コラム

2023年10月24日更新

ケアプランデータ連携システムで業務効率化!利用方法とメリット

監修者 竹下康平氏のプロフィール写真

監修者プロフィール/竹下 康平(たけした・こうへい)
1975年青森県生まれ。
株式会社ビーブリッド 代表取締役、日本福祉教育専門学校 非常勤講師、(一社)日本ケアテック協会 専務理事/事務局長、(一社)介護離職防止対策促進機構 理事、(公社)かながわ福祉サービス振興会 LIFE推進委員会 副委員長。
プログラマーやSE等を経て、2007年より介護業界でのICT関連業務に従事し、2010年ビーブリッド創業。
現在は同社主力事業の介護・福祉事業者向けICT活用支援サービス『ほむさぽ』(homesapo.com)を軸に、介護業務でのICT利活用と促進に幅広く努めている。
介護・福祉事業者向けICT講演回数は全国トップクラスで、(令和3年は71回)が示すように、介護業界のICTご意見番として、行政や事業者団体、学校等での講演活動および多くのメディアでの寄稿等の情報発信を通じ、ケアテックの普及推進中。
「介護福祉の現場に即したICT活用推進が私の役割」

厚生労働省主導の下、公益社団法人 国民健康保険中央会が開発を進めてきた「ケアプランデータ連携システム」が2023年4月より本格的な稼働を開始しました。居宅介護支援事業所と介護サービス事業所間で、ケアプランの一部情報をデータ連携することで業務の負担軽減が期待できます。

そこで今回は「ケアプランデータ連携システム」の利用方法やメリット、どの程度コスト削減につながるのかなど詳しく紹介します。

ケアプランデータ連携システムとは? 

「ケアプランデータ連携システム」は、居宅介護支援事業所と介護サービス提供事業所との間で毎月交わされるケアプランをデータで授受できるシステムです。

これまでは、サービス提供票や居宅サービス計画書などはFAXや郵送といった印刷物で共有する必要があり、書類を受け取った事業所は転記したり、再びデータとして入力したりする手間がありました。データ連携システムの導入によりこのような作業が省けるほか、手作業による人的ミスも防ぐことができます。また、システムは高いセキュリティ管理下にあり安心して利用することができます。

システムの利用状況は? 

独立行政法人福祉医療機構のホームページでは、ケアプランデータ連携システムの各都道府県の利用状況を地図上で確認できます。他の事業所の利用状況を把握することで、導入済みの場合はさらなる活用に役立てられ、導入検討中の場合は、検討材料の一つとして活用できます。

詳しくは独立行政法人福祉医療機構が運営するサイトWAM NETのページでご確認ください。
 
●ケアプランデータ連携システム利用状況
https://www.wam.go.jp/wamappl/kpdrsys.nsf/top

ケアプランデータ連携システムの利用方法

ケアプランデータ連携システムの利用には、以下のような使用環境の整備や、年間ライセンス料などが必要です。またデータをやりとりする事業所間の双方がシステムを導入する必要があります。


利用するまでの準備

基本的に以下の準備が必要です。

  • ケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフトの導入
  • 電子証明書インストール

  • 介護報酬請求で電子証明書をすでに利用している場合には、電子証明書の申請・取得は不要。電子証明書を利用していない場合は新たに取得

  • ケアプランデータ連携システムクライアントアプリのインストール
  • ライセンスの利用申請
利用開始までのフローはケアプランデータ連携システムのヘルプデスクサポートサイト「ケアプランデータ連携システム導入フロー」で詳しく紹介されています。


システムの利用にかかる費用

  • ケアプランデータ連携システムの利用には1事業所あたり年間21,000円 (税込)のライセンス料が必要
  • ライセンスは1事業所番号ごとの扱い。複数事業所を運営している場合は事業所番号ごとの登録とライセンス料が必要


