感染成立の3つの要素
■主な感染経路
・空気感染 ・飛沫感染 ・接触感染(経口感染含む) ・血液媒介感染
主な感染経路と原因微生物
感染経路
特徴
主な原因微生物
接触感染
(経口感染含む)
手指・食品・器具を介して伝播する頻度の高い伝播経路である。
ノロウイルス
腸管出血性大腸菌
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
(MRSA)
緑膿菌 など
飛沫感染
咳・くしゃみ・会話などで、飛沫粒子(5μm以上)により伝播する。
1m以内に床に落下し、空中を浮遊し続けることはない。
インフルエンザウイルス
ムンプスウイルス
風しんウイルス
レジオネラ属菌 など
空気感染
咳・くしゃみなどで、飛沫粒子(5μm以下)により伝播する。
空中に浮遊し、空気の流れにより飛散する。
結核菌
麻しんウイルス
水痘ウイルス など
血液媒介感染
病原体に汚染された血液や体液、分泌物が、針刺し事故等で体内にはいることにより感染する。
B型肝炎ウイルス
C型肝炎ウイルス
ヒト免疫不全ウイルス(HIV) など
介護施設でインフルエンザやノロウイルスなどの感染症が発生するのは、施設外部から持ち込まれるケースが多いといわれています。
感染対策には「病原体を持ち込まない・持ち出さない・広げない」―この3つの考え方が基本です。その中でも「病原体を持ち込まない」対策を意識しましょう。
また感染対策の知識を深めるために感染対策委員会を設け啓発を行うなど、組織的な取り組みも必要です。
高齢者介護施設における感染対策
参考:厚生労働省老健局「介護現場における(施設系 通所系 訪問系サービスなど)感染対策の手引き 第3版」
介護施設の感染対策では、日常的に標準予防策(スタンダード・プリコーション)を実施し感染経路を遮断することが重要です。
スタンダード・プリコーションとは、医療・ケアを提供するすべての場所で適用される感染予防策で、標準予防策とも呼ばれます。感染症の有無に関わらず、あらゆるご利用者様・患者様に対して普遍的に適用される予防策です。「汗を除くすべての血液、体液、分泌物、損傷のある皮膚・粘膜は感染性病原体を含む可能性がある」という原則に基づき、手指衛生や個人防護具(マスクやガウン他)の着用など感染リスクを減少させる予防策を示しています。
医療・介護の現場において感染予防の基本となる対策はスタンダード・プリコーションの日常的遵守です。下記にその標準予防策の10項目を示します。
①手指衛生
流水と石けんを用いた手洗いと、アルコール手指消毒剤を用いた手指消毒をさす
➁個人防護具
手袋、マスク、ガウン、エプロン、ゴーグル、フェイスシールド等の感染から身を守るために着用するもの
③医療器材・器具・機器の取り扱い
使用した器具や機器をその種類や使用方法に応じて、洗浄・消毒・滅菌などの管理を行うこと
④環境整備
患者、利用者のケア区域内の清掃と消毒のこと
⑤リネンの取り扱い
リネンに付着した病原体が、人や周囲の環境に拡散しないように取り扱う方法のこと
⑥患者配置
病原体が人や周囲の環境に拡散しないように患者を配置、移動をする方法のこと
⑦職業感染防止
血液媒介病原体(HBV/HCV/HIVなどのウイルス性疾患等)への曝露を防止し、感染を防ぐこと
⑧咳エチケット
呼吸器病原体の伝播を防ぐために行う対応のこと
1985年、米国CDC(Centers for Disease Control and Prevention:疾病管理予防センター)は医療機関などを想定した感染対策として、ユニバーサル・プリコーションを提唱しました。
米国CDCは世界最大の感染症対策組織です。日本の厚生労働省に相当する組織で、国内外の公衆衛生の管理・維持を目的としています。CDCは手洗い、院内感染防止、歯科医療での感染制御など、医療現場で指針となるガイドラインを公表しています。多くの文献やデータを網羅しているCDCのガイドラインは、世界標準として信用されています。
ユニバーサル・プリコーションは主に医療従事者を対象に、血液由来の病原体(HIVウイルスなど)から守るための予防策でした。これををすべての患者に適用できるよう改良したものが、1996年に米国CDCによって発表されたスタンダード・プリコーションです。
スタンダード・プリコーションでは主に「血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、創傷皮膚、粘膜など」を感染の危険性があるとして取り扱うことを勧めています。
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