介護現場の用語集

サルコペニア

さるこぺにあ

サルコペニアとは、加齢に伴って起こる筋肉量の減少や筋力の低下のことです。65歳以上の高齢者のうち約15%がサルコペニアであると考えられており、要介護状態の前段階であるフレイルになる原因の一つでもあります。サルコペニアになると徐々に「立ち上がる」「歩く」といった日常生活で必要な基本動作が難しくなるため、筋力・筋肉量を向上させる対策を早期に取ることが重要です。

サルコペニアの原因と症状

サルコペニアは、以下のような、加齢に伴うさまざまな身体の変化によって起こります。

  • 運動量の減少
  • 栄養不良
  • ホルモンの減少
  • 酸化ストレス
  • 慢性的な炎症
  • 神経系の問題

サルコペニアになると「重たい荷物を持ちにくくなる」「頻繁につまづく」「立ち上がるときに手をつく」などの症状が見られるようになります。これらの症状を放置すると歩行困難になり活動能力が低下する恐れがあるため、「筋肉量増加・筋力向上」「適切な栄養摂取」といった日々の習慣で改善できることから早期に取り組むことが大切です。

サルコペニアを改善するためには

サルコペニアを改善するためには、まず筋力・筋肉量を増やすことが重要です。筋肉は身体の中で合成と分解を繰り返しており、高齢になると、身体で作られる筋肉量が減少して破壊される量が増えます。若い頃のように日常生活を送っているだけでは筋肉量を維持することはできないため、筋力・筋肉量を増やすレジスタンス運動(いわゆる筋トレと呼ばれる、運動強度が大きいトレーニング)を意識的に行うことが必要です。 
 
またサルコペニア対策として、運動だけでなく、筋肉を作る上で欠かせない栄養素であるたんぱく質を摂取することも大切です。1日の摂取量の目安は体重1kgあたり1.2~1.5g(体重50kgであれば60~75g)とされていますので、主食や副菜などとのバランスを考えながら積極的に摂取することが重要になります。

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