連携できるデータ

  • 居宅サービス計画書(第1表、第2表)
  • サービス提供表(予定・第6表、第7表)
  • サービス提供表(実績・第6表、第7表)


システムを利用した際の業務フロー
ケアプランデータ連携システムを導入した際のデータのやり取りイメージは以下です。
赤文字の部分がシステムの対応範囲です。

ケアプランデータ連携システムを導入した際のデータのやり取りイメージ

ケアプランデータ連携システムを導入した際のデータのやり取りイメージ

ケアプランデータ連携システムを導入した際のデータのやり取りイメージ

ケアプランデータ連携システムを導入した際のデータのやり取りイメージ

ケアプランデータ連携システムを導入した際のデータのやり取りイメージ

ケアプランデータ連携システムを導入した際のデータのやり取りイメージ

システムを利用する際の注意点

使えるのは1事業所あたり1つのパソコンのみ
ケアプランデータ連携システムをインストールできるのは、1事業所あたり1つのパソコンのみです。同じ事業所内であっても複数台のパソコンにはインストールできないので、複数人が使う際は共有して使用します。

送受信側の両方がインストールしていないと連携できない
送信元の事業所だけがケアプランデータ連携システムを利用していても、受信先の事業所が対応していないとデータ連携ができません。
居宅介護支援事業所と介護サービス提供事業所の事業主が異なる場合でも、両方の事業所がシステムを導入していればデータ連携ができるため、事業所間で足並みをそろえることがスムーズな導入と業務負担軽減の鍵となります。しかし、本格稼働してから間もなく、様子見をしている事業所も多くあるようです。今後、地域・行政が主体となり、システムの周知・導入推進するための取り組みが期待されています。

ケアプランデータ連携システム導入のメリット 

業務負担軽減

ケアプランデータ連携システムを活用すると、実績が自動的に反映されるため書類の作成を効率化でき、転記や確認にかかる時間の短縮や、転記ミスも防げます。また、ペーパーレスでやり取りできることにより書類の保管場所を削減でき、管理のための手間もかかりません。

さらに同じシステム上でデータを授受できることにより、誤送信のリスクを減らし、業務効率の改善、スタッフ様の業務負担軽減が期待できます。

コスト削減につながる

システムの利用には、1事業所あたり年間21,000円 (税込み)のライセンス料が必要です。しかし、一方で削減できる経費も試算されていますのでご紹介いたします。

期待できる費用効果
人件費、印刷費、郵送費、交通費、通信費(FAX)を削減することで、以下の効果を得られると公益社団法人国民健康保険中央会は推計しています。

  • 人件費削減を考慮する場合:約68,000円/月(図1)
  • 人件費削減を考慮しない場合:約6,000円/月(図2)

図1

人件費削減を考慮する場合の図

人件費削減を考慮する場合の図

人件費削減を考慮する場合の図

図2

人件費削減を考慮しない場合の図

人件費削減を考慮しない場合の図

人件費削減を考慮しない場合の図

  • 公益社団法人国民健康保険中央会「ケアプランデータ連携システムについて」を参考に作成
  • 調査研究のアンケート結果から試算した全国平均の見込み金額で、削減費を確約するものではありません

コスト削減による相乗効果を得られる

経費を削減することで、事業所環境の維持・改善費に回せる予算を増やせるようになり、スタッフ様の職場環境の改善にも役立ちます。職場環境が改善されることで新たな人材の確保やスタッフ様の定着率向上も期待できます。

サポートサイトを活用する

ケアプランデータ連携システムの導入を検討している事業所や、導入後に操作方法などがわからない方向けに、公益社団法人 国民健康保険中央会がサポートサイトを公開しています。製品資料やマニュアル、よくある質問、問い合わせフォーム等が設置されています。
システムに関する最新のお知らせも入手できるので使用を検討している際も導入後も役立つサイトです。詳しくはケアプランデータ連携システムヘルプデスクサポートサイトをご確認ください。

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