介護現場の用語集

尿失禁

にょうしっきん

尿失禁とは、「トイレに行きたい」という自分の意思とは無関係に尿が漏れ出てしまうことをいい、「尿もれ」ともいわれています。尿失禁は高齢者に多く、命を脅かす病気ではありませんが、罹患者のQOLを低下させる疾患です。尿をためる機能や尿を出す機能、運動機能、認知機能に障害があると、起こりやすくなります。

尿失禁の種類と原因

尿失禁にはいくつかの種類があります。代表的なものは「腹圧性尿失禁」「切迫性尿失禁」「溢流(いつりゅう)性尿失禁」「機能性尿失禁」の4つです。

腹圧性尿失禁

腹部に力が入ったときに尿が漏れてしまうタイプの尿失禁で、尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉の緩みが原因です。咳やくしゃみをしたとき、運動をしたときなどに起こります。

切迫性尿失禁

急に強い尿意を感じ、我慢できずに尿が漏れてしまう尿失禁です。いわゆる「頻尿」を伴うことが多く、トイレが近くなることがあるため、日常生活で不便さを感じることがあります。膀胱に指令を出す脳や神経の問題が原因として考えられる一方、特に原因なく膀胱が収縮して起こることも多いとされます。

溢流性尿失禁

膀胱が尿でいっぱいになり、尿道から少しずつ漏れてしまう尿失禁です。「排尿したいのに、自分でうまく出せない」という状態が溢流性尿失禁の特徴で、排尿障害が原因で起こります。

機能性尿失禁

身体運動機能や認知機能の低下によって起こる尿失禁です。例えば「歩行能力が低下しているためトイレに間に合わない」「認知機能が低下しているためトイレに行きたいことを伝えられず、漏れてしまう」といったケースが当てはまります。

尿失禁の対処法

尿失禁の対処法は原因によって異なりますが、ここでは3つご紹介します。
 
・トイレ環境の整備
運動機能障害性尿失禁が見られる場合は、「段差や障害物をなくす」「手すりをつける」といったトイレ動作がしやすい環境をつくると尿失禁が減るかもしれません。トイレまで歩くのが難しいご利用者様の場合は、部屋にポータブルトイレを置く方法もあります。
 
・介助方法の工夫
認知機能の低下によってトイレに行きたいことをうまく伝えられないご利用者様に対しては、いかに適切なタイミングでトイレ誘導できるかが求められます。「排泄記録表」を活用すると排尿パターンを大まかに知ることができるため、トイレ誘導のタイミングがつかみやすくなります。

・おむつの着用
「意識障害や重篤な疾患などが原因で自力で排泄できない」、「自力で排泄できるものの、時々トイレに間に合わないことがある」といったご利用者様には、おむつを着用していただくことで排泄トラブルを防ぎます。おむつは大きく分けて外側の「おむつ(アウター)」と「尿とりパッド(インナー)」の2種類があります。排泄の自立度や尿量などによって適切なアウター・インナーは変わるため、ご利用者様に合ったおむつ選びが大切です。例えば、トイレには行けるが間に合わないときがある方には「尿取りパッド用ホルダーパンツ」が最適です。

そのほか、尿失禁の対処法として「骨盤底筋体操」や「膀胱訓練」、「カテーテルの挿入」などが挙げられます。ご利用者様によって適切な対処法は異なりますので、医療職の指導に従って行ってください。

ご利用者様の排尿パターンの把握にご活用ください

花王プロフェッショナル・サービス「業務改善ナビ」では「排泄記録表」などのダウンロードコンテンツをご用意しております。ぜひご活用ください。

排泄記録表(3日間)の画像

排泄記録表(3日間)

排尿記録を2~3日間つけることで、ご利用者様の排尿パターンを把握できます。トイレ誘導やおむつ交換のタイミングの判断や、おむつ選びにお役立てください。

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