2024年8月2日更新
毎日の清掃を効率的に実施するためにはいくつかのポイントがあります。例えば、環境由来の病原体は主にご利用者様やスタッフ様の手指を介して拡がります。清掃の業務を見直すときは手が頻繁に触れる場所(高頻度接触部位・コンタクトポイント)と、手があまり触れない部分(低頻度接触部位)にわけて考え、高頻度接触部位を重点的に清掃しましょう。
手が頻繁に触れる部分(高頻度接触部位)の清掃
頻繁に手が触れる高頻度接触部位(ドアハンドルやベッドサイドレール、ライトのスイッチ、トイレや洗面所、車いすのレバーなど)は1日1回以上を目安に清掃を行います。目に見える汚染は素早く確実に拭き取り、必要に応じて除菌を行います。
ドアハンドル
ベッドサイドレール
ライトのスイッチ
トイレのレバーハンドルや手すり
車椅子のレバー
スムーズな清掃には除菌剤を配合した洗浄剤が役立ちます。通常であれば汚れを落とす「洗浄剤」と、除菌を目的とした「除菌剤」の2種類のアイテムが必要ですが、除菌剤を配合した洗浄剤なら1本で洗浄と除菌が行えます。スタッフ様の手間が省けるだけでなく、洗剤の取り間違えなどのミスも防げるため、業務効率化につながります。
除菌と洗浄が同時にできる除菌洗浄ペーパーを活用すると、より手軽に清掃が実施できます。
除菌剤を配合した洗浄剤や
除菌洗浄ペーパーを活用すると効率的
床など手があまり触れない部分(低頻度接触部位)の清掃
床の清掃は、洗浄剤を用いた湿式清掃が基本です。カーペットなどを敷いている場合は掃除機でごみやほこりを取り除きます。雑巾・モップは雑菌が繁殖しやすいため、洗浄・乾燥をしっかりと行い清潔な状態を保ちましょう。手軽で衛生的に使用出来るフロアワイパーの活用もおすすめです。
なお、嘔吐物や血液、排泄物などで汚染されている場合は、次亜塩素酸ナトリウム等を用いて、別の対処が必要です。詳しくは「緊急時の対処 嘔吐物処理の仕方」をご覧ください
浴室・シャワー室の清掃
脱衣室の清掃、浴室内の清掃、浴槽の水の交換(非循環式浴槽の場合)、残留塩素濃度の測定(循環式浴槽の場合)は毎日行いましょう。なお、残留塩素濃度は0.20~0.40mg/Lに保つことが望ましいとされています。浴室には水あかやせっけんカスなど特有の汚れがあるため、家庭の浴室と同様に浴室用洗剤を使うとスムーズに汚れを落とせます。
浴室のカビなどが気になる時には塩素系のカビとり剤も有効です。湿気がこもるとカビの原因になるため、清掃後は必ず換気を行いましょう。
循環式浴槽を使用している場合はレジオネラ菌の発生にも注意が必要です。1週間に1回以上ろ過器を逆洗し消毒するほか、業者へ依頼するなどして自主点検を実施しましょう。
日常的な清掃の精度を高めるためには、清掃の基本をまとめたマニュアルを作成し、またマニュアル通りに実施できているか定期的なチェックを行うことが必要です。
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