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コラム

2019年3月26日更新
2020年2月25日更新

入浴時の高齢者のスキンケア 泡洗いの重要性

今回は国立大学法人山形大学 医学部看護学科 基礎看護学講座 教授 片岡ひとみ先生に「入浴時の高齢者のスキンケア 泡洗いの重要性」というテーマで寄稿いただきました。その中から、高齢者の入浴時に適した洗浄と保湿の方法について抜粋してご紹介いたします。

このような方におすすめの内容です。

  • ご利用者様にスキン-テア(皮膚裂傷)を発見したことがある
  • かゆみを訴える方にどうケアしたらいいかわからない
  • 皮膚の構造から理解してスキンケアをしたい

全文はPDFでお読みいただけますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。

泡で洗うことのメリット

皮膚表面の汚れを落とすために、一般的には石けんを使用します。皮膚表面のpHは4~6の弱酸性に保たれています。一方、普通石けんのpHは10前後のため、皮膚には強いアルカリ刺激となります。健常な皮膚の場合、石けんによって一時的にアルカリ性に傾いたとしても、皮膚はすみやかにもとのpHに回復します。しかし、高齢者では、皮膚は元々アルカリ側に傾いており、石けんで洗浄した場合弱酸性に戻りにくい状態です。最近では、弱酸性の洗浄効果をもつ洗浄料が多数販売されています。高齢者のドライスキンには弱酸性の石けんを選択しましょう。

次に洗浄方法にも注意が必要です。皮膚をゴシゴシ擦ると、機械的刺激となり皮膚を損傷する恐れがあります。そこで、「泡で洗う」ことが重要となります。
石けんの主な成分である界面活性剤は、一定濃度(臨界ミセル濃度)になると、汚れを皮膚から引き離し、包み込みます(エマルション)。
つまり、洗浄には臨界ミセル濃度が必要となります。一般的に、石けんは臨界ミセル濃度に達すると泡立ちはじめます。液状石けんや固形石けんを使用する場合には、石けんを泡立てて使用することが重要です。また、泡はクッションの役目をはたしてくれます。界面活性剤の働きで、皮膚表面の汚れを落とすために皮膚をゴシゴシ擦る必要はなく、手のひらに泡をとり洗浄すると泡がクッションとなり、皮膚を優しく洗うことができます。きめの細かい長持ちする泡を用いた洗浄が理想的です。洗浄後は、石けん成分が残らないよう微温湯で石けん成分を洗い流します。

最後に、皮膚を清潔にした後は保湿剤を塗って皮膚を保湿しましょう。脆弱な高齢者の皮膚には、塗りやすく、のばしやすい乳液やローションタイプの保湿剤を選択します。保湿剤を塗る際も優しく皮膚に塗布し、予防的スキンケアを心がけましょう。

泡洗いのイメージ図

引用文献:
1. 一般社団法人創傷・オストミ―・失禁管理学会編:スキンケアガイドブック/皮膚の解剖生理とスキンケアの意義・目的,照林社,2018.4-9,23-24
2. 内藤亜由美、安部正敏編:スキントラブルケアパーフェクトガイド/知的スキンケアのための皮膚の基礎知識,学研,2014,2-34

全文では皮膚の解剖生理から解説しています。
施設内での勉強や啓発にご使用いただけますので、ぜひ下記ページからダウンロードしてください。

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「入浴時の高齢者のスキンケアを考える 泡洗いの重要性」の資料の画像

入浴時の高齢者のスキンケア
-泡洗いの重要性-

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