2013年 入社。研修を経て、メディカル販売部に配属
2015年 事業企画部 フードサービス事業グループに異動。食器用洗剤などのマーケティングを担当
2016年 事業企画部 レクリエーション事業グループに部署内異動。浴室洗浄剤・化粧品を担当
企画営業からキャリアをスタート
入社後最初の配属となったのは、メディカル販売部。病院・介護施設向け営業からのスタートでした。病院、個人経営のクリニック、介護施設を回訪し、商品の提案だけでなく、手指・環境衛生の重要性・手法を伝えるための院内感染対策講座や作業負担を軽減して本来の業務により集中できる清掃手法をお伝えする勉強会を通して提案を行っていました。医療現場のプロフェッショナルに対して、新卒入社の私が提案することに畏れ多い気持ちもありました。しかし、「本気で向き合えばお客様は振り向いてくれるし、同じ方向を向いて課題解決に取り組んでいける」とのそんな想いをもって、現場のことを誰よりも知る営業であり続けるための努力を重ねました。
「売る」立場から、「つくる」立場へ
初めての異動先は、事業企画部門。商品を生み出すことをミッションとする仕事でした。
営業は出来上がったモノを通じてお客様の課題を解決に導きますが、それでも解決できないお困りごと・不満の原因を根本から解決できるのは「モノづくり」。この観点において、興味を持っていた部門でした。
「売る」立場では、自分が担当しているお客様を相手にするミクロな目線。目の前の担当しているお客様のお困りごとを解決することが主な使命です。一方の「つくる」立場になると、マクロな世界。相手をする世界が大きく広がります。どのような一般的な現場でも悩んでいること・局所的で特殊なお悩み事の両方を考える必要が出てきます。この世界観の違いに、最初は戸惑うことが多かったです。一筋縄ではいかないことばかりが起き、1歩進んで半歩戻るような時期が続く。そんな苦しい時に支えになったのは、営業から異動になった際に上長から言われた一言でした。「お客様の現場を知っている立場で商品を作ることの意味を考えろ」。営業時代に培った、現場をリアルに思い描くことのできる力によって、お客様に寄り添ったベネフィットを生み出すこと。これが自分に課せられたミッションだと自負し、チャレンジしていこうと心に決めました。
KPSの現状を分析してなりたい姿までを思い描き、形にするのがマーケティング。明確な正解がなく、着任から数年経った今でも「生みの苦しみ」を味わう毎日です。自分が「社会にこんな価値をもたらしたい」と思った方向に舵をきることが出来る一方で、本当にそれが「社会にとって・KPSにとって価値のあるものなのか」は、商品を出してお客様からの答えを貰わなければわからない部分もある。それでも、信念と勇気をもって決断し、進めていかなければなりません。
ブランド育成においては、深い商品理解、現場の知識、市場や競合の状況と、幅広く知識が求められます。そのために、新聞から情報を得たり、お世話になっている販売代理店に営業と一緒に伺い、市場の変化や現場の本質的な課題を探るために情報交換を行うといった地道な努力を重ねました。
また、社内への立ち回りも意識して変えていきました。事業企画部門では、工場での生産ライン確保、販売戦略といった方針の打出し等の様々な項目について、生産・物流・営業といった各部門に動いてもらうための発信をしていくモノづくりの「まとめ役」を担います。営業時代は「方針を受け、動く立場」でもあった経験を活かし、どう伝えればより納得の上で協力を得られるのか・自分はどんな情報が欲しかったのか、という目線を意識しながら発信を行っていきました。
営業経験をモノづくりに繋げる
現在は、浴室用品・アメニティの商品企画・マーケティングを担当しています。中でも浴室用品のモノづくりには、初任でのメディカル系営業の経験が大きく活きた実感があります。介護現場では1日に何度も風呂場を使用するものの、現場の多忙さや一人ひとりの被介護者に合わせたケアに時間をかける必要があり、換気や清掃に時間を費やすことは困難なことから、カビ汚れが発生しがちな現状があります。カビ汚れやニオイが蓄積してから必死で清掃するのではなく、「普段の簡単な清掃からきれいな状態を維持し、予防できる」ことにニーズがあるのではないか。そんな発想から、業務用の「バスマジックリン スーパークリーン」を企画提案し、2018年6月に発売が実現しました。介護施設のメイン事業は、掃除ではなく「介護サービス」。ここに注力していただける環境づくりが出来ないか?という、営業時代からの想いが実現しました。介護現場に限らず、ホテルや旅館等の浴室清掃にも幅広く活用され、世の中に役立っている実感があります。
新しい価値を
世の中に提案していく夢に向かって
もう一つの担当であるアメニティのモノづくりにおいては、より「KPSらしさ」をブラッシュアップしていくことが今の目標です。「KPSらしさ」とは、宿泊者の心をつかむ「見た目の美しさ」「魅力」という観点にとどまらず、私たちのお客様であるホテルがより実感できるベネフィットを提案することです。例えば、シャンプーやリンスなどの石鹸カスが残りにくい処方に工夫することで、清掃時間の削減に貢献したり、環境への優しさ、ユニバーサルデザインなどの、KPSのソリューション提案を地で行くようなモノづくりです。
これまでの私のキャリアを振り返ると、一見畑違いの異動にも見えます。ですが、私の浴室用品のモノづくり経験のように、KPSでは担当する事業軸が変わったことによってゼロからのスタートに戻ってしまうわけではありません。「生活」「衛生」というキーワードの繋がりから、多様な経験を生かし、チャンレンジできる場だと思います。
何がどう繋がるかわからなくても、会社側が決めたキャリアローテーションと、自分の意気込みとのマッチング次第で、切り開ける道は変わってくる。そんな想いから、今仕掛けている仕事も将来に繋げられるよう幅広く視野を持って取り組んでいます。