コラム

2019年9月17日更新

スタッフ様のモチベーションを高める工夫とは

著者プロフィール一色秀志(いっしき・ひでし)
キャリアコンサルタント NLPマスタープラクティショナー
研修コンサルティング会社勤務を経て、2009年にプライマリーに入社。介護施設での現場勤務を経験した後、2010年より現職。プライマリーグループの施設運営ノウハウをベースにしながらスタッフが辞めない職場作り・新規施設立ち上げ支援・福祉施設向けリーダー研修等を行う。合計100社以上の介護施設との関わりの中で、スタッフが充実感を味わえる職場作りを経営者・現場管理者と共に行っている。

株式会社プライマリーコンサルティングHP https://www.primaryconsulting.co.jp/
電話番号:0277-46-6565
Eメールアドレス:primary.h.isshiki@p1129.jp

介護福祉施設に特化したコンサルティング業務を行っている、プライマリーコンサルティングの一色です。今回は「スタッフ様のモチベーションを高めるためにリーダーが実践できる工夫」という観点で、私どもの考え方や取り組み事例をご紹介します。
 
まず、現状の介護業界は私が言うまでもなく、今までにない「人材不足」が深刻な課題となっています。「人手不足倒産」が増え始め、これから益々深刻な問題となっていきます。
 
そんな時代だからこそ、今働いているスタッフ様が、まずは辞めずに、そして今まで以上に能力を発揮し、生産性の高い仕事を行ってもらうことが、リーダーにとって非常に重要なことではないでしょうか?
 
そのために必要なことの一つが、今回のテーマである働くスタッフ様のモチベーション=意欲・やる気です。

モチベーションマネジメントが必要な理由

こんな話があります。

経験も知識も豊富で、介護に関する資格もあるのに、いかんせん仕事へのやる気があまり感じられないスタッフがうちにいます。言われたことはやってくれるのですが、それ以上のことはやりたがりません。

一方で、このようなケースもあります。

毎日、楽しそうに笑顔で働いてくれているうちのスタッフがいます。未経験で採用したので、ミスをすることもありますが、しっかり反省し、改善点を見つけ成長しています。他のスタッフや利用者様からも大人気です。

みなさまは、2人のうちどちらと一緒に働きたいですか?
そして、どちらが施設にとって良い人材だと思いますか?
「人材育成=知識や技術を教えること」だと考えている管理者の方は多いですが、それ以上に、どのようにしてスタッフ様の意欲(モチベーション)を引き出し、やりがいを感じてもらえる職場を作るか?が人材育成にとって重要なことではないでしょうか?

モチベーションマネジメントの効果

モチベーションマネジメントができるようになると、人材が定着します。今の職場で働いていて意欲がある人の多くは、離職することはありません。

そして、これまでリーダーが指示を出さないとやってくれなかったことを率先して行ってくれるようになったり、スタッフ様から新しいサービスや改善策を提案してくれるようになったります。
 
これは、どのリーダーにとっても理想の状態と言えるのではないでしょうか?
もちろん、その結果、ご利用者様へのサービス向上に繋がるのは言うまでもありません。

モチベーションを高める具体的な方法

それでは、ここからはモチベーションを高め・維持・向上させる工夫を具体的にご紹介していきます。株式会社プライマリーコンサルティングはグループ会社で介護施設を運営し、それをベースにした他企業へのコンサルティング・研修を行っておりますので、現場で実践可能な事例です。

まずは、仕事においてモチベーションが高まるのはどんな時か?を考えてみましょう。今回は代表的な2つのポイントをご紹介します。

【ポイント】
①安心・安全な場(職場)で働いている時
②誰かに言われた目標ではなく、自分事の目標を持って行動している時

①安心・安全な職場で働いている時

これは、職場の風土・スタッフ間の関係性によります。多くのスタッフ様は介護の仕事に希望・目標を持ち飛び込んできますが、働き始めると、やる気をなくしてしまうことがあります。その原因の一つは、職場の雰囲気、先輩・同僚・上司との関係性です。

人は、安心・安全を求めて生きています。ですから、不安や恐れを感じる機会が多くなると、その職場には居づらくなります。そして、自分を守る(心を閉じる)ことに意識が向き、積極的・前向きな思考は持ちづらくなるのです。このことをまずは、リーダーが充分理解しておく必要があります。

具体的には、リーダーがスタッフ様に対して「承認」「褒める」「励ます」といった行動を行っていくことが大切です。マズローの欲求5段階説にもあるように、私たちには承認の欲求があります。「自分という存在を認めてほしい」という欲求です。この欲求が満たされていないと、私たちは不安や恐れを感じやすくなるのです。

まずはリーダー自らが「励まし」や「承認」の姿勢をもって、スタッフ様に対して「あなたは施設において大切な存在です」という気持ちで関わることが重要です。そのような気持ちから出てくる行動は、「○○さん、今日も一日お疲れ様でした」「〇〇さん、あの仕事やっておいてくれてありがとう」「今日のレク、利用者さんすごく喜んでいたね」という言葉がけや、スタッフ様の声に耳を傾ける「傾聴」、スタッフの想いを理解して関わる「共感」ではないでしょうか?
 
