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コラム

2017年8月24日更新

ムリ・ムダのない排泄ケア①

「とにかく忙しい…」というとき、排泄ケアを見直してみるのはいかがでしょうか?当たり前と思っていたケアに、実は「ムリ」が生じている部分があるかもしれません。今回は、排泄ケアを改めて振り返ってみましょう。

 
人手が足りない原因はどこにある?

排泄ケアについてスタッフ様にお話をうかがうと、「私たちの施設では、2時間おきにおむつチェックやトイレ誘導を行っています」とお答えいただくことがあります。こちらの施設様は、確かに手厚い排泄ケアを行っているという自信に満ち溢れていらっしゃいました。
一方で、業務上の課題を尋ねてみると、排泄ケアで困っていることもたくさん出てきます。
例えば、「人手が足りない」「とにかく業務に追われ余裕がない」「スタッフが少ない夜間はおむつチェックが大変」「ご利用者様によってはモレが発生して、更衣が必要になり忙しい」など……。

仕事に追われ、ご利用者様と向き合うという本来のケアに時間を割けなくなっているようです。問題の原因はどこにあるのでしょうか。

↓

ご利用者様一人ひとりの排泄状況に合わせたケアが必要
特に夜間は良質な睡眠の確保がQOL向上につながる

解決策(一例)
ご利用者様一人ひとりの夜間の排尿量にあった尿とりパッドを選び、朝のお目覚めの時間までの交換を控える

 
頻回のおむつチェックが「ムリ」を招く

ここで確認すべきは、排泄ケアがご利用者様一人ひとりの排泄状況に合わせたものでなく、スタッフ様の都合に合わせたケアになっていないか、という点です。
まずは2時間おきに行われるおむつチェックやトイレ誘導に着目してみましょう。ご利用者様が本当に2時間おきのケアを必要としているか、汚れたおむつを交換する、という排泄物の処理業務になっていないか、一度立ち止まって考える必要があるかもしれません。
 
また、ご利用者様の立場になって排泄ケアを見直してみてはいかがでしょうか? 就寝中、2時間おきにおむつを開けられたら、ご利用者様もゆっくりと休むことができません。昼夜逆転を招かないように夜間は、しっかりと睡眠時間を確保することが大切です。これはご利用者様のQOL向上にもつながります。

 
ご利用者様・スタッフ様双方に「ムリ」のない排泄ケアとは

このケースの場合、忙しさの原因は「2時間おきのおむつチェック」にあると分かりました。それでは、スタッフ様の頑張りをムダにしないためにはどうしたらよいでしょうか。
夜間はスタッフ様が少ないという事情もありますから、ご利用様一人ひとりの夜間の排尿量にあった尿とりパッドを選び、朝のお目覚めの時間まで交換を控えることがポイントになります。夜間のおむつチェックの回数を減らすことでご利用者様の睡眠時間を確保できるだけでなく、スタッフ様の負担も軽減できますから、双方にとってムリ・ムダのないケアになるのではと思います。
 
次回は、「ムリ・ムダのない排泄ケア②」として、ご利用者様の排尿状況を知り、おむつムダなくご利用いただくための方法をご紹介します。

執筆:花王プロフェッショナル業務改善ナビ【介護施設】編集部

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