コラム

2021年7月20日更新

災害に備えて介護施設が用意すべき備蓄品とは?すぐ使える備蓄品リストも紹介

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著者プロフィール/北村 博(きたむら・ひろし)
一般社団法人防災安全協会 防災士・災害備蓄管理士
大学中退後、教科書会社やビジネス系出版社などの編集業務等を経て、当時のホームヘルパー2級等取得。東日本大震災を契機に防災士を取得後、一般社団法人防災安全協会設立に関わり、全国で災害食グランプリ、災害食大賞等の防災イベントを中心に企画・運営し、その啓蒙・啓発活動や現在、災害備蓄管理士の人財養成に取り組んでいる。

南海トラフ沖地震や首都直下型地震など、近い将来発生すると予想されている大規模地震。地震発生時は、公共交通機関が停止した状態でも救命・救助活動、消火活動、緊急輸送活動等の応急活動を迅速・円滑に行うことが重要です。

内閣府(防災担当)は「大規模地震の発生に伴う帰宅困難者対策のガイドライン」で、自宅以外の場所で大規模地震に遭遇した帰宅困難者に対して、公共交通機関が再開するまで数日間施設内にとどまる「一斉帰宅抑制」を求めています。
 
介護施設においても、大規模地震が発生した場合はご利用者様や職員を施設内に待機させる必要があります。一斉帰宅抑制時においてもご利用者様の身体をケアできるよう、災害に備えて必要な物品を把握して施設内に備蓄しておくことが大切です。

そこで今回は介護施設様に向けて、帰宅困難者対策として求められる対応や災害前に備えておきたい物品について、防災士・災害備蓄管理士の北村 博氏に解説いただきました。備蓄品を用意する上でのヒントとしてご活用ください。

災害発生時に介護施設に求められること

まずは、ガイドラインの内容をもとに、大規模地震が発生した際に帰宅困難者対策として介護施設に求められる対応や、災害に備えて平常時に備蓄品を用意する上でのポイント、備蓄量の目安を解説します。

発災時に施設等に求められる対応(介護施設を含む)

大規模地震が発生した際は、まず安全点検のチェックシートにより施設の安全を確認します。次に、災害関連情報などを入手して周辺の火災状況を確認し、従業員や来所者を施設内や他の安全な場所に待機させます。介護施設については当然、ご利用者様も待機させる対象です。
 
※安全点検に使用するチェックシートは平常時に用意します。チェックシートを作成する際は2015年2月に内閣府(防災担当)が発表した「大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針」を参考にすると良いです。

施設における備蓄のポイント

災害に備えて平常時に備蓄をする際は、備蓄品の保管場所は施設内に分散させましょう。また、ご利用者様や従業員など備蓄品の配布対象を決めておきます。備蓄量の目安は3日分とされていますが、3日分以上の備蓄についても検討しておきましょう。さらに外部の帰宅困難者のために、例えば10%程度の量を余分に備蓄すると良いです。

【3日分の備蓄量の目安】

  • 保存水については、1人当たり1日3リットル、計9リットル
  • 保存食については、1人当たり1日3食、計9食
  • 毛布については、1人当たり1枚
  • その他の品目については、物資ごとに必要量を算定

例えば、従業員10名、ご利用者様40名の計50名がいる施設の場合、3日分の備蓄量は以下のようになります。

【従業員10名とご利用者様40名の施設の備蓄量】

  • 保存水:3L×50名×3日=450L
  • 保存食:3食×50名×3日=450食
  • 毛布:1枚×50名=50枚

水や食料の選択に当たっては、賞味期限に留意しましょう。例外として、氷砂糖は賞味期限の表示が必要なくいつでも食べられます。また、氷砂糖は舐めると唾液がでるため、喉を潤す手段としても活用できます。
 
高齢者が多い介護施設においては、氷砂糖や介護食、アレルギー対応の備蓄食、常備薬、老眼鏡、補聴器、入れ歯、大人用のオムツ、口腔ケア等の備蓄が必須となります。

備蓄品の保管方法

以下では、備蓄品を保管するおすすめの方法を紹介します。

ローリングストック法

ローリングストック法とは、備蓄品を日常的に消費して、減った分だけ買い足していく方法です。日常備蓄として普段使いができ、災害時にも役立つ循環型の備蓄方法として、農林水産省が中心となって推奨しています。

ローリングストック法を採用すれば賞味期限切れによる食品ロスを防ぐこともでき、無駄な廃棄を削減できます。
 
日常的に消費する手段としては、有効期限前の備蓄食料を施設の従事者に配布したり、定期的な防災訓練で備蓄食の試食を実施したりするなどが考えられます。備蓄品を食べて実際に味を確認した上で次の備蓄品を選択することもできますし、食品ロスの削減によってSDGsの取り組みにもつながるため、一石二鳥の方法といえます。

備蓄品リスト

帰宅困難者対策のガイドラインには、備蓄品目として以下のものが挙げられています。

【備蓄品目の例】

  • 保存水 :ペットボトル入り飲料水2Lや500mL等
  • 保存食:アルファ化米、缶詰、パン、カップ麺等
  • 毛布やそれに類する保温シート
  • 簡易トイレ、衛生用品(トイレットペーパ等)、感染症対策の除菌剤等
  • 敷物(ビニールシート等)
  • 携帯ラジオ、懐中電灯、乾電池
  • 救急医療薬品類
  • その他の物資(特に必要性が高いもの)

今回、介護施設向けに備蓄品リストのダウンロード資料を用意しました。必要な品目や数量(目安)の計算方法などを掲載していますので、備蓄品を用意する際はぜひご活用ください。

今すぐつかえる「備蓄品リスト」ダウンロード

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東日本大震災の教訓として、コンビニやスーパーから一斉に食品がなくなりました。非常時でもご利用者様のケアを十分に実施するためには、災害はすぐそこに迫っていることを肝に銘じて、日頃から食品をはじめ備蓄水や簡易トイレ、必要に応じた日用品を備えなければなりません。まず第一歩として、日常備蓄を今すぐにやってみること、また既に備えている施設では備蓄の点検やもう一度見直してみることが肝心です。

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