コラム

2023年11月28日更新

介護職の疲労回復に効くツボ!セルフケア方法を専門家が紹介

執筆者 石垣英俊氏のプロフィール写真

著者プロフィール/石垣 英俊(いしがき・ひでとし)
「神楽坂ホリスティック・クーラ」代表
一般社団法人日本背骨養生協会代表理事
心身健康科学修士
鍼師、灸師、按摩マッサージ指圧師
オーストラリア政府公認カイロプラティック理学士(B.C.Sc)、応用理学士(B.App.Sc)
静岡県出身。臨床家の父に鍼灸治療を師事。2004年に開業し、体の痛みや不調に悩んでいる人々へ、よりよい施術、環境、アドバイスを提供すべく研鑽を積んでいる。「コリと痛みの地図帳」(池田書店)をはじめ、著書多数。

介護職の腰痛、足の痛みについてのストレッチやマッサージについて、「介護職の足の痛みに!自分でできるフットケア」で紹介しましたが、いつでもどこでもすぐにできる利点のある、ツボを押すというセルフケアも有効です。 
 
そこで今回は、自分で押せる、疲労回復が期待できるツボと、押し方について紹介していきます。ちょっとした空き時間でリフレッシュできますのでお役立てください。

ツボ押しセルフケアのメリット

ツボ押しセルフケアの最大のメリットは、ちょっとした空き時間にどこででもできる点です。場所も問わないため、休憩時間や通勤電車の中、テレビを見ながらでもセルフケアが可能です。
 
手足には鍼灸師が常用する重要なツボが密集しています。特に合谷(ごうこく)などの手のツボの鍼刺激は、脳の血流を促進し脳を活性化させることによって、心をすっきりさせる作用が明らかになりつつあります。
つまり、セルフケアによるツボ押しでも、ストレス時のリフレッシュ効果が期待できます。忙しい毎日の中でも、時間の合間にツボ押しをすることで気分の切り替えなどに活用いただけると思います。

ツボ押しをする上での注意点

はじめに、ツボ押しを避けたほうがよい方、場面をご紹介します。以下に当てはまる場合、ツボ押しは行わないようにしましょう。
 

  • 発熱時や疾患のある方

感染症などの発熱時、各種内臓疾患、中毒症状、悪性腫瘍を患っている際や、打撲や骨折部位に対してツボ押しは行わないでください。体内の働きを活発化させるより、安静・療養が必要なためです。

  • 皮膚のトラブルやリンパ節の腫れがある方

皮膚のトラブルがある部位やリンパ節の腫れを伴う部位へのツボ押しは控えてください。また、脳へ血管が走行している首の前も、左右同時に行うことや、揉みほぐすような粗暴な圧は血圧の変化や血栓を生じる恐れがあるため注意が必要です。

