事例紹介

社会福祉法人 長井弘徳会
介護老人保健施設 リバーヒル長井様
『機能的なおむつと介護スキルの向上で100点満点の排泄ケアを目指す』

リバーヒル長井様について

リバーヒル長井様は山形県長井市にある介護老人保健施設です。「共に創り、共に学び育ち、共に生きる」をモットーに温かく心のこもった介護サービスの提供を目指しています。施設には約120名が入居し、在宅復帰を目指しながら明るく穏やかな日々を過ごしています。

堀さん(左)と金田さん(右)の写真

お話を伺った堀さん(左)と金田さん(右)

今回お話を伺った堀さん、金田さんのご紹介

今回は、リバーヒル長井様に介護士として勤める堀容子さんと金田浩和さんのお二人に、排泄ケアの取り組みや花王プロフェッショナル・サービス(以下KPS)のサポートサービスについてお話を伺いました。お二人はこちらの施設に15年勤めている同期同士で、介護のプロフェッショナルとして活躍されています。
リバーヒル長井様では、一般棟の介護1課と、認知症専門棟の介護2課に分かれてケアを行っています。堀さんは1課配属で、管理主任も兼任されていらっしゃいます。1課の職員様は24名で、入居者様は83名です。金田さんは2課に所属されています。2課の入居者数は37名ですが、普段は入居者様を2つのグループに分け、それぞれ7~8人の職員様でケアにあたっています。

排泄ケアは介護の基本となるもの

 金田さんがインタビューに応えている画像

――排泄ケアで配慮しているポイントを教えてください。

金田さん
大事にしているのは皮膚状況の観察です。おむつ交換という短い時間で皮膚状況に加えて尿や便の性状など、色々なことを注意深く見るようにしています。排泄ケアは、介護に関する多くの情報を収集できる場だと思います。便性状や尿の状態から体調を把握することもありますし、食事や水分量が適切かどうかも見ています。たった一つのおむつから、とても多くの情報を得られるんですよね

――排泄というと、食事をして運動して最後にあるもの……というイメージがありましたが、介護では全ての原点となるものなのですね。皮膚状況に加えて気を付けていることはありますか。

堀さん
個人に合わせたケアを行うよう心がけています。リバーヒル長井では排泄板(排泄記録表)を用意して、「○時に尿が出ました」と個人が報告することで情報共有を図っています。それを踏まえて、「こちらの方は○時にカバーのモレが多いよね、パッドの当て方を変えてみようか」と職員同士で相談して、ご利用者様一人ひとりにベストなケアを模索しています。
 
金田さん
職員が集まり情報交換する場はとても貴重です。2課でも「この人、どうしてもモレちゃうんだよね」という話が出たら、「私はこうしているけど、どうかな」「こうするといいよ」と教え合っています。もちろん勉強の場を設けるときもありますが、日頃の情報交換を大切にしていますね。結局、「1人が気付いただけ」で終わらせては改善につながりません。小さな事柄でも共有することが大切です。情報を見逃すことのないよう、いろいろな視点から観察するようにしています。

堀さん
特に排泄ケアの悩みはご利用者様の快適な生活を妨げるものなので、毎月のように委員会を開いてパッドの見直しなどを検討しています。

――個人に合わせたケアを大切にしていらっしゃるんですね。委員会といえば、リバーヒル長井様には排泄委員会と衛生委員会があると伺いました。委員会ではどんな議題が取り上げられますか?

堀さん
やはり排泄ケアに関するものが多いですね。おむつに対する職員一人ひとりの意識も、年々高まっていると感じます。例えば、パッドの変更があった場合は必ず委員会で報告があります。排泄パターン表に変更部分を色分けし、「変更した時間帯は特に排尿の状況に注目しなければならない」と伝えて情報を共有するなど……委員会での情報発信が積極的になりましたね。また、コスト削減の話が議題になることも増えました。最近だと、個人に合ったおむつを使用することで無駄なおむつ交換が減り、経費削減につながった例もあります。

ニオイ削減により、快適な環境を実現し業務もスムーズに

堀さんがインタビューに応えている画像

――リバーヒル長井様ではリニューアルした「リリーフ 病院施設用」※1を使用していますが、切り替えてから変化はありましたか?
※1 改良により、抗菌消臭効果がさらに向上。2016年10月花王出荷開始。
 
堀さん
「強いニオイが和らいだ」という印象が大きいですね。薬の副作用など、どうしても尿臭が強くなることもあるのですが、そのニオイが前ほどきつくないなと感じました。
 
――ニオイが減ったことによるメリットや、業務負担の軽減などはあるでしょうか?
 
金田さん
食堂などでニオイが気になるケースも減ったと思います。いままでは食堂やロビーでニオイがあると「臭うのは分かるけど誰のおむつかな……」という状態でした。でも今は、ご利用者様の側に行くとようやく分かるレベルまでニオイが抑えられています。フロアにニオイが広がることもなく、ストレスが減ったので、気持ちにも余裕が生まれましたね。

――ニオイの問題はご利用者様、職員様双方にとって大きな問題です。今まで施設様で取り組んできたニオイ対策などはありますか?
 

