2024年8月2日更新
環境整備とは居室・洗面所・トイレ・浴室などの清掃のみに留まらず、清掃しやすいように整理整頓することも意味します。不衛生で雑然とした環境は病原体が生存しやすく、感染のリスクが高まります。
感染経路を有効に遮断するポイントは手指衛生を徹底することですが、手指衛生を行えば、環境整備を行わなくてよいわけではありません。環境から伝播していく病原体の存在を考慮する必要があります。
病原体の一例とその生存期間の目安
参考文献:
Kramer A, Schwebke I, Kampf G.
How long do nosocomial pathogens persist on inanimate surfaces? A systematic review
BMC Infectious Diseases. 2006,6:130
ただ、「感染が心配だから…」ということで、すべての環境を消毒しなければならないわけではありません。
ご利用者様の生活の場である介護施設においては、環境消毒の徹底よりまず目に見える汚れを除去し、居心地のよい住みやすい環境づくりを優先するのがよいでしょう。
環境整備の基本は「清掃による汚染の除去」です。居室や浴室、トイレなどは洗浄剤を用いた湿式清掃を行いましょう。目に見える汚れを取り除き、住みよい環境作りを目指しましょう。
厚生労働省の通知や米国CDCのガイドラインによれば、日常的な環境表面の清掃について高レベルの消毒薬を使用する必要はないことが示されています。消毒薬にはさまざまな種類がありますが、日常的な環境表面の消毒には低水準消毒薬(塩化ベンザルコニウムなどの第4級アンモニウム塩など)が最適です。
参考文献:厚生労働省「医療機関等における院内感染対策について」
CDC「Guideline for Disinfection and Sterilization in Healthcare Facilities, 2008.」
微生物の消毒薬抵抗性の強さ、および消毒薬の抗菌スペクトル
参考文献:尾家重治「器材・環境消毒法」
花王ハイジーンソルーションNo.6 2004
消毒薬を使用する際には、事前に消毒範囲をきちんと洗浄しておくことが重要です。消毒薬は病原体に接触することで効果を発揮しますが、汚れの中に入り込み汚れを除去する働きがありません。そのため、手あかなどの汚れに覆われた病原体に対しては消毒効果を発揮できず、汚れの中の菌が温存されてしまったり、かえって汚染を拡げてしまうことがあります。
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