介護現場の用語集

2022年6月27日公開

腸管出血性大腸菌

ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん

下痢症を引き起こす大腸菌は、腸管病原性大腸菌・腸管侵入性大腸菌・毒素原性大腸菌・腸管凝集性大腸菌・腸管出血性大腸菌の5種類に分類されます。特に腸管出血性大腸菌は、菌の表面にあるO抗原(細胞壁由来)とH抗原(べん毛由来)によって「O157」「O26」「O111」などに分類され、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS:Hemolytic Uremic Syndrome)を引き起こすため、注意が必要です。
腸管出血性大腸菌に感染すると、ベロ毒素を産生します。症状は無症状から致死的なものまで様々な症状が知られており、特に、腸管出血性大腸菌感染に引き続いて発症することがある溶血性尿毒症症候群(HUS)は、死亡あるいは腎機能や神経学的障害などの後遺症を残す可能性のある重篤な疾患です。
腸管出血性大腸菌感染症は、感染症法で三類感染症に位置づけられています。三類感染症は、感染力、かかった場合の重症度等からみると危険性が非常に高いとはいえませんが、特定の業務(飲食物を取扱う業務等)に従事することによって他者への感染を起こす可能性があるので、飲食物を扱う業種の場合は、発症者の就業制限や施設の消毒等を行う必要があります。
高齢者および抵抗力の弱い集団においては、腸管出血性大腸菌に感染した場合、重症化しやすいため注意が必要です。腸管出血性大腸菌は肉、野菜、井戸水、乳製品などさまざまな食品・食材から見つかっています。感染を防ぐためには、洗浄や加熱などで食品を衛生的に扱うこと、また食事前の手洗いなど手指衛生の徹底や、食事を提供する場所の環境整備が重要です。

参考:
・厚生労働省「腸管出血性大腸菌Q&A
・国立感染症研究所「下痢原性大腸菌感染症とは」(2022年5月27日に利用)
・国立感染症研究所「腸管出血性大腸菌感染症とは」(2022年5月27日に利用)

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