路と考えられています。一般的に1m以内の近接した環境で感染するとされていますが、エアロゾルは空気中にとどまり得ることから、密閉空間などにおいては1mを超えて感染が拡大するリスクがあるとされています。医療機関では、エアロゾルを発生する処置が行われる場合には、空気予防策が推奨されています。
SARS-CoV-2 が環境に付着した場合の生存期間は、プラスチック表面で最大72時間。ボール紙で最大24時間とWHOは発表しています。

潜伏期・感染可能期間
潜伏期1〜14日間で、5日程度で発症することが多いとされていますが、オミクロン株は潜伏期が2〜3日から7日以内に発症する者が大部分である*と報告されています。発症前から感染性があり、発症から間もない時期の感染性が高いことが市中感染の原因となっており、SARSやMERSと異なる特徴です。感染可能期間は発症2日前から発症後7~10日間程度と考えられています。血液、尿、便から感染性のある SARS-CoV-2が検出されることは稀であるとされています。

*国立感染症研究所. SARS-CoV-2 の変異株B.1.1.529 系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告.2022.1.14.

■主な症状

発症時の症状は、発熱、呼吸器症状、倦怠感、頭痛、消化器症状、鼻汁、味覚異常、嗅覚異常、関節痛、筋肉痛の順に多くみられています。インフルエンザや普通感冒と比較して、鼻汁・鼻閉は少なく、嗅覚・味覚障害の多いことがCOVID-19 の特徴と考えられていましたが、オミクロン株による感染では、ウイルスが上気道で増殖しやすい特性に伴い、鼻汁、頭痛、倦怠感、咽頭痛などの感冒様症状の頻度が増加したとされています。また、嗅覚・味覚障害の症状の頻度が減少した報告もされています。

感染対策

新型コロナウイルス感染症には、標準予防策を遵守することが重要です。手指衛生を遵守し、呼吸器症状のあるなしにかかわらず、常時サージカルマスクを着用することを検討します。サージカルマスクや手袋などを外す際には、それらにより環境を汚染しないよう留意しながら外し、所定の場所に破棄します。外した後は手指衛生を遵守し、手指衛生の前に目や顔を触らないように注意しましょう。

標準予防策について

■手指衛生

  • アルコール(エタノール濃度 60〜90%、イソプロパノール 70%を推奨)を⽤いた⼿指消毒
  • 手指洗浄剤と流⽔を⽤いた⼿洗い

■ユニバーサルマスキング

  • すべての職員が院内では常時サージカルマスクを着⽤する

■個人防護具

個人防護具の使用場面と使用する個人防護具の表。通常時は、目・鼻・口を覆う個人防護具(アイシールド付きサージカルマスク、あるいはサージカルマスクとゴーグル、アイシールド、フェイスガードの組み合わせ)、ガウン、手袋。一時的に大量のエアロゾルが発生しやすい状況では、サージカルマスクの代わりにN95マスク(またはDS2などN95と同等のフィルター性能を有するマスク)あるいは電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)を追加する。

個人防護具の使用場面と使用する個人防護具の表。通常時は、目・鼻・口を覆う個人防護具(アイシールド付きサージカルマスク、あるいはサージカルマスクとゴーグル、アイシールド、フェイスガードの組み合わせ)、ガウン、手袋。一時的に大量のエアロゾルが発生しやすい状況では、サージカルマスクの代わりにN95マスク(またはDS2などN95と同等のフィルター性能を有するマスク)あるいは電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)を追加する。

個人防護具の使用場面と使用する個人防護具の表。通常時は、目・鼻・口を覆う個人防護具(アイシールド付きサージカルマスク、あるいはサージカルマスクとゴーグル、アイシールド、フェイスガードの組み合わせ)、ガウン、手袋。一時的に大量のエアロゾルが発生しやすい状況では、サージカルマスクの代わりにN95マスク(またはDS2などN95と同等のフィルター性能を有するマスク)あるいは電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)を追加する。

  • エアロゾルが発生しやすい状況:気道吸引、気管内挿管、抜管、用手換気、気管切開と気管切開部でのチューブ交換、歯科口腔処置、非侵襲的換気、ネーザルハイフロー、生理食塩水を用いた喀痰誘発、下気道検体採取、吸引を伴う上部消化管内視鏡、等
  • 髪に触れた際に⼿指に付着したウイルスによる粘膜汚染が懸念されるため、特に髪を触りやすい⽅はキャップをかぶることを推奨します。
  • 全⾝を覆う防護服の着⽤は必須ではありません。
  • 基本的に新型コロナウイルス感染症の予防を⽬的としたシューズカバーの使⽤は推奨されません。

