見当識障害
けんとうしきしょうがい
見当識とは現在の時間や場所、人、周囲の状況などを総合的に判断して今置かれている状況を理解する能力で、見当識障害とはその能力が欠如することを指します。見当識障害は認知症や脳の器質性疾患によって現れます。認知症において見当識障害は、脳の細胞が壊れることが直接の原因となって起こる「中核症状」の一つで、記憶障害と並んで早期に現れる障害です。
見当識障害の症状
見当識障害になると、時間、場所、周囲の人との関係性などが分からなくなります。認知症では、時間・場所・周囲の人との関係性の順に症状が進行することが一般的です。
時間が分からない
時間に関する見当識が弱まると、予定の時間に合わせて準備することや約束の時間を守ることなどができなくなります。さらに悪化すると日付や季節、年次についても分からなくなり、「今日は何日か」と何度も質問する、季節感のない服を着る、自分の年齢が分からないといった症状が現れます。
場所が分からない
場所に関する見当識が弱まると、方向感覚が薄まり近所で迷子になったり、夜にトイレの場所が分からなくなったりします。また、歩いては行けないような距離でも歩いて出かけようとする場合もあります。
周囲の人との関係性が分からない
認知症の進行によって過去の記憶が失われる段階になると、人の生死や周囲の人との関係性が分からなくなります。例えば、自分の娘を母や姉、叔母と呼んだり、亡くなった親に会うために実家に帰ろうとしたりします。
見当識障害のあるご利用者様との関わり方
見当識障害があるご利用者様とコミュニケーションを取るときは、「今日は2月11日、建国記念日ですね」「冬至が過ぎたので、だんだん昼の時間が長くなりますね」など、時間や日付、季節に関する会話を心がけると良いです。
また、居室に思い出の品や気に入っている物を置くとご利用者様が施設に対して「ここは安心できる場所だ」と認識しやすくなります。ご利用者様が自分の年齢や周囲の人との人間関係などを勘違いしていても「それは違いますよ」と否定せず、まずご利用者様の話を聞くことが大切です。
引用・参考文献:
厚生労働省「政策レポート(認知症を理解する)」
国立長寿医療研究センター「認知症・せん妄サポートチームマニュアル(2016年度版)」
健康長寿ネット「認知症の中核症状」
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