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介護現場の用語集

2022年5月25日公開

ロコモティブシンドローム

ろこもてぃぶしんどろーむ

ロコモティブシンドロームとは、骨や筋肉、関節など運動器の障害によって、移動機能の低下をきたした状態のことです。英語で移動することを表す「ロコモーション(locomotion)」、移動するための能力があることを表す「ロコモティブ(locomotive)」からつくられた言葉で、公益社団法人日本整形外科学会が提唱しました。和名は「運動器症候群」と言われます。ロコモティブシンドロームになると、立つ・歩くといった動作が困難になり、日常生活の自立度が下がります。これにより、要支援や要介護の認定を受ける高齢者が多くいます。

ロコモティブシンドロームの原因

ロコモティブシンドロームの主な原因には、運動器疾患の発症と加齢による運動器の機能低下の2つがあります。

運動器の障害

骨折や関節の病気などの発症を契機に痛みや不調から身体を動かすことが難しくなり、その結果ロコモティブシンドロームに陥るケースがあります。

加齢による運動器の機能低下

加齢による骨や筋肉の量の低下も原因の一つです。骨や筋肉の減少で移動機能が低下すると、立つ、歩く、座るといった日常の動作に支障をきたすようになります。これにより運動量が低下し、ロコモティブシンドロームになる可能性があります。

ロコモティブシンドロームの状態とは

ロコモティブシンドロームになると、日常生活において身体を動かすことが難しくなります。次の状態に一つでもあてはまる場合、ロコモティブシンドロームの疑いがあります。

  • 片足立ちで靴下が履けない
  • 家の中でつまずいたりすべったりする
  • 階段を上るのに手すりが必要
  • 掃除機の使用、布団の上げ下ろしなどやや重い家の仕事が難しい
  • 2kg程度の買い物をして持ち帰ることが難しい
  • 15分くらい続けて歩くことができない
  • 横断歩道を青信号で渡りきれない

ロコモティブシンドロームの予防には、運動器疾患を含めた疾患の予防や治療、移動機能低下を防ぐためのトレーニングの実施や栄養状態の改善などが重要です。また、加齢によって移動機能は低下するため、エレベーターを使わずに階段を使うようにする、歩く頻度や時間を増やすなど日常生活の中で運動習慣を持つように心がけると予防につながります。

参考:
日本整形外科学会:ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト ロコモオンライン

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