個人防護具が不足する場合の対応に関しては下記のサイトをご確認ください。

手指衛生啓発ポスターの無料ダウンロード

感染対策の意識向上にはポスター等の掲示物の活用が有効です。
ダウンロード、印刷してご活用ください。

勉強会動画

個人防護具の適切な使用方法などを動画で確認いただけます。

消毒・環境清掃について

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の残存期間としては、エアロゾルでは3時間まで、プラスチックやステンレスの表面では72時間まで、というものがある他に、銅の表面では4時間以降、段ボールの表面では24時間以降は生存が確認されなかったと報告されています。こういったことから物品を介した接触感染を防ぐために、環境や共用する物品等はこまめに清掃・消毒することが重要です。

■環境整備

<医療機関における病室>

  • 医療機関においては、患者周囲の高頻度接触部位などはアルコール(エタノール又は2-プロパノール*)あるいは 0.05%(500ppm)の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい。詳細については、「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド」等を参考にする。
  • 患者や疑い患者の病室清掃はフロアーワイパーやダスタークロス等を使用する。
  • 患者や疑い患者が使用した使用後のトイレは、次亜塩素酸ナトリウム(1,000ppm)かアルコール(エタノール又は 2-プロパノール、70%)による清拭(特にドアノブ、トイレットペーパーホルダー、水栓レバー、便座を毎日実施することを推奨する。共有トイレのウォシュレットは、ノズルを清潔に管理できない場合は使用しないことが望ましい。便などでトイレが汚れた場合には、その都度清拭する。体液、血液等が付着した箇所の消毒については、感染症法に基づく消毒・滅菌の手引き(SARSやMERSの箇所)を参照すること。
  • エアジェット式手指乾燥機は、適切な清掃を含むメンテナンスができる場合のみ、使用する。
  • 患者や疑い患者、濃厚接触者が使用した可能性のある病室の清掃をする職員に対して、COVID-19に対する感染予防の教育と研修を受けさせ、また十分なPPEを配布し、安全に勤務する体制を作る。

<高齢者施設、不特定多数が利用する施設内、自宅等>

  • 患者発生時に、大がかりな消毒は不要であるが、長時間の滞在が認められた場所においては、換気をし、患者周囲の高頻度接触部位などは70%のアルコール(エタノール又は2-プロパノール)か0.05%(500ppm)次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい。

* 60%のアルコール濃度の製品でも消毒効果があるとする報告もあることから、70%のアルコール(エタノール又は2-プロパノール)が手に入らない場合には、60%台のエタノールによる清拭も許容される。

新型コロナウイルスの消毒・除菌方法については以下のサイトも参照してください。
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ) 厚生労働省

■廃棄物の取り扱いについて

医療機関から排出される新型コロナウイルス感染症に係る感染性廃棄物については、環境省から出されている「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」に基づき処理をしてください。
平時と同様に排出の際には、廃棄物の種類や性状に応じた容器を選ぶこと、容器に入れて密閉すること、感染性廃棄物である旨等を表示することなどが必要です。

■リネンや食器などの取り扱い

食器の取り扱いについて
⼀般的な家庭⽤洗剤に含有される界⾯活性剤によって、新型コロナウイルスを不活化できることが報告されています。患者が使⽤した⾷器については、⾷器⽤洗剤を使って擦り洗を行い、⽔道⽔で洗い流した後に乾燥させます。熱⽔洗浄(80℃、10分間)も問題ありません。感染者の使⽤した⾷器と⾮感染者の使⽤した⾷器を⼀緒に洗浄しても問題ありません。
⾷器⽤洗剤の有効な製品名は下記のサイトをご確認ください。

隔離期間中の感染者が使⽤した⾷器を病室外に持ち出してから洗浄を行うまでは、運搬経路上の感染リスクに注意する必要があります。⾷器を回収する職員は、サージカルマスク、ゴーグル/フェイスシールド、ガウン、⼿袋を着⽤し、前後に⼿指衛⽣を⾏います。回収した⾷器をプラスチック袋に入れて運搬することで、回収・運搬作業者の安全を確保し、搬送経路の汚染を予防できます。

