IAD(失禁関連皮膚炎)
あいえーでぃー(しっきんかんれんひふえん)
IAD(Incontinence-Associated Dermatitis)は失禁関連皮膚炎ともいい、排泄物(尿または便、あるいはその両方)が、長時間もしくは繰り返し皮膚に接触することで発生する皮膚炎です。IADになると、皮膚表面に発赤やびらん、潰瘍(かいよう)などが見られるようになります。IADを予防するには、「皮膚の状態・排泄物タイプの把握」はもちろん、「適切なおむつの選択・使用」や「スキンケア」が大切です。
IADの原因
IADが発症する原因は、排泄物との接触です。排泄物が皮膚に接触している状態が続くと、排泄物の水分や湿気により、皮膚がふやける、すなわち浸軟が生じます。これによって皮膚のバリア機能が低下すると、尿や便に含まれる刺激物質が浸透し、炎症が起き、IADが発生します。
なお近年では、排泄物の付着により、角層だけでなく、角層の奥にある真皮も破損させている恐れがあると疑われています。
IADの好発部位
IADは排泄物が付着しやすい部位、すなわち「会陰部」「肛門周囲」「臀裂」「臀部」「鼠径部」「下腹部」「恥骨部」に発生しやすいといわれています。なお、大腿部にも発生する場合があるため、介護スタッフ様はこれらの部位に異常が見られないか、特に注意してご利用者様の皮膚を観察しましょう。
【IADの好発部位】
IADの予防法
IADは排泄物の付着により発生するため、予防するには尿失禁・便失禁の改善が欠かせません。ただ、中にはおむつが欠かせないご利用者様も多くいらっしゃることから、ここでは失禁のあるご利用者様に向けた予防法をご紹介します。
皮膚の状態・排泄物タイプの把握
IADを予防するためにまず重要なのが、ご利用者様の皮膚の状態と排泄物タイプの把握です。日本創傷・オストミー・失禁管理学会が開発した評価ツール「IAD-set(アイエーディ・セット)」などを活用して、ご利用者様の皮膚や付着する排泄物に異常が見られないかを観察し、適切なケアを検討します。
適切なおむつの選択と使用
おむつを使用すると、どうしてもおむつで覆われている部分が排泄物や汗でムレやすくなるため、逆戻りが少なく、通気性が良い尿とりパッドを選びます。もちろん、日常生活自立度や失禁の量などに応じ、ご利用者様の状態に合ったおむつを選ぶことも大切です。また、おむつの使い方を誤ると、ムレやモレの原因になるため、ケアの質を向上させるためにも正しく使用します。
皮膚の清潔・保湿・保護
おむつ交換時のスキンケアも、IAD予防の基本の一つです。皮膚に付着した排泄物を除去するとともに、清拭・清浄を行うことで皮膚を清潔な状態に保ちましょう。また、皮膚のバリア機能を守るため、保湿も欠かせません。IADにおける基本的なスキンケアは「清拭・清浄」と「保湿」ですが、軟便や水様便、感染尿が見られた場合は、排泄物が皮膚に付着しにくくなるよう、通常のスキンケアに「皮膚の保護(撥水)」を加えます。
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