このような関わりが当たり前の施設になると、スタッフ様の承認の欲求が満たされ、職場が居心地の良い場になるのです。そうなると、スタッフ様は「安心・安全」を感じ、前向きになりやすくなるのです。
 
これらの考え方や技術は、対人支援のプロであるみなさまは今までも充分学んでいるはずです。それをスタッフ様にも行っていきましょう。そのリーダーの姿勢が職場の基準になり、周りのスタッフで影響を受ける人も出てきます。
 
そして、その逆もしかり。離職率の高い職場の特徴、スタッフ様のモチベーションが低い職場の特徴は、リーダーが部下に関心がなく、「承認」の逆である「否定」の関わりを頻繁に行っています。定期的に、自分自身のスタッフ様との関わりを見直してみましょう。

②自分自身の目標を持って行動している時

人は自分がやりたいと思ったことがあり、そこに向かって行動している時に、最も能力を発揮しやすくなります。

例えば、ラーメン店に開店前から並ぶ人々、ゲームに熱中する子供、みんなものすごいモチベーションだと思いませんか?
反対に、仕事に意欲を持てない人は自分事の目標を持っていないのです。ここをリーダーが一緒に考え、明確にしてあげるだけで、人はやる気になる可能性があります。

ただ、1人で仕事における自分事の目標を持てるか?というと、多くの人は難しいのです。そもそも日本人は「目標=誰かに与えられて、やらなければならないもの」というイメージを持っている人も少なくありません。ですから、リーダーの関わりが重要です。例えば以下のようなステップでスタッフ様の目標(やりたいこと)を引き出します。

リーダー:

私たちの職場では「ご利用者様の意欲を引き出すこと」を大切にしているのだけど、そのためにどんなことをやるべきか一緒に考えてほしいんだよね。何かやってみたいことある?

部下:

意欲を引き出すことですか……?
いきなり言われても出てこないですね。

リーダー:

そうか。例えばなんだけど、Aさんは以前、グランドゴルフをやっていて、その時の様子を楽しそうによく話していたよね。施設に通うようになってから「やる機会がなくなってきて残念」と寂しそうにしていたよね。今度、施設のサービスの一環として、まずは施設内でグランドゴルフをやってみるとか?

部下:

なるほど、そういうことですね。それはAさんも喜びそうですし、楽しんでもらえそうです。そういえば、Bさんも以前グランドゴルフをやっていたみたいです。機能訓練の一環になるかもしれませんから、やってみたいですね。

リーダー:

じゃあ、来月からスタートする方向で、準備を進めようか。この企画の担当として、私もサポートするから一緒にやってみない?

このような流れで、スタッフ様と一緒に、スタッフ様の自分事となる目標を一緒に考えます。その目標を実現させるための行動をリーダーがサポートするのです。そして、それが形になった時は、ぜひ部下を承認してあげてください。もしうまくいかなくても、「これからどうしたらいい?」「次はどうしようか?」という姿勢で継続的に関わります。

リーダーからの指示命令が当たり前で、自分たちで考えて何かをするということがない職場では、人はモチベーションが上がりづらいのです。スタッフ様の成長にも繋がりません。ぜひこのような関わりを実践し、スタッフ様を組織づくりに巻き込んでいただければと思います(できる人から一人ずつ)。
ただ、このような関わりをするには段階を踏む必要があります。以下に示す2つの段階をぜひ意識してください。

①安心安全な職場を作っているか?スタッフ様から見てリーダーが安心・安全な存在になっているか?
まずは「承認」「褒める」という関わりを日々実践し、スタッフ様との関係性を構築しておく必要があります。

②施設やリーダーとして大切にしたい「信念」「価値感」を明確にし、それに沿った目標を考えてもらう
施設やリーダーとしての信念・価値観に沿って話をしないと、ただスタッフ様がやりたいだけ(ご利用者様のことを考えていない内容)になってしまうこともよくあります。スタッフ様に「あなたはどうしたい?何がしたい?」と聴く前に、「自分自身がどうしたい?」も明確にしておきましょう。

リーダーも自分自身を承認しよう

最後に、リーダーの仕事は大変なことも多いです。スタッフ様のモチベーションの前に「自分自身の心が折れそうだ」という方も多いのではないでしょうか?
そんなときは、ぜひ自分で今の自分を承認してあげてほしいと思います。

「リーダーという役割にチャレンジしている自分」
「うまくいかないこともあるけど、あきらめずに向き合おうとしている自分」
「以前に比べて、少しは成長していると感じる自分」

まずは自分自身の承認の欲求を自分で満たしてあげることが、スタッフ様のモチベーションを引き出すことにつながっていきます。

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