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介護現場の用語集

軽度認知障害(MCI)

けいどにんちしょうがい(えむしーあい)

軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)とは、日常生活に大きな影響を与えない程度の記憶障害がある状態のことです。軽度認知障害の方は認知症の場合と異なり対策によって自立した生活を送ることができ、認知症の前段階や健常状態と認知症の中間であるとされることが多いようです。

軽度認知障害の原因と定義

以下の1~3に当てはまる場合は軽度認知障害の可能性があります。

  1. 認知機能は正常とはいえないが、認知症の診断基準も満たさない
  2. 本人または情報提供者から認知機能低下の訴えがある
  3. 複雑な日常生活動作の障害は最低限にとどまり、基本的な日常生活機能は正常である

軽度認知障害は、アルツハイマー型認知症や前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症などの神経変性疾患や脳血管障害が主な原因です。他にも、甲状腺機能低下症や電解質異常、糖尿病なども原因になり得ます。

軽度認知障害の種類

軽度認知障害は、記憶障害の有無で「健忘性」と「非健忘性」に分類されます。また、認知機能のうち記憶など一つの機能が低下している「単一領域」タイプか、複数の認知機能が低下している「多重領域」タイプかによってさらに分かれます。

軽度認知障害の種類を表す図。

※参考:日本神経学会「認知症疾患治療ガイドライン2010追補版」p.108

認知症の中でも特にアルツハイマー型認知症の前段階として現れる軽度認知障害は、健忘などの記憶障害が症状として見られます。

軽度認知障害と認知症の関係

軽度認知障害の人のうち年間で約10%は認知症に移行し、最終的に70%が認知症に進行するとされています。特に健忘性の軽度認知障害の多くは進行し,治療を行わなかった場合は4年後には50%,最終的には90%以上が認知症に進展すると考えられています。
 
しかし対策によっては軽度認知障害から健常に戻る場合もあるため、1年に何度か定期的な検査を受けることが必要です。

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