老人性乾皮症
ろうじんせいかんぴしょう
加齢により生じる老人性乾皮症とは、肌のうるおいを保つ「セラミド・天然保湿因子(NMF)」の減少や、皮脂を作り出す機能の低下などにより、肌表面がザラザラしたり、浅いヒビ割れが無数に生じたりすることをいいます。乾皮症は皮脂欠乏症とも呼ばれます。症状が悪化すると、肌表面に白い粉をふいたような「鱗屑(りんせつ)」が生じます。また、かゆみを伴うことが多いことから、介護スタッフはご利用者様の肌のうるおいを守るとともに、外的刺激を与えないよう注意してケアすることが大切です。
老人性乾皮症の原因
肌は、外側から「表皮」、「真皮」、「皮下組織」という大きく3層構造になっています。表皮の一番外側にある角層は「水分保持機能」と「バリア機能」の役割を持ち、これらの機能が正常に働くことで肌のうるおいは守られています。
【皮膚の断面図(イメージ)】
ところが、「肌表面」、「角層細胞間」、「角層細胞内」に存在する保湿因子である「脂腺由来の脂質」、「セラミドなどの細胞間脂質」、「天然保湿因子(NMF)」が減ると、水分保持機能とバリア機能が弱まり、皮膚は乾燥状態に陥ります。これら3つの保湿因子は年齢を重ねるとともに減少する傾向があるため、高齢のご利用者様は肌が乾燥しやすく、老人性乾皮症になりやすいといえます。
老人性乾皮症の好発部位
老人性乾皮症は、「下腿伸側」、「側腹部から腰部」、「肩」、「大腿」、「腕」などによく見られます。ご利用者様の肌の状態を観察する際は、これらの部位に老人性乾皮症の症状が見られないかを確認すると良いでしょう。
老人性乾皮症の予防とかゆみへの対策
以下、老人性乾皮症の予防策とかゆみへの対策をご紹介します。
室内湿度を約50~60%に保つ
室内が乾燥していると老人性乾皮症になりやすいため、ご利用者様がいらっしゃる室内の湿度は加湿器などを用いて50~60%、最低でも40%以上に保ちます。特に冬場は暖房機の使用により、室内の湿度が低くなりやすいため、注意しましょう。
「低刺激」や「弱酸性」の洗浄料で、泡でやさしく洗う
入浴介助時は、洗浄力が強いタイプの洗浄料を使うと過剰に皮脂が除去される可能性があるため、「低刺激」や「弱酸性」の洗浄料を使います。また、角層を傷つけないよう、洗浄料をよく泡立ててから汚れをやさしく洗い落とします。
ご利用者様の皮膚を保湿する
入浴後は肌が乾燥した状態になりやすいため、柔らかいタオルで水分を拭き取った後、ローションやクリームなどを塗り、保湿します。塗るときは、摩擦が起きないようやさしく一方向に伸ばしましょう。保湿剤は塗りやすく、のばしやすいタイプのものを選びます。
肌の乾燥を防ぐ食事を心掛ける
冬場でも小まめに水分補給をする、肌の乾燥を防ぐ栄養素を食事に取り入れることで、乾燥を内側から防ぎます。食事については、献立を考えている栄養管理士などに相談しましょう。
肌への刺激が少ない衣服を選ぶ
衣服が肌にこすれると、それが刺激になってかゆみを伴うことがあるため、ちくちくした繊維の衣服は選ばないように心掛けます。例えば綿やシルクといった自然素材のものを選ぶと、肌への刺激が軽減できます。
スキンケアの啓発にご活用ください
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