  • 妊婦の方

ツボによっては妊婦さんに影響を与える恐れがあるため、安定期以外の時は医師や専門家に必ず相談してください。

  • 飲酒前後

飲酒前後のツボ押しは血行がよくなり過ぎることで頭痛や吐き気を引き起こす恐れがあるため行わないでください。

  • 食事直後や空腹時の腹部などへのツボ押し

食事直後や空腹時などに腹部や関連する背中・下肢に対するツボ押しも、消化器官への負担が生じる恐れがあるため控えてください。

今すぐできるツボ押しセルフケア

全身の疲労回復に効果的なツボ―合谷(ごうこく)―

脳の血流を活性化させ、心身の疲労回復が期待できます。

 左手の親指と人差し指でできる水掻きの縁に右手の親指の第一関節を当てる

合谷の位置を示したイラスト

 右手の親指を軽く曲げた時に先端が当たるところに合谷がある

右手の人差し指先端で手のひら側から押し上げ、盛り上がった合谷を親指で挟むように押しているイラスト

 右手の人差し指先端で手のひら側から押し上げ、盛り上がった合谷を親指で挟むように押す

 3~5秒押圧したら1秒離す、を3回から5回繰り返す。反対の手も同様に行う

首のこりや眼精疲労に効果的なツボ―天柱(てんちゅう)―

肩こりの原因となる筋肉はもちろん、目の動きと関連する深部筋をほぐして眼精疲労をケアできます。

 頭と首のつなぎめの中央にある凹み(ぼんのくぼ)を見つける

天柱の位置を示したイラスト

 そこから左右に1.5㎝ほど外側に天柱がある

中指を中心に左右の爪の甲を合わせてM字をつくり、両指先を片側の天柱に当てているイラスト

 中指を中心に左右の爪の甲を合わせてM字をつくり、両指先を片側の天柱に当てる

 圧をかけたまま左右に3~5回ずらして刺激。反対側も同様に行う

肩こりに効果的なツボ―肩井(けんせい)―

肩こりに関係する筋肉の代表である僧帽筋の上部にあるツボを押すことで筋膜リリース(筋膜を解きほぐす)をします。

肩井の位置を示したイラスト

 左肩に右手を回し、右手の中指が当たるところに肩井がある

右手の中指を中心に肩井に対して強すぎない程度の圧をかけているイラスト

 右手の中指を中心に肩井に対して強すぎない程度の圧をかける

 圧をかけたまま緩めずに、左腕を大きくゆっくりと前後に3~5回ずつ回す。反対の肩も同様に行う

腰痛に効果的なツボ―委中(いちゅう)―

老廃物の蓄積などが生じやすい膝裏を刺激することで、腰につながる神経の滑走性を高めます。

委中の位置を示したイラスト

 椅子か床に座り、片側の膝を100~120度程度に曲げる。膝裏中央に委中がある

 左右の手の平を上に向けた状態で中指を合わせ、指の腹を膝裏に当てる

親指で膝下を押さえ、両中指でツボに圧をかけたまま左右・上下に動かしているイラスト

 親指で膝下を押さえ、両中指でツボに圧をかけたまま左右・上下に3~5回動かす。圧をかける方向は膝の皿より下に向けるのがポイント。反対の足も同様に行う

心身のストレスに効果的なツボ―太衝(たいしょう)―

太衝は東洋医学で自律神経と関連が深いとされ、心身の緊張を和らげます。

座った状態で右の足首を左脚の太ももの上に乗せているイラスト

 椅子か床に座り、右の足首を左脚の太ももの上に乗せる

太衝の位置を示したイラスト

 足の親指と人差し指の延長上の骨のくぼみに太衝がある

左手の人差し指の先端を太衝に当て、圧をかけているイラスト

 左手の人差し指の先端を太衝に当て、10~30秒程度圧をかけ続ける

 1回だけでも2,3回繰り返してもよい。反対の足も同様に行う

不眠に効果的なツボ―安眠(あんみん)―

自律神経の中継所が傍にある安眠をやさしく刺激し、睡眠の質を向上させるツボです。

安眠の位置を示したイラスト

 椅子に座るか仰向けの状態になる。耳の後ろの骨の突起の下に安眠がある

中指を中心に左右の爪の甲を合わせてM字をつくっているイラスト

 中指を中心に左右の爪の甲を合わせてM字をつくり、両指先を片側の安眠に当てる

M字をつくった両指先を片側の安眠に当て、圧をかけているイラスト

 当てている側に少し首を回し、圧をかけたまま10~30秒程度圧をかけ続ける

 1回だけでも2,3回繰り返してもよい。反対側も同様に行う

ツボと身体の関係

東洋医学において、ツボは身体の変調が体表に表れる反応点であり、同時に即治療点であると考えられています。また、ほとんどのツボが経絡というエネルギーライン上に位置しています。経絡は、内臓のはたらきやココロの状態が気血というエネルギーとして巡っていると考えられているため、それらに問題が生じると気血の停滞や不足が生じ、ツボを押したときに痛みやコリとして表れるとされています。
そのため、即治療点であるツボを押すことで気血の巡りに変化が生じ、心身の状態が調整されると考えられています。ツボ押しセルフケアの習慣を身につけることが、不調や疾病の早期予防にもつながりますので、ぜひ、体調管理の一環として取り入れてみてください。

「今日からできるツボ押しセルフケア」
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