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コラム

2025年3月18日更新

特養・老健・通所の運営規程の変更タイミングは?定めるべき内容と注意点も解説

監修者 小濱道博氏のプロフィール写真

監修者プロフィール/小濱 道博(こはま・みちひろ)
小濱介護経営事務所代表
C-MAS 介護事業経営研究会最高顧問
C-SR 一般社団法人医療介護経営研究会専務理事
日本各地で介護経営支援を手がける。全国で年間250件以上の介護事業経営セミナーの講師を務め、例年延べ2万人以上の集客実績をもつ。全国の介護保険課、各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等の主催講演会での講師実績は多数。介護経営の支援実績は全国に多数あり。
著書:「実地指導はこれでOK!おさえておきたい算定要件シリーズ」第一法規、「これならわかる<スッキリ図解> 介護BCP」翔泳社、「これならわかる<スッキリ図解> LIFE」翔泳社、「これならわかる<スッキリ図解> 運営指導」翔泳社、「よくわかる実地指導への対応マニュアル」日本医療企画、「介護経営福祉士テキスト〜介護報酬編」日本医療企画、「これならわかる<スッキリ図解> 介護ビジネス」(共著) 翔泳社。
ソリマチ「会計王介護事業所スタイル」の監修を担当。

介護施設の運営規程は、適正な運営と質の高いサービス提供を支える重要な文書です。一度作成して終わりにせず、法改正や施設の状況変化に応じて見直しを行い、適切に改定することが、信頼される施設運営の鍵となります。
そこで今回は、運営規程の役割や定めるべき内容、さらに変更が必要となるタイミングや注意点を詳しく解説します。

介護施設における運営規程とは

運営規程は、介護保険サービス事業者が事業を適切に運営し、ご利用者様に質の高いサービスを提供するために定める規程です。この規程は、事業者にとって事業運営の指針となるだけでなく、ご利用者様が施設を選ぶ際の重要な判断材料にもなります。そのため、運営規程の作成は事業者に義務づけられており、運営指導(旧実地指導)においても内容が確認されます。

運営規程に定めるべき内容

運営規程には、介護サービスの種類ごとに指定された項目を必ず含めなくてはいけません。それに加え、各事業所の実情に応じて必要な事項を追加で記載することも求められます。

自治体によっては運営規程のひな形を用意しているケースもあり、これを活用することで効率的に作成を進められます。ただし、ひな形はあくまで参考であり、事業所の実態に即して適切な内容にすることが重要です。

以下の表に、介護老人福祉施設(特養*1介護老人保健施設(老健)*2、通所介護*3において運営規程に最低限定めるべき内容をまとめています。


 

介護老人福祉施設(特養)

介護老人保健施設(老健)

通所
介護

1.施設・事業の目的及び運営の方針


2.従業者の職種、員数及び職務の内容


3.営業日及び営業時間




4.入所・利用定員(ユニット型の場合、ユニットの数及びユニットごとの入居定員)


5.入所・利用者に対するサービスの内容及び利用料その他の費用の額


6.通常の事業の実施地域




7.施設の利用に当たっての留意事項


8.緊急時等における対応方法


9.非常災害対策


10.虐待の防止のための措置に関する事項


11.その他運営に関する重要事項(以下を含む)
・感染症対策を含む衛生管理に関する事項
・苦情・ハラスメント処理に関する事項
・身体拘束に関する事項
・BCP(業務継続計画)策定に関する事項
・生産性向上委員会の設置に関する事項(令和9年度より義務化)


  1. *1
    厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」
  2. *2
    厚生労働省「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」
  3. *3
    厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」

運営規程を変更するタイミング

運営規程は一度作成して終わりではなく適宜変更する必要があります。ここでは、運営規程を変更すべき具体的なタイミングについて解説します。

法改正があったとき

不定期で改正される労働基準法や、基本的に3年ごとに改正される介護保険法などの関連法規が改正された際には、運営規程が新しい法律に準拠するよう、見直しが不可欠です。

例えば、令和3年度介護報酬改定では「感染症対策の強化」「業務継続に向けた取組の強化」「高齢者虐待防止の推進」において省令改正が行われました。これに伴い、令和6年3月31日までに、運営規程に感染症対策、BCP(業務継続計画)の策定、ならびに虐待防止対策についての記載を追記することが求められました。

業務内容や施設の運営方針が変更されたとき

施設の運営方針やサービス内容、組織構造などに変更が生じた際には、それに応じて運営規程の見直しが必要です。

リスク管理の強化が必要なとき

感染症が流行した場合や、運営規程作成当時よりも災害の発生確率が高まっている場合、近隣地域での災害が発生した場合などには、リスク管理の強化を目的として運営規程の見直しが求められます。

運営規程を変更する際の注意点

法的な要件に準拠する

運営規程は、必ず最新の法的要件に準拠していなければいけません。労働基準法や介護保険法、関連する厚生労働省のガイドラインに基づいているか確認が必要です。特働時間、休憩、休日、福利厚生、感染症対策など、職員とご利用者様の安全・健康に直結する項目は、最新の基準に合っているか注意深くチェックしましょう。

重要事項説明書との整合性を保つ

運営規程の内容は、ご利用者様に提供する重要事項説明書の内容と合致している必要があります。両者に整合性があるかは、運営指導時の重要な確認ポイントです。そのため、人員配置や営業日、サービス提供時間、通常の事業の実施地域などを変更した際は、運営規程だけでなく、重要事項説明書の変更が必要かも確認しましょう。

変更届を忘れずに提出する

運営規程を変更した場合は、変更があった日から原則10日以内に都道府県への変更届の提出が義務付けられています。例外として、人員基準を満たした上での人員変更については、年に1回の届出で良いとされています。各都道府県のホームページなどで手続き方法を確認した上で、迅速に対応しましょう。

職員・ご利用者様へ周知する

運営規程を含む重要事項は、事業所内の見やすい場所へ掲示するか、ファイルなどを設置し自由に閲覧できる状態にしておくことが義務付けられています。さらに、令和6年度介護報酬改定では、令和7年度からウェブサイトへの掲載・公表も義務化されました。

掲示するだけでは不十分で、職員やご利用者様とそのご家族に対する変更内容の説明も忘れてはいけません。職員は業務に直接影響がある場合があるため、迅速かつ具体的な説明を行い、疑問点を解消します。ご利用者様にも変更点を分かりやすく伝え、安心して施設を利用できるよう配慮が必要です。

適切なタイミングでの見直しが重要

運営規程は、施設運営のルールを明文化し、職員やご利用者様の安心を支える重要な規程です。適切なタイミングでの見直しや更新は、施設の信頼性やサービスの質を向上させる良い機会とも言えます。今回紹介した内容を踏まえ、自施設の運営規程に改定が必要な箇所がないか、確認してみてはいかがでしょう。

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