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ICNが現場指導で使える 感染対策Q&A

手指衛生のQ&A

困った表情の男性看護師のイラスト

Q3

何度伝えても必要なタイミングで手指衛生を行わないスタッフがいます。部署によっても偏りがあるように感じます。ICNとしてできることはあるでしょうか?


A3

手指衛生を行わないスタッフが、どのような考え方で行わないのかを分析する必要があります。手指衛生が重要だと思っている人ばかりではなく、しなくても影響はないと思っている人もいます。スタッフがどのように認識しているかを分析したうえで、例えばそのスタッフに対して影響力のある人から啓発してもらい、介入につなげるのも一案でしょう。

この質問の回答者

四宮 聡 先生
箕面市立病院 感染制御部副部長
感染管理認定看護師

解説

手指衛生は感染対策の基本ではありますが、必ずしも正しく理解している人ばかりではありません。「自分はしなくても影響はない」と思っているケースでは、同じことを何度も伝えても効果はありません。相手の認識を分析する必要があります。 
 
手指衛生を行わない人は、患者さんとどんな接点があり、どんな専門性を持ち、これまでに感染症や感染対策を学ぶ機会があったのかなど現状を分析します。アプローチするにはどのような課題があるかを明らかにすることがスタートラインです。 
 
背景がわかったうえで、「個人の考え方ではなく、病院内のルールとしても見過ごせない」ことを伝える必要があります。そのとき、必ずしもICNが直接伝えなければいけないというわけではありません。誰から伝えれば最も効果的かを考えて、上層部に依頼する方法もあります。例えば院内研修の際、院長から冒頭に手指衛生についても話してもらうこともできます。各部署に協力を仰いで、啓発してもらうとよいでしょう。 
 
そこがうまくいけば、次の課題も見えてくるかもしれません。

  • 手指衛生のタイミング「5モーメンツ*」について説明させてもらう
  • 部署別の業務マニュアル・ケア手順の中に手指衛生を入れる手伝いをする
  • ICNのラウンドの際には手指消毒剤を置く場所を提案する など

  • できることが増え、介入が難しかった場合も成功率が上がるかと思います。

    • *
      WHOが推奨している、手指衛生の5つのタイミング

    ケア手順に手指衛生のタイミングを追加

    おむつ交換・陰部洗浄手順

    1. 手指消毒
    2. 必要物品の準備
    3. 訪室
    4. ベッド柵を下げる
    5. 個人防護服を装着
    6. 新しいおむつの準備
    7. 便の処理・陰部を洗浄する
    8. 汚れたおむつの汚染した部分を内側に丸めて外しビニール袋に入れる
    9. 手袋を外し手指消毒
    10. 新しいおむつを装着、寝衣を整える
    11. おむつを入れたビニール袋を密閉
    12. 手指消毒
    13. ベッド柵をもとに戻す
    14. 手指消毒
    15. 退室
    16. 使用後のおむつを汚物室に破棄する
    17. 流水で手洗いする

    処置ごとにタイミングをチェックするためのリストです。

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    また、製品サポート・Q&Aもご参照ください。

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