バイオフィルム
ばいおふぃるむ
バイオフィルムとは細菌の集合体のことで、多糖・タンパク質・核酸から構成されます。自然界にも広く存在し、基質と水があればあらゆる場所に存在が可能です。身近な例としては、口腔内の歯垢や台所のヌメリなどがあり、手荒れした手指や褥瘡部などにも発生します。バイオフィルムを作る代表的な細菌は黄色ブドウ球菌や緑膿菌です。バイオフィルムが形成されるとアルコール、次亜塩素酸ナトリウム等の殺菌・消毒効果が妨げられる可能性があり、細菌感染のリスクを高めるため、介護施設様ではバイオフィルムの存在を意識した手指衛生や環境整備が求められます。
バイオフィルムが手荒れ悪化の原因に
手荒れした肌には通常よりも多くの細菌が存在しています。花王の調査によると、健康な手指の黄色ブドウ球菌保有率は6%であるのに対し、手荒れのある手指では黄色ブドウ球菌の保有率が32%と約5倍以上になっています。この状態を放置すると黄色ブドウ球菌が手荒れに吸着しバイオフィルムを形成する可能性があります。バイオフィルム保有率についても健康な手指で0%であるのに対し手荒れのある手指では14%という結果が示されました。バイオフィルムが形成されると、殺菌・消毒しきれなかった黄色ブドウ球菌による毒素が刺激となり手荒れを悪化させるという悪循環を招くことがわかっています。このように、バイオフィルムが手荒れに与える影響は看過できるものではありません。
手指のバイオフィルムに潜む細菌感染のリスク
バイオフィルムはその名の通り膜状の形をとっており、細菌は膜の内部に包み込まれるようにして存在しています。この膜は殺菌剤やアルコールの効果を阻害するとされており、手指の清潔を妨げる大きな要因です。手指にバイオフィルムが形成されていると、手洗いや手指消毒を行ったつもりでも、バイオフィルムに守られて生き残った菌やウイルスが手指を介して伝播する可能性があるため、感染リスクが増加します。
抵抗力の弱いご高齢者様が生活する介護施設では、感染リスクを少しでも抑えることが大切です。手肌を健康に保つことが、スタッフ様を感染リスクから守り、施設内での感染を防ぐことにもつながります。
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