ー「FIESTA PURE SHINE(フィエスタ ピュアシャイン)」の開発に至った経緯についてお聞かせください。
木﨑 近年、インバウンド需要の拡大や2020年東京オリンピックを見据えて、各ホテルがおもてなしの向上に力を入れています。花王プロフェッショナル・サービスでもブランドラインナップの見直しを図り、容器を含めてブランドの世界観を演出し、宿泊客様に非日常感を提供したいと考えたことからこのプロジェクトがスタートしました。
平田 われわれ作成部も、最初のコンセプト作りの段階から参加しています。実際にホテルに伺って、トレンドや大切にしている価値観などもヒアリングさせていただき、一緒にイメージを築き上げました。
木﨑 宿泊されるお客様にリラックスして過ごしていただくために、ホテルでは「安全」「安心」をとても大切にしています。そこからイメージをふくらませてたどり着いたのが、「自然界の優しさ」というコンセプトです。作成部にはビジュアルのイメージを作っていただきながら進めました
青山 アメニティの開発ということで、ホテルの担当者にヒアリングしましたが、実際に使用するのはその先にいる宿泊されるお客様です。だから、お客様に喜んでいただくということはもちろん、それを提供するホテルの方にも気に入っていただくという2つの視点で考える必要がありました。そこは市販品のデザインと違って新鮮でしたね。
藤原 私、金田さん、山川さんの研究開発組も、一緒にヒアリングに行きましたよね。
金田 行きましたね。
藤原 日頃、商品開発をしていく中で、一般の消費者の方の生の声を聞く機会はよくあるのですが、業務用の世界のお話を聞くのは初めてだったのでとても貴重な体験でした。
青山 今回、マーケティング、デザイン、研究開発で、最初に「FIESTA PURE SHINE(フィエスタ ピュアシャイン)」の世界観を一緒に作り上げ、同じゴールを目指して取り組み、世界観がうまく共有できたことで、みんなで作り出したという想いが強くあります。
ー「自然界の優しさ」というコンセプトの実現に向けて、研究開発サイドではそれぞれの専門性の中でどのように具体化していったのでしょうか?
山川 香料開発としては、コンセプトであるリラックスして過ごせる「自然界の優しさ」と、お客様が求めるホテルならではの「非日常感」を香りで表現することを意識しました。
「自然」がテーマの商品なので、フレッシュな香りにこだわり、さわやかで清潔感のあるグレープフルーツやオレンジ、ベルガモットなどのキャラクターを立たせています。また、フローラルとリーフィーの素材を組み立てることで自然界の優しさ・安心感を表現しました。
藤原 シャンプーやボディウォッシュの素材と香りのマッチングもありますから、そのあたりは常に相談、連携しながらやりましたよね。
金田 香りの印象はさわやかで、誰にでも受け入れられやすいと思います。
山川 自宅用の市販品だと好みの香りを自分で選べますが、アメニティグッズはそこが違いますよね。女性も男性も共通して使うものですし、香りの好みは人それぞれなので、より多くの人に受け入れられるということを意識して、トップノートはシトラス系のさわやかな香り、ミドルノートはフローラルグリーンの落ち着いた香りに押さえました。
特にシャンプーは髪に残る香りの好みが結構分かれるので、シャンプーしている時には香りが立って、洗い流した後には残り香があまり強くない設計にしています。ボディウォッシュも同様で、洗っている時に香りが立つようにトップノートに拡散性を持たせて、市販品にはないアロマ効果といいますか、バスルームに広がる香りで特別感や非日常感を楽しんでいただけるようにしました。
藤原 老若男女、幅広い方が使うということはヘアケアでもかなり意識しました。女性はしっとり感のニーズが高いけど、男性は仕上がりのさっぱり感を求める傾向が強いので、そのバランスが大切です。
髪を内側からケアして、ツヤや本来のしなやかさ、触って心地よい感触を与える花王独自のHBT(美髪技術)を取り入れて、誰が使ってもほどよい使用感になるように心がけました。HBTのキー成分の一つがリンゴ酸だったので、「自然界」というコンセプトともマッチしていますし、他にもローズヒップエキス、ラベンダーエキス、ロイヤルゼリーエキスなど自然由来成分も配合しています。
それからもう一つ、ホテルの業務用には日々の「詰め替え」という作業がありますので、詰め替えしやすい液性も配慮して処方しました。
金田 ボディウォッシュも同じです。
すっきり洗える高い洗浄力と肌のなめらかさが実感できるやさしさの両立を意識しました。花王にはビオレの洗顔剤やボディウォッシュなどで導入されている、低刺激だけれど優れた洗浄力を持ち、肌に悪影響を与えることなく、汚れだけを集中的に落とすSPTという独自の洗浄技術がありますので、その技術を導入しました。ヘアケア同様に、自然由来成分も配合しています。
また、自宅ではボディタオルなどの洗浄グッズを使うことが多いと思うのですが、ホテルでは洗浄グッズが置いていない場合もあります。ですから、手で洗っても汚れはしっかり落とせるように、泡立ちの早さや量なども意識して処方の組み合わせをいろいろと工夫しました。
さらに難しかったのは、今回のコンセプトに合わせて液剤を透明にしたところです。透明なシャンプーはありますが、ボディウォッシュはパール光沢外観ものが多く、透明なものは実はあまりない。香料などが加わると濁りやすくなるんです。また、透明だとさっぱりしているイメージがありますが、肌がうるおうことも伝えたい。労力の8割くらいは性能と透明な外観を両立させる検討に時間をつぎ込みました。
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