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介護現場の用語集

2022年6月27日公開

ゾーニング

ぞーにんぐ

ゾーニングとは、感染症の病原体によって汚染されている区域(汚染区域)と、汚染されていない区域(清潔区域)を区分けすることです。医療施設の環境整備においては、ゾーニングを清浄度で分け、それぞれ区分けした場所に適合した空調および院内清掃を実施することも意味します。ゾーニングにより、病原体に汚染された人や物品の動きを制限でき、感染拡大の防止につながります。介護施設においては、安全な介護の提供と感染拡大防止のために、感染者や濃厚接触者とそれ以外のご利用者様を明確に分けての介護が必要です。

ゾーニングの考え方

ゾーニングは次の考え方を基本にして取り組みます。

  • 汚染区域と清潔区域を明確に分ける
  • 汚染区域は可能な範囲で狭く設定する
  • スタッフステーションは原則として清潔区域とする
  • 汚染区域に入る際は防護具を着用し、汚染区域から出る際に脱衣する
  • 防護具の着用場所と脱衣場所は明確に指定する
  • 着用場所には必要十分な個人防護具を、脱衣場所には感染性廃棄物容器と手指消毒薬を用意する
  • 清潔区域では、汚染のおきやすい手すりやドアノブなどを中心に清掃消毒を行い、清潔な状態を保つ
  • 汚染区域・清潔区域にかかわらず十分に換気する。その際には清潔区域から汚染区域の方向に空気が流れるよう工夫する

参考:
国立国際医療研究センター 国際感染症センター「急性期病院における 新型コロナウイルス感染症アウトブレイクでのゾーニングの考え方

汚染区域をなるべく狭く設定することは、スタッフ様の曝露機会や感染リスクの低減において重要です。ゾーニングを設定した後は、清潔区域が汚染されないよう、清潔区域のこまめな清掃消毒をすることが必要です。

ゾーニングのポイント

ゾーニングを設定・実施する際には、次の点に注意して汚染区域・清潔区域を適切に管理します。

  • 汚染区域を明確に設定し、パーテーションで区切るなどしてご利用者様や担当以外のスタッフ様が汚染区域を往来できないようにする
  • 汚染区域には、目立つよう大きく表示する
  • 汚染区域と清潔区域の動線が交わらないようにする
  • 汚染区域と清潔区域で担当スタッフを分ける
  • 防護具の着用は汚染区域に入る前に、脱衣場所は清潔区域への出口に近いところで行うように周知徹底する
  • サーキュレーターなどを使用して空気を専用区域の方向に流れるよう工夫する

ゾーニングの基本パターン
各居室を汚染区域、居室外を清潔区域とするのが基本パターンとなる。
原則として感染者は常に居室内で過ごす。

ゾーニングの基本パターンを表す図。〈①着用場所(清潔区域)〉廊下に設置、病室に入る前に個人防護具を着用する。〈②脱衣場所(汚染区域)〉室内(扉近く)に設置、ここで個人防護具を着用する。

基本パターンが難しい場合 一部を汚染区域と設定した例

ゾーニングの基本パターンが難しい場合、一部を汚染区域と設定した例を表す図。 〈①着用場所(清潔区域)〉ステーション内に設定、ここで個人防護具を着用して汚染区域に入る。〈②脱衣場所(汚染区域)〉廊下の清潔区域への出口に近いところに設定、ここで個人防護具を外して清潔区域に戻る。

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