2022年10月11日 更新
「もう自分の作るごはんの味に飽きた!誰かほかの人が作ったごはんを食べたーい!」これはコロナ禍が続き外食を控えている多くの人が、心の奥底から発している叫びですね。
コロナ感染を気にしているために、まだ飲食店での食事を控えている方も多いことでしょう。多くの飲食店では、「来店客数」がコロナ禍以前よりも減っていることで、毎月の売り上げが減ってしまっているはずです。
でも、「客単価」はいかがでしょうか?コロナ感染を気にしてご来店を控えられるお客様がいる一方、一度お店に来てくださった方は、以前と同様か、「せっかくお店に来たのだから」と、コロナ禍以前よりも豪勢に食事をしていかれる方が増えているのではないでしょうか。
せっかく他の人が作ってくる料理を食べられるのだから、いろいろ頼んで楽しんでいこう、というスタンスのお客様が多いようです。
そんなコロナ禍でおすすめなのが、「ハーフイートインメニュー」の提供です。
イートインとは、お店の中で食べられること、反対はテイクアウト(英語ではTo Go)ですね。
ハーフイートインメニューとは、「頼まれた料理の内、半分を店内で召し上がっていただき、残りの半分をテイクアウトしていただくことを前提としたメニュー」ということです。
例えば、コロナ禍までは、「唐揚げ」を頼んだ際に6つの唐揚げとキャベツの付け合わせを1皿に盛って提供していたとしましょう。これを、ハーフイートインにする、つまり「店内では唐揚げを3つだけご提供して、残りの3つはお持ち帰り用にする」のです。
コロナ禍で、多品目を頼んでもらうために「スモールポーション(通常よりも少ない量のメニュー)」を用意している飲食店が増えてきました。これは素晴らしい企画なのですが、問題は「ノーマルポーションでもハーフポーションでも、作る際の労力はほぼ一緒」という点です。
つまり、お客様に多くのメニューを召し上がっていただこうとスモールポーションを用意する場合は、売り上げに対して調理効率があまり高まらない、というジレンマが生じてしまいます。
一方ハーフイートインの場合は、1品を調理するのは従来通りの労力で、売り上げも1人前分立ちますので、調理効率が落ちるということはなく、気兼ねなくご提供できるのです。
また、すべてを半分店内、半分持ち帰りとせずに、6対4、7対3のイメージで分けるのも良いですね。先ほどの唐揚げの場合は、店内4個と持ち帰り2個に分ける、という感じです。
「この商品はハーフイートイン対応です」とメニューに書いておき、ご注文時に「半分半分にするか、7対3程度にするか」をお聞きすればよいでしょう。
店内の多くのメニューをハーフイートイン対応にしておけば、お客様が頼まれたメニューの「持ち帰り分」が多数貯まってくるはずです。それらをお惣菜盛り合わせ用容器などにうまく盛り付ければ、見栄えの良い、プロが作ったお料理詰め合わせができ上がります。
もちろん、食べ盛りのファミリー層がお客様に多い飲食店などにおいては、ハーフイートインとせずに、「1.5倍メニュー」を用意するのも良いでしょう。
「当店のメニューはすべて1.5倍の値段で1.6倍の量をご提供できます。1人前は店内で召し上がり、残りの分をお持ち帰りになるのはいかがですか?」というようにご提案するのです。「うちの子は食べ盛りだからお店でどれだけ食べさせても、家に帰ったらすぐにお腹が減った!と言い出すし、作るのも大変だから1.5倍メニューを頼んでおこうか!」と喜んでいただけるはずです。
冒頭で触れた通り、コロナ禍において、「誰かほかの人が作った料理を食べたい!」と感じている方は思いのほか多いようです。店内で食事を召し上がっていらっしゃるお客様に向けて、ハーフテイクアウトのご提供開始などをしっかりと告知することをおすすめします。
例えば、「ご自宅でも当店の味を召し上がりませんか?」「ご自宅でお待ちのご家族にどうぞ」「2次会はご自宅で、という方が増えています」などのようなキャッチコピーをつけた「告知POP」を作成してしっかりとお客様に訴求をすれば、テイクアウトをしてくださるお客様はきっと増えることでしょう。
ハーフテイクアウトメニュー、もしくは1.5倍メニューのご提供をすることで、お客様お一人がご来店ごとにお支払いいただける「客単価」は10%、20%と無理なく伸ばすことができることでしょう。税率については税理士さんにご相談いただければ幸いですが、基本的には「店内で注文していただいたお料理の残りをお持ち帰りいただく」というスタンスなので、10%のままで良いのではないかと思います。
まだ終息が見えぬコロナ禍ですが、明けない夜はないはずです。お客様数減により売上の減少に苦しんでいる飲食店においては、ぜひこのハーフテイクアウトメニュー戦略を取り入れてみていただけると幸いです。
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