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介護現場の用語集

拘縮

こうしゅく

拘縮とは、寝たきりや長い間身体を動かさないでいたために筋肉や皮膚など関節周囲の軟部組織が伸縮性を失って固くなり、関節の動きが悪くなる状態です。拘縮を起こすと、手足の関節を動かすときに痛みが出てご本人が辛い思いをするとともに介護を行いづらくなるため、介護側の負担も増えます。脳梗塞の後遺症による麻痺などによって自ら使わなくなった関節は、徐々に固まり拘縮が進んでいきます。

拘縮の種類

拘縮はその原因によって「筋性拘縮」「皮膚性拘縮」「結合組織性拘縮」「神経性拘縮」など複数の種類に分けられます。
ご高齢者は日常生活の中で身体を動かす機会が少なく寝ていることが多いため、関節周りの筋肉の柔軟性が低下して関節を動かすことが困難になり、「筋性拘縮」を起こしやすい傾向があります。

拘縮の予防方法

拘縮はご利用者様の日常生活動作(ADL)の能力を低下させる上、症状の改善には非常に長い時間がかかるとされています。そのため、予防が何よりも重要です。拘縮の主な原因は関節機能の低下にありますから、日頃から適度な運動やストレッチを行い、関節の機能を維持しておくことが有効です。ご利用者様のADLを維持するためにも、身体を動かすレクリエーションやストレッチを定期的に取り入れてみましょう。
また、筋力の低下も拘縮の1つの要因と考えられています。歩行や入浴、排泄など、日常生活でも可能な範囲で身体を動かすよう促すことが、拘縮の予防につながります。

拘縮のあるご利用者様のケア

下肢に拘縮のあるご利用者様におむつをあてる際は、通常のおむつのあて方ではおむつ骨折のリスクや尿モレを起こすことがあるので難しいことがあります。したがって、安全・安楽なおむつのあて方を工夫する必要があります。身体とおむつの間に隙間ができやすくなるので、おむつがご利用者様の鼠径部に沿うようにあてることがポイントです。おむつにはテープタイプとパンツタイプの2種類がありますが、それぞれ特長が異なります。ご利用者様の排泄の自立度や排泄記録からアセスメントを行い、一人ひとりに合ったおむつを選びましょう。

清潔介助についても注意が必要です。拘縮のあるご利用者様の身体を洗う際は、指先や脇なども筋肉をほぐすようにゆっくりと広げ、洗い残し、すすぎ残しのないように配慮しましょう。また、温かいタオルを使った清拭や入浴を通して皮膚に摩擦刺激や温熱刺激を与えると、毛細血管が拡張し血行が促進されるため、拘縮の予防や改善につながるといわれています。

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