リネンの取り扱いについて
患者が使用したリネン類の洗濯は、施設外に持ち出す際は80℃・10分間の熱水消毒または250ppm次亜塩素酸ナトリウム30分浸漬を行った後に持ち出して洗濯するか、水溶性ランドリー袋に入れて運搬し、袋を開けずに洗濯します。施設内で洗濯する場合は、通常の洗濯でもいいのですが、洗濯機に入れるまでは手袋、長袖ガウン、サージカルマスク、眼の防護具を着用し、洗濯物を取り扱った後、PPE着脱後に手指衛生を実施します。洗濯後のリネンの取り扱いの際には、特別なPPEは必要ありません。

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の改正について

新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律が令和3年2月3日に公布されたことに伴い、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部が改正され、令和3年2月13日に施行されました。

改正の趣旨

新型コロナウイルス感染症への対応は現在進行形であるが、国民の命を守るため必要な見直しは速やかに対応していく必要があるところ、現行制度の下で取組を進める中で得られた知見や経験を法制度に反映させ、感染の早期収束につなげていくことが重要である。このような考え方に則り、今般、現下の新型コロナウイルス感染症対策の実効性を高め、より確実に取組を推進するために必要な法改正を行うもの。

改正の概要

1.新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部改正
①特定の地域において、国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがあるまん延を防止するため、「まん延防止等重点措置」を創設し、営業時間の変更等の要請、要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合の過料(20万円以下)を規定する。
②緊急事態宣言中に開設できることとされている「臨時の医療施設」について、政府対策本部が設置された段階から開設できることとする。
③緊急事態宣言中の施設の使用制限等の要請に応じない場合の命令、命令に違反した場合(30万円以下)の過料を規定する。
④事業者及び地方公共団体に対する支援
 ○国及び地方公共団体は、事業者に対する支援に必要な財政上の措置、医療機関及び医療関係者に対する支援等を講ずるものとする。
 ○国は、地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。
⑤差別の防止に係る国及び地方公共団体の責務規定を設ける。
⑥新型インフルエンザ等対策推進会議を内閣に置くこととする。

2.感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一改正
①新型コロナウイルス感染症を「新型インフルエンザ等感染症」として位置付け、同感染症に係る措置を講ずることができることとする。
②国や地方自治体間の情報連携
 ○保健所設置市・区から都道府県知事への発生届の報告・積極的疫学調査結果の関係自治体への通報を義務化し、電磁的方法の活用を規定する。
③宿泊療養・自宅療養の法的位置付け
 ○新型インフルエンザ等感染症・新感染症のうち厚生労働大臣が定めるものについて、宿泊療養・自宅療養の協力要請規定を新設する。また、検疫法上も、宿泊療養・自宅待機その他の感染防止に必要な協力要請を規定することとする。
④入院勧告・措置の見直し
 ○新型インフルエンザ等感染症・新感染症のうち厚生労働大臣が定めるものについて、入院勧告・措置の対象を限定することを明示する。
 ○正当な理由がなく入院措置に応じない場合又は入院先から逃げた場合の過料(50万円以下)を規定する。 ⑤積極的疫学調査の実効性確保のため、新型インフルエンザ等感染症の患者等が積極的疫学調査に対して正当な理由がなく協力しない場合、応ずべきことを命令できることとし、命令を受けた者が質問に対して正当な理由がなく答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は正当な理由がなく調査を拒み、妨げ若しくは忌避した場合の過料(30万円以下)を規定する。
⑥緊急時、医療関係者(医療機関を含む)・検査機関に協力を求められ、正当な理由なく応じなかったときは勧告、公表できることを規定する。等

新型コロナウイルス感染症に関する相談窓⼝

新型コロナウイルス感染症に関する相談窓⼝は下記をご参照ください。

・新型コロナウイルスに係る厚生労働省電話相談窓口(コールセンター)
厚生労働省の電話相談窓口
電話番号:0120-565653(フリーダイヤル)
受付時間:9時~21時(土日・祝日も実施)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09347.html

新型コロナウイルス感染症に関する情報、対策などは日々更新されています。下記のサイトに各種マニュアルが掲載されていますのでご参照ください。

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