「あのお店はご飯がおいしいから、毎日でも食べに行きたいくらい!」とお客様に評判の飲食店。お客様は行列を苦にすることも無く、楽しみながら食事をされています。
ところが、ある事件をきっかけに、行列までされていたお客様がパタッとお店に来られなくなってしまいました。その事件とは「ネズミが店内を走り回り、ベビーカーで寝ていた赤ちゃんの顔の上に乗ってしまった。」というものです。何を大げさにと思われるでしょうが、この飲食店ではネズミ騒動に端を発して、最終的には閉店に追い込まれてしまいました。
閉店にまで追い込まれてしまったこの飲食店にはいくつかの問題がありました。1つ目の問題は、店内を走っていたネズミが赤ちゃんの顔に乗ったというクレームを受けた店長が「申し訳ありません。が、飲食店でネズミが出ない店なんて無いですよ。どこでも普通に出ます。」と不遜な応対をお客様にしてしまったことです。不幸なことにその姿が動画で撮られSNSで瞬時に拡散されてしまったことでした。
店長としては、飲食店でネズミを見かけることはそれほど珍しいことではないと思っていたため、「普通のこと」と思わず口にしてしまったのでしょうが、お客様にとっては、ネズミを見かけることは日常ではありません。
あっと言う間に「この店長、謝るどころか開き直りやがった。」「赤ちゃんがもし噛まれたりしたら、最悪の場合死んじゃうこともあるらしいよ。アメリカでも事例があるし。」などの批判がSNSを駆け巡ってしまったのです。
どんなにご飯がおいしくても「この店はネズミが出ることが普通と言い切るなど、衛生管理を徹底しようとしていない。」などの悪評が立ち、お客様は離れていってしまいました。
次の問題は、店長が「飲食店だからネズミやゴキブリが出ることは普通。防ぎようがない。」と害獣・害虫駆除に本腰を入れなかったことです。ネズミが店内にいるということは、目撃したお客様に不快感を与えるだけでなく、様々な問題を引き起こしかねませんが、店長はこの問題から目を背けてしまったのです。
飲食店内に生息しているネズミの大半はクマネズミかドブネズミです。特にドブネズミは下水管などの不衛生な場所で生息しているため、食中毒発症の原因となるサルモネラ菌などの多くの病原菌が体中についています。また、ノミやダニなどの寄生虫もいるためにフンや尿にもさまざまな菌やウイルスが含まれているのです。
ネズミは尿を少しずつ垂れ流しながら移動するという習性があるため、厨房だけでなくお客様の前をネズミが走り回るということは、客席にまで病原菌をまき散らしているということになります。飲食店経営者や店長はこの事実を認識せずに「どうせ駆除しても、隣の飲食店から移動してきちゃうから。」などと諦めてしまってはいけないのです。
ネズミを原因とした健康被害は非常に多く発生しますが、飲食店で気を付けなければならないのはサルモネラ菌による食中毒でしょう。例えば調理済みの料理を冷ますために、鍋に蓋をせずに一晩キッチンで放置しておいた際に、ネズミによって菌をばらまかれてしまい食中毒発生につながる危険性などもあります。
その他、ネズミが菌を媒介することで、腸チフスやE型肝炎だけでなく、致死率が高いとされるハンタウイルス肺症候群も引き起こすと言われています。ハンタウイルス肺症候群は日本での感染例はまだ少ないですが、ドブネズミがウイルスを運ぶために大量感染の危険性も指摘されています。
ネズミは1.5cmの直径があれば、床下から天井、排水管まで、どこにでも侵入することができます。ネズミが入り込んだ箇所ではあらゆるものがかじられ、周りにフンや尿をばらまかれてしまいます。
ネズミが配線をかじり電気がショートしてしまった、という話はよく聞かれたことがあるでしょう。でも実は、ネズミがかじるのは物だけではありません。人間もかじってしまうのです。一般的には「鼠咬症(そこうしょう)」と呼ばれていますが、菌を持ったネズミに噛まれることで、その傷口からスピリルムまたはストレプトバチルスという原因菌が体内に入り「鼠咬症スピロヘータ感染症」もしくは「モニリホルム連鎖桿菌感染症」にかかってしまう可能性があるのです。
鼠咬症を発症すると39度ほどの発熱と頭痛や震えなどの症状が出ますが、最悪の場合は死に至ります。
冒頭でご紹介した「赤ちゃんの顔にネズミが乗った。」というケースは、単純に汚いとか気持ちが悪いから嫌だ、というレベルの話ではなく、最悪の場合は赤ちゃんがネズミに噛まれて死に至ってしまうこともある、大きな問題を引き起こしかねない事件の話だったのですね。
「飲食店ではネズミが出るのは当然。」と考えるのではなく、日ごろからネズミを発生させないように清掃を行い、もしネズミやフンを発見したら、即座に駆除活動を行うなど衛生管理を徹底していきましょう。
contact
03-5630-7141
営業時間:9:00~12:00、
(土・日・祝日・年末年始・夏季休暇を除く)
03-5630-7130
ご返信できますようお客様の氏名、電話番号、
お電話の混雑状況によって、つながりにくい場合がございますので、
ご不便とご迷惑をおかけいたしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
製品の誤飲・誤食、製品が目に入ったなど、緊急の場合は、すぐ医療機関にご相談ください。
また、製品サポート・Q&Aもご参照ください。