介護現場の用語集

2022年9月26日公開

IADL(手段的日常生活動作)

あいえーでぃーえる(しゅだんてきにちじょうせいかつどうさ)

IADLとはInstrumental Activities of Daily Livingの略称で、日本語では「手段的日常生活動作(手段的ADL)」といわれます。ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)よりも複雑な日常生活動作のことを指します。IADLは、ADLよりも前段階の日常生活の障害を示しており、IADLの低下が起こってから、次にADLの障害が起こります。そのため、近年、医療や介護の現場ではADLだけでなくIADLの維持や低下の予防についても注目されています。ご利用者様のQOLの維持・向上、自立において、IADLの維持は重要です。

IADLとADLの違い

ADLとは、着替え・排泄・食事など、日常生活を送るために最低限必要な動作のことです。日常生活で必要なこれらの動作をご利用者様自身が行い、自立した生活を送れるかを判断する際に必要な指標として利用されています。

一方で、IADLとは、ADLよりも複雑で高度な判断を必要とする日常生活動作のことを指します。例えば、食事に関して、ADLは食事をとることのみを指しているのに対し、IADLでは、献立を考えて買い物をして調理する、皿に盛り付け食卓に並べる、食後の洗い物をするなどの動作を含みます。

IADLには、計算力や判断力、記憶力など複雑な認知能力が必要です。

IADLの評価方法

IADLを評価する方法の1つに、IADLの発案者であるアメリカの心理学者、パウエル・ロートンらが開発した「Lawtonの尺度」があります。これは高齢者専用の評価方法であり、次の8つの項目それぞれを採点します。

手段的日常生活動作(IADL)尺度

手段的日常生活動作(IADL)尺度

手段的日常生活動作(IADL)尺度

参考資料:一般社団法人日本老年医学会「手段的日常生活動作(IADL)尺度」
原典では、男性の場合「食事の支度」「家事」「洗濯」の項目は対象外となっていたが、現在では男性についても8項目で評価することが推奨される。

これらの項目のうち、できるものを1点、できないものを0点として採点します。トータルの点数が高いほど、自立していることを表しています。

IADLの低下を防ぐには

IADLの低下を防ぐには、栄養バランスのよい食事やストレッチ・ウォーキングといった適度な運動によって、筋力の低下や骨の強さを保つことが大切です。加えて、認知機能の維持のために、2つのことを同時にこなすデュアルタスクの実施を日常から心がけることも大切です。

日常のケアにおいては、ご利用者様が行えることは自身で行っていただくようにし、サポートのしすぎに注意しましょう。

また、自宅を生活しやすくリフォームすることもIADLの低下防止につながります。トイレや浴室に手すりをつける、開き扉を引き戸に変えるといったリフォームで、行動しやすくなります。介護保険制度を活用できるケースもあるため、ケアマネジャーに相談してみると良いでしょう。

参考:
厚生労働省「健康日本21(総論) 総論参考資料
一般社団法人日本老年医学会「手段的日常生活動作(IADL)尺度

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