2017年10月25日更新
高齢者の方のスキンケア①
気温が下がり始めると、気になるのがお肌の「乾燥」です。若い方ももちろんですが、ご高齢の方は特に、お肌の乾燥を原因とするトラブルを引き起こしやすくなります。今回はお肌の乾燥に関連する「老人性乾皮症」と「かゆみの原因」についてご紹介します。
ご利用者様に、このような様子や訴えはありませんか?
例えば、「無意識にポリポリと体をかいている」「入浴時に体のあちこちにかき傷が見られる」「就寝時にかゆみのためゴソゴソと動いている」といった様子がご利用者様に見られることはありませんか。また、「入浴後、体中がかゆい」「お布団に入り、体が温まると体中がかゆくて眠れない」「体のかゆみで夜中に目がさめてしまう」などの訴えに心当たりはありませんか。調査では、ご高齢者のうち66%の人が1年中、もしくは特定の季節になると肌のかゆみを感じています。
老人性乾皮症とは?
かゆみの主な原因は、皮膚のうるおいを保つ「セラミド」や天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor : NMF)が老化によって減少することや、皮脂を作り出す機能が低下することにあります。
このような状態を「老人性乾皮症」といいます。老人性乾皮症になると、足のすねや腰まわりなどを中心に皮膚表面がザラザラとした状態になり、浅いヒビ割れが無数に生じます。症状がひどくなると肌の表面が白い粉をふいたようになることもあります。
老人性乾皮症の主な原因は次の3つです。
1. 脂腺由来の脂質の減少
皮脂腺から出る脂質は天然の保湿クリームのように皮膚の表面を覆い、乾燥や刺激から肌を守っているのですが、この脂質は年齢とともに減少します。
2. 角質細胞間脂質の減少
角層細胞の間には「セラミド」で構成された細胞間脂質があり、これが水分を保持しながら細胞のすき間を埋めています。「セラミド」には水分蒸散量を制御する働きがありますが、この細胞間脂質も年齢とともに減少します。
3. 天然保湿因子(NMF)の減少
角層細胞の中にも天然保湿因子(NMF)という保水機能を持つ物質があります。この天然保湿因子も、年齢とともに減少します。
この3つの物質の減少が肌の乾燥を引き起こし、肌のバリア機能の低下をもたらします。バリア機能が低下すると外部からの刺激に敏感になり、かゆみが起こりやすくなります。また、寝て過ごすことが多い方は、床ずれが起こりやすくもなります。
かゆみの発生する原因
かゆみが発生する原因は、老化による皮膚機能の衰えに加えて、空気の乾燥や、間違った入浴ケアなど生活環境も大きく関係しています。次回は、老人性乾皮症の予防にもつながる、スキンケアについて掲載します。
執筆:花王プロフェッショナル業務改善ナビ【介護施設】編集部
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