堀さん
 大切なご利用者様が過ごす施設なので、「施設がにおう」という状態は避けたいと考えてきました。そのため、ニオイの問題にはかなり積極的に取り組んでいます。具体的には(汚物の入った)袋の縛り方を工夫する、換気をこまめに行なうなどがありますね。シーツや寝具も、汚れたらすぐ交換しています。
 
――それでは、ご利用者様は「リリーフ 病院施設用」についてどんな感想や意見をお持ちですか?

金田さん
おむつ交換の際に、「ぬっちぇねぇからすてんたてぃ(※2濡れてないから捨てないでいい)」とおっしゃる方は多いですよ。あと「だってくない(※3不快じゃない、汚れていない)」から替えなくていい、とかですね。おむつを覗いてみると排尿があるのですが、濡れて不快だという声はあまり聞きません。

  • ※2
    ぬっちゃ……山形弁で「濡れた」
  • ※3
    だって……山形弁で「(気分的に)嫌な」 

堀さん
私も濡れて嫌だという声はあまり聞きません。おむつの水含みが良いんでしょうか。ご利用者様の排尿があっても、比較的サラサラしているんです。ほかのメーカーさんからもらったサンプルと比べても、水分の戻り方や広がり方が違うな、と私は思います。通気性も良いので、皮膚の弱い方にも安心して使えるという部分はありますね。
 
金田さん
「誰があててもモレにくいおむつ」はありがたいですね。そこに職員の技術が伴えば、100点満点といわれるようなケアに近付けるのではないかと思います。
 
――おむつの性能を最大限に生かす技術も重要だということがわかりました。普段からケア意識の高いみなさまが「リリーフ」を使ってくださっているのですね。それでは職員様の手技統一に向けた取り組みや勉強会などは行っていますか?

堀さん
介護1課ではKPSさんに指導してもらい、おむつの当て方講習会を行いました。ちょうど新人さんが入ったタイミングだったので、KPSさんから「おしりちゃん」と呼んでいるお尻の形をした風船モデルをお借りして、排泄の基礎から学びました。おむつ独特の感触や不快感を体験してほしかったので、おむつを実際に装着してもらうワークショップも取り入れたんです。
また、おむつとは話が逸れますが、やはりKPSさんに支援いただいて、衛生管理を中心とした勉強会も行いました。それまでも勉強会や啓発活動はやっていて、手指衛生には力を入れていたのですが、施設の設備等の衛生管理については「衛生管理をしたつもり」になっている部分もあり、プロからの指導が衛生管理への意識を改める機会になりましたね。

職員のスキルアップを図り、ご利用者様の生活を充実させたい

笑顔の堀さんと金田さんの画像

――排泄ケアに限らず、さまざまな勉強会や改善活動に取り組まれているんですね。介護職は大変なことも多い仕事だと思いますが、どんなときにやりがいを感じますか?
 
堀さん
年配の方が多くコミュニケーションが難しい場合もある中で、「あなたがいて良かった」と感謝の言葉をいただくと、また明日も頑張ろうと思えます。ご利用者様の家族に近い存在になって、安心して過ごせる時間を提供したいと思います。
 
金田さん
私は、人と話すのが本当に好きなんです。ご利用者様には排泄ケアや介助が必要な方も多ですが、この仕事は「楽しくお話をすること」が仕事という部分もあるので、私からすれば天職という感じです。
 
――人とのコミュニケーションから得られることがとても大きいんですね。最後に、お二人の今後の目標を伺ってもよろしいですか。
 
堀さん
管理主任ということもありますが、やはり新人の育成や職員のスキルアップには今後も取り組んでいきたいです。職員のスキルに差が出ないように、全員が一定レベル以上のケアを提供できるようになれば、ご利用者様の生活をもっと充実したものにできるのではと思います。
 
金田さん
私は、ご利用者様がゆとりある生活を送れるように、そして自分たちがゆとりある援助を行えるように、介護職のソフト面を充実させて、利用者の方と関わる時間をもっと持てる環境にしていきたいです。
 

――介護現場や排泄ケアについての工夫など、興味深いお話をたくさん伺うことができました。ありがとうございました。

取材:2017年7月

法人名:社会福祉法人 長井弘徳会
事業所:介護老人保健施設 リバーヒル長井
住所:山形県長井市寺泉3525-1
電話/FAX:0238-84-7575/0238-84-7718
法人理念:共に創り、共に学び育ち、共に生きる
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当法人は、介護老人保健施設リバーヒル長井をはじめ、特別養護老人ホームやグループホーム等、市内に16の事業所を展開しています。地域の皆様に支えられ、昨年度には法人設立20周年を迎えることができました。次の世代に良きバトンが渡せるよう、トータルケアサービスを通じて、これからも地域の皆様と共に歩んでいきます。

社会福祉法人 長井弘徳会 介護老人保健施設 リバーヒル長井様の外観の写真

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