介護現場の用語集

2023年12月19日公開

空気感染

くうきかんせん

空気感染とは、感染者の咳やくしゃみで飛び散った飛沫核を吸入することで起こる感染のことです。主な病原体に、結核菌、麻しんウイルス、水痘ウイルスなどがあり、強い感染力をもっています。
このような病原体に感染している、または感染の疑いがある場合は、空気感染予防策を実施することが大切です。

空気感染の特徴

空気感染とは、病原体を含む微粒子(5㎛(マイクロメートル)以下の飛沫核)が拡散され、これを吸い込むことによって成立する感染経路のことです。「飛沫核」は咳やくしゃみによる飛沫の水分が蒸発したものです。一方で、飛沫感染の原因となる「飛沫」は、水分を含んでおり5㎛以上の大きさがあるため、最大でも2メートル程度飛んで落下します。しかし、飛沫核は飛沫よりも小さく軽いため、長時間空中を浮遊し、空気の流れに乗って隣の部屋まで到達することもできます。

結核菌、麻しんウイルス、水痘ウイルスなどの他、ノロウイルスも感染者の嘔吐物や排せつ物の処理が甘いと、それらが乾燥して空気感染につながる恐れがあります。

空気感染とエアロゾル感染の違い

空気感染とエアロゾル感染の違いは明確には定義されていません。

異なるのは病原体を含んで浮遊する粒子の大きさと湿潤度です。エアロゾル粒子は飛沫の水分が蒸発する過程のもので、空気感染する粒子より大きく、水分を多く含んでいます。そのため粒子の到達距離が短く、空気感染の概念にくらべ、感染する範囲が狭いと考えられます。このことからエアロゾル感染は空気感染と飛沫感染の中間的な概念として使われています。

ちなみに、新型コロナウイルスの主な感染経路は

  • エアロゾル感染(空中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込む)
  • 飛沫感染(飛沫が鼻や口などの粘膜に付着する)
  • 接触感染(ウイルスが付着したものを触った手指で粘膜を触る)
の3つです。

空気感染の予防策

高齢者介護施設は抵抗力が低いご利用者様が集団で生活しているため、通常よりも感染が広がりやすい環境にあります。そのため、標準予防策に加えて以下の対策も必要です。

入院による治療

ご高齢者様においては入院による治療が必要になることも少なくありません。医療機関では、陰圧換気できる部屋で管理が行われます。
なお、結核で排菌がある場合は、排菌が認められなくなるまで、医療機関で入院治療をする必要があります。排菌のない場合は外来治療が可能です。

個室に移動

ご利用者様の感染が判明した場合、病院へ移送するまでの間、原則として個室に移動していただきます。診察前であっても発熱や咳、発疹などの症状がある場合は個室に移動していただくことが望ましいです。個室は十分な換気を行います(廊下側のドアは閉じておきます)。

職員は高性能マスク(N95等)を着用

空気感染する病原体に感染、または感染が疑われるご利用者様と接触する際はN95マスクなどの高性能マスクを着用します。N95マスクは着用した人を、微生物を含む外気から守るために使われます。飛沫核の侵入を想定しており、0.3㎛以上の微粒子を95%以上捕集できるマスクです。顔とマスクが密着し、空気がマスクの中に漏れ込まないようになっています。

ちなみに、サージカルマスクは着用した人から排出される微生物の拡大を防ぐ目的で使われます。また、飛沫(5㎛以上)の受け止めを想定しているので、飛沫核の侵入は十分に防げません。

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