2021年1月26日更新
育成・指導時の客観的視点が養われる「アセッサー講習」とは?
「アセッサー講習」とは、「介護プロフェッショナルキャリア段位制度(※)」を実施するために必要な「アセッサー」の養成を目的に行われる講習です。介護スタッフの育成・指導時に求められる客観的視点を養えることから、同講習を受講すれば、より一層、育成・指導力が向上するかもしれません。
今回は、介護スタッフの育成・指導について悩んでいる介護リーダー様に向けて、アセッサー講習の内容や受講要件、費用などをご紹介します。キャリア段位制度についてご興味のある方もぜひご覧ください。
そもそもアセッサーとは?
アセッサーは直訳すると「評価・査定を行う人」、介護プロフェッショナルキャリア段位制度におけるアセッサーもその意味の通り、自施設で働く介護スタッフの実践スキルを客観的に評価する人を指します。同制度には「評価基準」が用意されており、アセッサーはそれに基づいて実践スキルを評価します。
また、評価結果をもとに被評価者(介護スタッフ)が「できていないこと」を「できる」ようになるまで育成・指導も行います。これらのことから、アセッサーは介護スタッフのスキルアップを推進・支援する現場の指導者としての役割を有しているといえます。
アセッサーとしての職務を行うには、アセッサー講習の受講が必須です。所定の講習を受講し、トライアル課題の提出を行い、確認テストに合格すると、「講習修了証」が授与されます。
アセッサー講習とは?
アセッサー講習では、「実践スキルの評価方法」や「OJTツールとしての介護プロフェッショナルキャリア段位制度の活用方法」を学びます。令和2年度アセッサー講習内容は「アセッサー講習テキストによる自主学習」「eラーニングによる学習」「トライアル評価による学習」で構成され、最後に「確認テスト」をeラーニング上で受験します。
かつては各地域で講師を招いて行う集合講習も実施されていましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、本記事公開時点では、集合講習を含むすべての講習がeラーニング化されています。
アセッサー講習を受けるメリット
介護スタッフの育成・指導に携わっている方の中には、自身の経験値や感覚に頼ってケアを実践してきたため、「感覚的なアドバイスをしてしまった」という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。アセッサー講習の受講は、「根拠に基づいたケア」を行うにあたり必要な能力の理解を深める機会となるため、育成・指導時に求められる「客観的視点」の醸成につながります。
アセッサー講習で学ぶ「介護技術評価基準」は、科学的根拠を基に国で整理された全国共通の「ものさし」といえるものです。介護技術評価基準に示された内容を理解することで、それまでの育成・指導に説得力を持たせることが期待できます。なお、介護技術評価基準には「基本介護技術」「利用者視点での評価」「地域包括ケアシステム&リーダーシップ」に関する具体的なチェック項目が148個まとめられているため、介護現場で求められる能力を体系的に学習することが可能です。
アセッサー講習の受講者の声
一般社団法人シルバーサービス振興会が公表している「評価者(アセッサー)数統計」によれば、介護プロフェッショナルキャリア段位制度に登録されているアセッサーは令和2年3月時点で2万5,115名です。以下に、アセッサー講習を受講された方の声をまとめました。
【講習受講者の声】
アセッサー講習の内容・受講要件・費用
ここでは、アセッサー講習の内容と受講要件、費用をご紹介します。
アセッサー講習の内容
以下、介護プロフェッショナルキャリア段位制度のサイトで公表されている「令和2年度のアセッサー講習のご案内」を簡単にまとめました。
【令和2年度 アセッサー講習の内容】
(1)アセッサー講習テキストによる自主学習
「介護プロフェッショナルキャリア段位制度 アセッサー講習」指定のテキストを読み込む。
<テキスト章立て>
第Ⅰ章 介護キャリア段位制度の概要
第Ⅱ章 アセッサーの役割と評価の手順
第Ⅲ章 介護キャリア段位制度による「できる(実践的スキル)」の評価
第Ⅳ章 介護キャリア段位制度を活用したOJTの推進
(2)eラーニングによる学習
eラーニング(動画講義)で「キャリア段位制度」「評価項目」「評価方法」について学ぶ。
<主なカリキュラム(予定)>
(3)トライアル評価による学習
自施設で働く介護スタッフを対象にトライアル評価を行った後、実施したトライアル評価結果と考察結果につき、レポートを作成する。
(4)確認テスト
アセッサー講習で学習した内容の理解度を確認するため、eラーニング上でテストを受験する。
アセッサー講習の受講要件
令和2年度のアセッサー講習を受講するには、以下の1~5のいずれかの要件を満たす必要があります。
【アセッサー講習受講要件】
1.介護キャリア段位レベル4以上の方
2.介護福祉士として3年以上実務に従事した経験があり、かつ、介護福祉士実習指導者講習会を修了した方
(介護福祉士養成実習施設実習指導者Ⅱの要件を満たす方)
3.実技試験に係る介護福祉士試験委員の要件に該当している方。具体的には、以下のいずれかに該当する方
(1)介護福祉士、保健師、助産師又は看護師の資格を得た後10年以上実務に従事した経験等を有する方
(2)介護福祉士養成施設等(社会福祉士及び介護福祉士法第39条第1号から第3号までに規定する学校又は養成施設)において介護の領域の科目を5年以上教授又は指導した経験を有する方
4.介護福祉士、保健師、助産師又は看護師の資格を得た後5年以上実務に従事した経験等を有し、介護技術講習指導者養成講習を修了した方(介護技術講習指導者の指導者の要件を満たす方)
5.サービス提供責任者、主任等(チームやユニットを管理・運営し、部下に対して指導・助言を行う役職に就いている方)又は介護部門のリーダー(課長(係長)、フロアリーダー等)
受講費用
令和2年度のアセッサー講習にかかる費用は2万3,230円(税込)で、内訳は以下の通りです。
【アセッサー講習受講費用の内訳】
最後に
一般社団法人シルバーサービス振興会が公表している「介護プロフェッショナルキャリア段位制度 令和2年度 アセッサー講習要項」によると、アセッサー講習受講の申し込みは介護施設の管理者や責任者を介して行うよう示されています。アセッサー講習にご興味のある方は、まず管理者や責任者に相談ください。
なお、アセッサー講習は地域医療介護総合確保基金の対象事業です。自治体によってはアセッサー講習の受講料などに対して補助金が支給されるため、自施設が支給対象かどうか一度確認してはいかがでしょうか。補助金が出る自治体については、一般社団法人シルバーサービス振興会のウェブサイトにまとめられています。自治体によって補助金額や支給条件、申請方法などが異なるため、くわしくは各自治体にお問い合わせください。
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