コラム

2021年10月26日更新

介護スタッフ様の職場の悩み、抱え込まずに相談を

介護職の賃金や待遇などについて法制度の整備が進められていますが、職場環境も含めて、業務をしていくうえでの悩み事を上司や同僚に打ち明けられずに一人で抱え込んでしまっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、介護スタッフ様が抱えやすい悩みについて、調査結果をもとにご紹介します。また職場の悩みを相談できる窓口も掲載していますので、相談先に困っている方はぜひお役立てください。

介護スタッフ様が抱える悩み

まずは、介護スタッフ様がどのような悩みを抱えやすいのかを見ていきましょう。

労働条件に人間関係…スタッフ様が抱える悩みとは

介護スタッフ様は人手が足りない中で精神的にも身体的にも負担が大きい業務を行っています。そのため、労働条件や仕事の課題、人間関係など様々な面で悩みが尽きません。

公益財団法人介護労働安定センターが行った調査を見ると、同じ介護スタッフとして働く方の悩みが紹介されています。ご自身が現在抱えている悩みも含まれているかもしれません。

労働条件や仕事の負担に関する悩み

  • 人手が足りない
  • 仕事内容のわりに賃金が低い
  • 身体的負担が大きい(腰痛や体力に不安がある)
  • 業務に対する社会的評価が低い
  • 精神的にきつい
  • 有給休暇がとりにくい
  • 休憩がとりにくい
  • 夜間や深夜時間帯に何か起きるのではないかと不安がある
  • 労働時間が不規則である
  • 健康面(感染症、怪我)の不安がある
  • 労働時間が長い
  • 福祉機器の不足、機械操作の不慣れ、施設の構造に問題がある
  • 雇用が不安定である
  • 職務として行う医的行為に不安がある
  • 不払い残業がある・多い
  • 仕事中の怪我などへの補償がない
 
人間関係やコミュニケーションに関する悩み
  • 部下の指導が難しい
  • 自分と合わない上司や同僚がいる
  • ケアの方法などについて意見交換が不十分である
  • 経営層や管理職などの管理能力が低い、業務の指示が不明瞭、不十分である
  • 上司や同僚との仕事上の意思疎通がうまくいかない
  • 経営層の介護の基本方針、理念が不明確である
  • 上司や同僚の介護能力が低い
  • 悩みの相談相手がいない、相談窓口がない

調査結果の内訳を詳しく見ると、労働条件や仕事の負担に関する悩みでは、業務における身体的・精神的負担が大きいにもかかわらず賃金や社会的評価が低いことに対して、多くの方が悩まれていると分かりました。

人間関係やコミュニケーションに関する悩みでは、上司と部下の人間関係がうまくいっていないことやケアの方法について意見交換が不十分であること、上層部の管理能力や指示内容が十分でないことに対して不安や不満を感じている方が多いようです。

特に人間関係の悩みは解決が難しく、仕事を辞める原因になってしまうことがあります。同調査では、介護関係の仕事を辞めた方の退職理由として「職場の人間関係に問題があったため」に票が集まる結果となりました。

特に入居型施設は仕事に関する悩みが多い

介護の仕事と一口にいっても入居型施設、通所型施設、訪問介護などサービスのタイプが様々であるため、介護スタッフ様が抱える悩みもタイプによって変わります。

特に入居型施設の場合は日中だけでなく夜間の業務もあるため、その分身体的・精神的負担は大きくなります。公益財団法人介護労働安定センターが行った同調査(2018年度版)によると、「人手が足りない」「夜間や深夜時間帯に何か起こるのではないかと不安がある」といった悩みが通所型や訪問介護よりも多い結果となりました。また、業務内容の多さからか、人間関係やコミュニケーションの面でも「部下の指導が難しい」と回答する方も少なくありませんでした。

仕事の悩みと相談窓口の関係

仕事柄、多くの悩みを抱えやすい介護スタッフ様。相談する先として職場に窓口は設置されていますか? 相談窓口があるかないかは、ご自身の悩みに大きく影響しています。窓口が用意されている場合は積極的に活用することをおすすめします。

相談窓口がない職場はスタッフ様が悩みを抱えやすい

相談窓口が設置されていない職場で働く方は特に仕事上の悩みを抱えやすくなります。公益財団法人介護労働安定センターが行った調査(令和元年版)によると、悩みの内容に限らず、職場に相談窓口がない介護スタッフ様の方が仕事に関する不安・不満・悩みを多く抱えていることが分かりました。特に、賃金が低いことや精神的にきついこと、経営層の不十分な管理能力・指示に対する悩みが大きいようです。

