2018年1月24日更新
手洗いとハンドケア
手荒れが気になる季節になりました。介護スタッフのみなさまの中にも、手荒れがひどくて悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
介護スタッフのみなさまのお仕事は、水仕事も多く、衛生管理のための手洗いや消毒も頻回に行わなければならないお仕事です。否が応でも手荒れしやすい状況にあると言えます。
また、ケアの現場においては、ご利用者様の手足に触れたり、手を握ったりするなど、スタッフのみなさまの手を通したコミュニケーションが、安心感を与えたり信頼関係を作るのにはとても大切なことだと思います。手荒れのない手で、ご利用者様とも触れ合いたいものです。
今回は、手荒れの原因、手荒れによるリスク、手荒れの対処法などについて紹介します。
手荒れが起きる原因は?
手荒れを起こす2大要素は「物理的刺激」と「化学的刺激」です。
「物理的刺激」とは、頻回な手洗い、入浴介助、食事介助などの水仕事やおむつ交換、寝具のケアや着替えを介助したりと紙や布類に触れることが刺激となっています。
「化学的刺激」とは、手洗いの際に使用する洗浄料、入浴介助の時に使用するシャンプーや全身洗浄料、手の消毒に頻回に使用するアルコール等による刺激です。
これらの刺激の頻度が高くなると、手肌のバリア機能が低下している時だけでなく、健康な時でさえも手肌にトラブルを起こしてしまうことがあります。
特に冬は気温が下がり、湿度も低くなるので、肌が乾燥しやすく肌表面での水分の蒸散を防ぐ皮脂の分泌も少なくなります。さらに汗をかかないので肌表面に水分が補われないため、バリア機能が低下しやすくなります。バリア機能の低下した肌は、刺激を受けやすく手荒れが起こりやすい状態になってしまいます。
手荒れの悪化は感染対策にも影響
手荒れは一般的に、「乾燥→ひび割れ→指紋がうすくなる→赤く炎症→湿疹・かゆみ」と悪化していきます。
手荒れがひどい場合、手洗いをする時・アルコール消毒をする時にしみて「痛い!」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここまでひどい手荒れになってしまうと、どうしても手洗いや消毒といった手指衛生の実践に消極的になってしまいがちです。ただ、感染対策は「手洗いに始まり手洗いに終わる」とまで言われますから、手荒れを改善し手指衛生を実践できる状況にする必要があります。
ただ、ハンドクリームを塗るなどをしてもなかなか改善しない手荒れもあります。手荒れした手指には、多くの場合黄色ブドウ球菌が存在し、さらにバイオフィルムというものを形成していることがあります。このバイオフィルムは、殺菌剤やアルコールなどで殺菌・消毒してもその効果を阻害してしまいますので、黄色ブドウ球菌が手指に常在化してしまうということになりかねません。
手荒れが悪化している状況ですと、黄色ブドウ球菌が生成する毒素が「刺激」となり更に手指の荒れを悪化させてしまうという悪循環がおこっている可能性があります。
また、殺菌・消毒剤の効果がバイオフィルムによって阻害されてしまうので、手指に付着した菌やウィルスなどが手指を介して伝播する可能性も大きくなります。
手肌を健康に保つことが、介護スタッフのみなさま御自身を感染リスクから守り、施設内での感染を防ぐことにもつながります。
最近では、皮ふ上に常在化する黄色ブドウ球菌のバイオフィルムに注目した研究やその除去技術に関する報告※もあります。
手荒れを防ぎ、健康な手を保つためには?
手荒れを防ぐには、手荒れの原因となる環境や刺激を避けること、そしてハンドケアをすることです。
「化学的刺激」や「物理的刺激」から手指を守るために、清掃や水仕事をする時には、ゴム手袋をして直接水や洗剤などに触れないようにします。
肌が敏感な方は、ゴム手袋の下に綿の手袋をすることもおすすめです。
また、ハンドケアは水仕事の後、手を洗った後のタイミングで、水分をしっかりふき取り、「セラミド機能成分」などの保湿成分が配合されているローションやクリームで潤いを補充し、弱くなった手肌のバリア機能をケアします。
仕事中はすぐに作業にとりかかれるように、べたつきが少なく香りのないローションタイプを、仕事終わりや入浴後にはクリームタイプを使用してマッサージすることをおすすめします。
ハンドケアの方法はポスターもご用意しておりますので、スタッフ様全員で取り組まれてはいかがでしょうか。
下記から「ハンドクリームの使用方法ポスター」をダウンロードできます。
ぜひご活用ください。
執筆:花王プロフェッショナル業務改善ナビ【介護施設】編集部
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