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コラム

2023年4月25日更新

介護職のスキルアップ資格 高齢者ケアストレスカウンセラーとは

監修者プロフィール/一般財団法人 職業技能振興会
1948年6月、個人の自立・自活による国内経済の回復を図るため、当時の労働省(現厚生労働省)の認可団体として設立された。現在、社会・経済・労働など多様化する環境の変化に機敏に対応し、社会的ニーズの大きい健康・福祉・介護・教育分野はじめ、時代に即応した技術者及び資格者の養成分野などへも事業活動を展開している。

高齢者ケアストレスカウンセラーは、ご高齢者様の心のケアに関する民間資格です。ご高齢者様のメンタルヘルスケアやコミュニケーション方法などのスキルが身に付くため、介護職や看護職の方が取得するケースが多い資格です。

今回は、高齢者ケアストレスカウンセラーの役割や具体的な仕事内容、資格取得の方法などについて紹介します。

高齢者ケアストレスカウンセラーとは

「高齢者ケアストレスカウンセラー」とは、ご高齢者様の心のケアに特化した心理カウンセラーの資格です。内閣府が認可する一般財団法人「職業技能振興会」が認定しています。

ご高齢者様のメンタルヘルスケアの方法やコミュニケーションに関する知識が身に付き、介護をする側のストレスケアも学べるのが特徴です。高齢者施設や病院で働く介護士や看護師、介護をするご家族など、ご高齢者様と関わるすべての方にとって役立つ知識を身に付けられます。

「ケアストレスカウンセラー」との違い

高齢者ケアストレスカウンセラーは、「ケアストレスカウンセラー」という基礎的な資格の上級資格にあたります。ケアストレスカウンセラーの資格取得に向けて学ぶことでご高齢の方に限らず、精神的な不調を抱える方への対応や精神疾患の予防など、総合的な知識を身に付けられます。

高齢者ケアストレスカウンセラーと同様の上級資格に、「青少年ケアストレスカウンセラー」と「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」という特定の分野に特化した資格もあります。

青少年ケアストレスカウンセラーは、子どもから成人に達するまでの青少年および、青少年を家族にもつ親のケアに関する資格です。引きこもりや不登校、いじめ、家庭内暴力などの問題と向き合い、青少年が抱えるストレスへの対応方法が身に付きます。

企業中間管理職ケアストレスカウンセラーは、会社内のストレスケアに特化した資格です。職場の管理監督者が部下のメンタルヘルスへの対応方法が身に付きます。

高齢者ケアストレスカウンセラーの役割と仕事内容

高齢者ケアストレスカウンセラーの役割を端的に表現すると、「高齢者特有の心理を理解し、ケアをする」ということです。資格取得に向けて学ぶ主な内容は下記の通りで、ご高齢者様ならではの心のケアが中心となっているのが分かります。

【学習内容の一例】

  • 高齢者とストレス
  • ストレスに強くなる
  • 高齢者の人生経験と老化に配慮した人間関係の構築
  • 自宅でできるリラクゼーション
  • 老いの心理と高齢者ケアの現状
  • 起こり得る高齢者と家族の心の病とその予防

  • 冒頭でも少し触れたように、高齢者ケアストレスカウンセラーが対象とするのはご高齢者様本人だけではありません。日々介護に努めるご家族や介護スタッフもケアの対象に含まれ、高齢者介護に関わる総合的なメンタルヘルスケアの役割を担います。

    高齢者ケアストレスカウンセラーの主な仕事はカウンセリング

    ストレスの要因はさまざまありますが、ご高齢者様が特に影響を受けやすい主な出来事は次のとおりです。
     

  • 退職による社会的役割の変化や経済的な課題
  • 子どもの独立
  • 配偶者や近親者との死別
  • 病気への不安
  • 精神的・肉体的な衰え

  • 高齢者ケアストレスカウンセラーは注意してご高齢者様の様子を確認しつつ、相手の話にしっかり耳を傾け、ご高齢者様本人が「できること」や「したいこと」などを一緒に探していきます。そうしたカウンセリングを通じてご高齢者様が尊厳をもって暮らせるようにサポートするのが仕事です。

    ちなみに、一般的には高齢者ケアストレスカウンセラー専属として働く事例は少なく、介護や看護に携わる方がスキルアップのために資格を取得するケースが多いようです。

    高齢者ケアストレスカウンセラーの資格取得方法

    高齢者ケアストレスカウンセラーの受験資格は、「18歳以上」であることと、「ケアストレスカウンセラーの資格を保有している」ことの2つを満たしていることです。

    ケアストレスカウンセラーと高齢者ケアストレスカウンセラーの併願受験は可能ですが、合格点に達しているのが高齢者ケアストレスカウンセラーのみだと合格として認められませんので注意が必要です。

    【試験概要】※2022年の情報を参照

  • 試験日程:例年、7月・12月・3月の年3回
  • 試験内容:公式テキスト内からの出題+一般常識問題
  • 試験時間:60分
  • 受験料:12,000円
  • 合格基準:正答率70%以上
  • 結果発表:試験終了と同時に確認

  • 詳しくは資格を認定する一般財団法人 職業技能振興会の「高齢者ケアストレスカウンセラー」のページでご確認ください。

    まとめ

    高齢者ケアストレスカウンセラーは、ご高齢者様のメンタルヘルスケアのノウハウが体系的に身に付く資格です。資格取得を通じてご高齢者様が抱えるストレスを適切に把握できるようになり、スキルアップやケアの質向上にもつなげられるでしょう。


    参考:
    一般財団法人 職業技能振興会「ケアストレスカウンセラー(青少年・高齢者・企業中間管理職)

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