また、同調査の中で「悩みや不安、不満は感じていない」と回答した介護スタッフ様の割合についても、職場に相談窓口がある場合は約4割に上りましたが、相談窓口がない場合は約2割にとどまりました。

職場に相談先がない場合は外部の窓口を活用しよう

職場に相談窓口がない場合は、行政が設置している相談窓口を活用しましょう。中には介護スタッフ様専用の相談窓口もありますので、業務の現場を想定した上での具体的な悩み相談に乗ってもらえます。

また、職場に相談窓口があっても、身内だからこそ打ち明けにくい悩みもあるかもしれません。その場合も外部の窓口を活用すると良いでしょう。

外部の相談窓口は以下で詳しくご紹介します。

相談窓口のご紹介

以下には、行政が運営する各相談窓口について、相談できる内容別に掲載しています。相談できる方、相談できる悩みの種類、相談の手段や時間帯が異なるため、事情に合った相談窓口を選ぶのがいいでしょう。

厚生労働省「働く人のこころの耳相談」

厚生労働省が運営している、介護職に限らず働いている人であれば誰でも相談できる窓口です。メンタルヘルスの不調や過重労働による健康障害について相談することができます。

相談手段
電話、メール、SNS

相談できる時間帯
▼電話
月曜日・火曜日 17:00~22:00
土曜日・日曜日 10:00~16:00
※祝日、年末年始は除く

▼メール
24時間受付

▼SNS
月曜日・火曜日 17:00~22:00
土曜日・日曜日 10:00~16:00
※祝日、年末年始は除く

公益社団法人全国老人福祉施設協議会「JSここメン」

公益社団法人全国老人福祉施設協議会が運営している、介護スタッフ様向けの相談窓口です。介護老人保健施設で働いている方を除いて、介護現場で働く方なら利用可能です。心身の不調に関する悩みを相談することができます。

相談手段
電話、メール、SNS

相談できる時間帯
▼電話
月曜日 17:00~19:00
火曜日~金曜日 9:00~17:00

▼メール
24時間受付

▼SNS
火曜日・木曜日 19:00~21:00
日曜日 17:00~19:00

  •  詳しい内容は公益社団法人全国老人福祉施設協議会「JSここメン」をご確認ください。

公益社団法人全国老人保健施設協会「コロナ・ココロの相談」

公益社団法人全国老人保健施設協会が運営している、介護スタッフ様向けの相談窓口です。介護老人保健施設で働いている方なら誰でも利用可能です。新型コロナウイルス感染拡大による心の不調について相談することができます。

相談手段
電話、メール、チャット

相談できる時間帯
▼電話
火曜日・金曜日 17:00~21:00
日曜日 13:00~17:00

▼メール
24時間受付

▼チャット
火曜日・金曜日 17:00~21:00
日曜日 13:00~17:00

各自治体の相談窓口

上記の窓口以外にも、都道府県や市町村の単位で介護スタッフ様向けの相談窓口を設けている自治体もあります。

例えば東京都の場合、福祉保健局が福祉・介護職員向けの相談窓口を設けています。都内の福祉の職場で現在働いている方(公設公営施設の職員は除く)だけでなく、過去に働いていて再就職を検討している方も相談することができます。

相談手段
電話、面談

相談できる時間帯
▼電話相談および面談受付
<福祉の仕事に詳しい専門相談員に相談したい場合>
平日 10:00~17:30
※祝日および12/29~1/3を除く

<臨床心理士・産業カウンセラーなどに相談したい場合>
毎日 17:00~22:00
※祝日および12/29~1/3を除く

自分の住んでいる地域に相談窓口があるか調べる場合は「介護職員 相談窓口 住んでいる都道府県・市区町村の名前」などで検索してみましょう。

1人で抱え込まずにまずは相談を

悩みは誰かに話すことで思ってもみないほど気持ちが軽くなったり、思わぬ解決策が見つかったりすることがあります。「相談しても何も変わらない」と諦める前に、まずは誰かに話してみることが大切です。家族や友人、職場の方など身近な人に相談できない内容である場合は、上記の相談窓口を積極的に活用してみましょう。

 参考:
・公益財団法人介護労働安定センター「介護労働の現状について 令和元年度 介護労働実態調査の結果と特徴
・公益財団法人介護労働安定センター「介護労働の現状について 平成30年度 介護労働実態調査の結果と特徴
・厚生労働省「こころの耳 相談窓口案内
・公益社団法人 全国老人福祉施設協議会「JSここメン
・公益社団法人 全国老人保健施設協会「介護施設スタッフのメンタルヘルスサポート

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